紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本ムラサキ・野生仕立ての収穫

2020-12-05 19:43:51 | 染料栽培
「もう一つの収穫」
紫根の収穫は、ほぼ終了したのだが野生仕立ての紫草が残っていた。
あまり紹介はして来なかった。ほんの思い付きに過ぎなかった。
「野生仕立てのムラサキ」日付2020/ 5/9 、7/4、 8/9


マルチ畝の直ぐ上段に苗を定植した。耕作は全くしてない。
ブタクサやアレチウリなど厄介な草は抜いてきたので全く野放しではない。支柱も添えた。


幾つかを掘り出して見ての判断になる。紫根は直ぐに横根が出てきた。

紫根の収穫は戸惑いがあった。来年の生育を見るべきかと迷った。

これは、と言う生育は見られない。耕作地との大きな違いである。

ツルハシを使って根を探りながら全体を掘り出し作業となる。
刃物のスコップは根を切ってしまうので使えない。ツルハシは重くて直ぐへばってしまう。


ピッケルの利用を思い付いた。もう50年も使っていない。
あちこち引越しをしたが何処へ行っても、部屋の片隅に必ず場所を得ていた。


使用効果は抜群であった。軽く、深々と土の中に入る。ツルハシの十分の一か!

ピッケルを畑で使うとは、驚きである。老齢の現実に向かうのみである。
同時に若き日の思いも断ち切る自分に・・・、涙もなく哀れでもない。


ピッケルの成果である。ツルハシでは容易に掘り出せない。

野生の紫根としては、根は地中深く生育する事はできず土を選ばないと無理と判断する。
地表面近くで生育した根の養分は株元に集まるようだ。長い根の生育は耕作した土には適わない。
軽々とした道具の使用もあって全ての野生仕立ての紫根全てを抜いて収穫を終えた。

   「ピッケルを つちにうちこみ ゆきやまよ」


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2020・紫根の収穫(続)

2020-11-27 19:15:00 | 染料栽培
「どうして、こうーなるね(根)〜?」
紫根は収穫後、2日間程乾燥して水洗いして土を落とす。
洗うと言っても水に漬ける訳ではない。
水道ホース先端をジェット噴射にして瞬間的に乾いた土を落すだけのことである。
入り組んで、絡まる根元が気になる。他の部所にはほとんど土は着いていないからである。


ひと結びしてから生育した様である。

何故か、根元で絡み合っている根が小石や土を抱き込んでいる。

洗っている時には、特に根については気にならなかった。作業の目的が違うからだろう。

洗って乾燥し始めた紫根。このままという訳にはいかない。

乾いた紫根を仕分け、分別して洗い流せなかったゴミや砂を取り除きながら根元の
絡みあう根が気になり始めた。
苗床で発芽して、そのまま定植時期まで育苗した場合は根は裸になってしまう。
その苗を、定植すると・・・時々こんな生育結果になってしまうのでは、と考えた。
発芽間も無くポットに移して、育苗して定植時に培土が崩れなければこんな事はあるまい。
また、根着きのロス期間も少ないだろう。

「ねをほどき そだちはじめの ミスをしる」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2020・紫根の収穫

2020-11-21 15:58:23 | 染料栽培
「好天が続き、本年産の紫根の収穫を始める」
毎日毎日、天気予報が気になる。好天続きを逃すと厄介な事になる。
ぬかるみと土の重みで仕事は捗らない。寒さはさして気にならない。
気になるのは、紫根の生育状況のみである。


種は既に採取済みである。まだ、緑を保った茎が多い。

1年振りの紫根である。この色を見て取り敢えず安堵。
昨年使った道具で重宝したグラスファイバーの伸子を、また使う事になる。


土は湿気を含んでいるがスコップを使うのに手頃であった。

波板の仕切り内で生育しているので、収穫の手間がかなり省力化できる。

大小様々な紫根である。投入肥料は皆無の土である。
野草として生育できる範囲での紫根を求めて見た。
天地耕転などをしたブロックもあったが、流石にそのブロックの生育は遅れた。


紫根収穫の後に細根の集まりを目にする。これを拾い集めて置くと其れなりの量となる。
絹糸の様な細い赤い根である。乾燥後揉み込むと紫根の粉末ができる。
貴重な染料として使う事ができる。


茎が細いのだが、その数倍の太さの紫根が時たま出て来る。
中が空洞でなければ良いのだが、カットして見なくてはわからない。
100gを越えるサイズは肥料なしでは珍しい。大物を釣った気分にはなるが・・・。
1ブロックを掘り終えるのに、2日間を要した。
作柄は、ほぼ昨年並と言う処である。大きく育つ茎は沢山の種を着け、紫根も大きくなる。
生育の悪い茎の原因は、不明である。大きく育つ茎の原因も、不明である。
乾燥後に、紫根の仕分け整理をしながら首を傾げる。

  「しこんほり くびをかしげて ひとやすみ」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本ムラサキ・時ならぬ発芽

2020-11-13 19:48:13 | 染料栽培
「よもやの発芽に驚き」
秋苗用に播種(8/16)をして多くの発芽を見た(当ブログ2020ー09ー05)
発泡スチロールの苗床は1個では混み過ぎ、もう一つ準備して残り種を播いた。
この苗床の苗も全て畑に定植して空になり、庭先に放置したままであった。


放置の状態から片付けて、ビニールの空き袋を掛けて雨水避けをした。
好天の日に用土を広げて篩に掛けるつもりであった。


さてと、袋を取ると発芽後2週間を経た苗が多数ある。

10月末から11月に入って発芽した様である。
このままと云う訳にはいかない。室内に温室を準備する事になった。


昨年は温室なしで済まし、畑には定植した秋苗が春を待っている。
ただ、その苗の冬越しは定かでは無いのだが・・・。春先までの育苗は容易では無い。
この苗床には思い出す事がある。定植を前に雨水で水浸しになったのである。


軍手をサイフオンにして水抜きをして、その後苗は畑に移り空で乾燥の苗床状態が続いた。
ポットに取り上げてみると42個を数えた。かなり深い所から芽を出して来た苗もある。
半数近い苗に本葉が出ている。
かつて用済みの苗床が水浸しとなり、その後苗が発芽して来る事は知っていた。
ただ、庭草が枯れる時期に発芽とは思いも寄らない事である。
この苗の、春先までの世話が思いやられる。

    「としよりに こもりをたのむ なえどこや」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蓼藍の花・2020・霜月

2020-11-07 19:11:35 | 染料栽培
「降霜に弱かった蓼藍」
日増しに里の秋も深まって来た。霜は晩秋の訪れを知らせてくれる。
かつて、畑一面が蓼藍栽培で埋め尽くしていた事を思い出す。
紫草の栽培に切り替わってから10年目である。
その間、蓼藍の種は切らす事は無かった。
今年は、わずかではあるが藍乾燥葉の収穫をした。


霜のくる前の日本ムラサキと藍の花である。葉は黄色味を帯びて来た。

藍の種を採る為の栽培であるが、藍染めに未練が残る証しか?

種はいつ頃、着けるのだったろうか。

霜が来て遂に倒れ伏した蓼藍。種子はまだ見えない。
種子は例年、こうした倒れた茎から採取していた。
黒い葉を丁寧に集めれば、藍乾燥葉となろう。


日本ムラサキの葉はまだ深い緑色である。
最低気温がマイナスを記録する様になると黄変してくる。実った種子もあれば、花もある。
紫根の収穫時期となる。

  「ひととせの みのりをおえて はになみだ」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする