紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

ムラサキ種・種子の収集方法

2020-10-31 19:32:38 | 染料栽培
「分枝の採取と種子の取集方法」
日本ムラサキの分枝の採取・切り取り時期となった。
しかし、切り取って良いのか、もう少し日延をした方が良いのか迷う。
分枝の先端には花が咲いている。その下には緑の種が4粒もある。
分枝の下方には完熟した種子が、白くなってきた。 

少しでも多くの種を集める事が念頭にあれば、当然の迷いである。
温暖な地域では、まだまだ盛んな分枝の生育状況かも知れない。
寒冷地では、霜が来るまでは待つ事が可能である。
多くの葉が緑を失い、黄色に変わるからである。  
しかし、そこまで待つと作業中にこぼれ落ちる種子が出てくる。
良い種を取り集める事に切り替えれば、先端の緑の種を捨てる判断となる。

隣の耕作放棄地の畑の一隅で育てた1畝である。
2回に分けて分枝を切り取る。1株の枝数は10本以上となる。
生育の盛んな株は分枝の先は更に3本に分かれる


まだ緑の多い枝だが、大きなビニール袋に切り取った分枝を入れる。
鋏を入れて切断場所を探っているとポトリと音がする。種が落ちたらしい。
分枝を切り取った畝の紫草である。紫根の収穫を待つ事になる。
種子の収集が急がれるので、このまま暫く放置状態となる。


かつては、株元から枝を切ったので量は山の様になった。
庭先にシートを敷き棒で叩いた。種と同時に多くの葉が割れ落ちた。
この仕分けには根気が必要だった。箕を使い、風向きを頼みに苦労した。


採取した分枝は、ビニール袋の口を開けて2日間乾燥させる。
袋内の枝は中1日で、上下を反転させる。葉をカラカラに乾燥させない事。
葉がしんなりする程度の乾燥として、袋の口を開け閉めする。
硬い緑の葉がしんなりした1枝を持ちバットを下に種を落とす。
枯れた細い萼片と種だけが容器に広がる。


枝の下方から葉の脇の萼を押さえて種を落としていく。
分枝の葉の脇には必ず花が咲いた筈である。1〜4粒の種子がある。
2粒以上あると種は落ちやすい。完熟した灰色の種でも1粒の場合は5片の萼に包まれ落ちない。
勿論、枝の上部の茶色の種も落ち難い。緑色の種は熟していないので手を出さない。
葉の脇の萼に種がない事も多い。種が落ちた訳では無く、受粉出来無かったのである。
雨の続く日があった。ミツバチや蝶の飛び交う陽気が続かなければ、実らない。


バット内の選別は、至極容易である。
バットを傾け、軽く振るとゴミの萼片は種の上に集まる。
絵筆などで軽く取り除く事ができる。
夜なべ仕事で1本、1本手に取って取り残しが無いか続ける作業も大変である。
しかし、その後の選別の事を思うと老体に合った種の収集方法と納得している。  

「はなのあと たねなきがくに くびかしげ」 
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ムラサキ種子・発芽試験試料作成

2020-10-24 15:59:20 | 染料栽培
「雨の日に・・・気になっていた問題解決試料作り」
日本ムラサキの発芽で気になっていた事がある。
多くの種が発芽する事前準備は見出したが、遅れて発芽してくる原因が気になっていた。
今年の種子採取をボツボツ始めた処である。
折しも、雨で畑作業は休みとなった。
この雨を期して植えた苺にはたっぷりの降雨量であった。
数日前、採取したムラサキの分枝を広げてみる。


実験のテーマは遅れて発芽してくる原因探しである。
見通しは、花期の長さにあると思われる。
従って長い分枝が対象となる。


選んだ枝を裸にしてみる。枝下の種は少し触れるだけで落ちる状態である。
この種子を開花順に、どの様に保管するか困惑する。


最も幼稚な手法を思い付き、早速スタートする。透明粘着テープを利用。 
種を取って順にテープに置いていく。裏返したテープの下に方眼紙がある。
種と種の間隔は1.5cmが多く、方眼紙では2マス1cm間隔にした。
種子が無い箇所は萼片や数字を入れたり、単に間を開けて種を置いてある。


最も長い分枝は70cmもあった。種子数は80粒をカウントする。
途中の波線は種子が枝から採れ難くなったマークである。枝の上部の種子である。


枝の下部の部分である。ただ、各分枝の位置関係は不明である。
また、長い枝は株の最下部分とも言えない。分枝は主幹上部の本葉の脇から出るからである。
その後、下の本葉脇へと分枝の芽が移っていく。
その内に、初めの分枝が更に枝分かれして、主幹は不明となる。


同時に採取した種子をパックに分けて見た。ポロポロと落ちる種子と茎上部の種子である。
波線より上の種の完熟度は疑問符がある。(水に漬けると緑色の種となる)
厳寒期に屋外で保管して、春先に発芽結果を見たいものだ。

「わすれじと たねおくところ わすれかね」
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紫草・種子の完熟過程

2020-10-17 13:10:16 | 染料栽培
「2020年日本ムラサキ種子の採取時期を迎える」
盛夏から一転、秋の深まりは順調に日々を重ねている。
ムラサキの茎は最後の花が落ちる分枝が多くなってきた。
完熟の種もあるが、今しばらく様子を見たい種もある。

種子の採取方法は、枝を切って袋に納める事である。
分枝の先端部には、まだ緑を保つ種子がある。


7月に咲いた花は分枝の分かれ目辺りの下部にあり、勿論完熟種である。
その種を、手を差し込んで採取するのは困難である。


分枝の先端部の種で、かなり大きくなっているが、まだ黄緑色である。

種子の熟成度は、色が一目瞭然である。茶褐色になれば完熟と判断できる。
同時に、種子の先端部が開いている事も確認できる。


艶やかな褐色を呈しているが、4粒の種子の反りがもう少ししたら完熟か。

種子の色は、やや灰色味が掛かってきた。完熟種であるが、まだ自然に落ちることはない。

艶やかな灰色になる。良き種子の実入りと判断する。

種子の色は黒味を帯びて、枝の葉の緑も傷んできた。採取時期である。
大きなビニール袋を用意して切り取った枝を入れる。
自宅へ持ち帰って数日間、乾燥後に種子を落とす。


秋苗のその後である。下草はムラサキを守ってくれる様にも見える。
が、果たしてどうであろうか?ハコベ、イヌノフグリ、アカザ、ギシギシ等々。
春先の草の芽が多い。雪の下でもこれらは枯れないかも知れない。
ムラサキの地上部は雪の下では枯れる。

    「ふゆごしに やくにたつやら たたぬやら」



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驚きの秋苗の発芽

2020-10-10 13:54:38 | 染料栽培
「続々と続く秋苗の発芽」
発泡スチロール箱の苗床には後続の発芽が続き、驚きと困惑である。
定植出来なかった苗は、畑での苗床に移し、箱の中は掻き回しても緑はなかった。
10月に入ってから気付いてみると、かなりの発芽である。
発芽出来なかった残り種に、雨の日が多く、気温も15〜25°C以上と好条件であった。
一手間と思い、畑の苗床に移すことにした。


50本程の一列を追加する。この作業で左足が吊ってしまった。

本葉を覗かせた双葉の苗である。冬越しは難しいかも知れない。

保温効果も考えカットした敷き藁をする。

藁の下に隠れてしまう苗もあり、生育障害を懸念する。

腰掛けたり、膝を着いたりの長時間作業は無理だった。
残りの発芽苗は手を出さない事にした。


発泡スチロール箱ごと地表下に埋めて結果を見る事にする。
30個以上はありそうだ。発根のみの種もある。


気温は最低10°C以上を何とか保つ日々となった。
最高気温は20°Cをきる日が多くなる。種子の収穫時期になったが、まだ花が咲いている。
黄緑の種子の完熟を待つ事にする。後2週間、天候の推移が気になる。

    「ひざとかた じげんばくだん かかえこみ」

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日本ムラサキ・2020・神無月

2020-10-03 14:30:50 | 染料栽培
「春苗と秋苗の生育状況」
季節は秋に入った。この春先から生育中のムラサキは、ほとんど手出し無用となった。
分枝が多数伸長してきて、草丈は80〜100cmを越えるような状況である。


強風が吹き荒れる事が多いので、防風ネットを廻してある。
その上に分枝が伸びて、花を着けている。


生育が遅れている所は、開花はしているが分枝の生育がこれからである。
各ブロックの周囲はアキノメヒシバが全面に広がっている。


耕作放棄地のマルチ栽培の畝。各株を支柱で支える。
それを列で固定して倒れない様にする。手間が掛かる作業であった。


防風は背後のブタクサに頼ったが、伸び過ぎて南面へ倒れてしまった。
残ったブタクサは畝に倒れる心配があった。
それを切り倒すと如何に大きなブタクサであったかと驚く。


秋苗は日和も良く順調に生育中。後1ヶ月順調に根を伸ばして欲しい。
厳寒期を如何に越せるか、不順な春先の気候にも耐える生育が課題である。


耕作放棄地の秋苗の生育である。こちらの方が生育が早い。

敷き藁を通して下草が出てくる。気になって抜くと容易に抜ける。
抜いては見たが、この根は地中で霜柱の防止になるのではと止める。


残り苗を苗床として集めてみた。随分沢山、発芽したものだ。
8月中旬、真夏真っ盛りに発芽したものだ。来年2021年の主役となれるか?

  「さていかに げんかんこして はるのめや」
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