M for Michael Gruber♪- Mは、マイケル・グルーバーのM~♪

キャッツDVDのマンカストラップ、アメリカの舞台俳優、Michael君のことや、ブロードウェイニュースをお伝えします。

Michael君 こぼれ話 いくつかのお仕事 - Negative Experiences

2005-06-12 01:28:10 | Michael About him
しばらくBroadwayとWest-endのミュージカルの話題やTony賞の話題が続きましたが、久々のMichael君(マイケル・グルーバー)こぼれ話です。

24才の時に、「A Chorus Line」のマイク・コスタ役という、ダンスと歌のソロがあるパートでBroadwayでの初舞台を踏んだMichael君(当時のBroadwayのロングラン記録を打ち立てたファイナル・カンパニーのメンバーでした♪)。
その後も「West Side Story」のナショナル・ツアーのリフ役、皆さんご存じの「Cats (キャッツ)」のMunkustrap(マンカストラップ)役(「A Chorus Line」の記録を破ったレコード・ブレーキング・カンパニーのメンバーでした♪)、そして「Cats」のビデオ・DVD版のMunkustrap役と着実にキャリアを重ねてきましたが、必ずしも順風満帆というわけではなく、時には、意に沿わない役や本来の約束と違う役を演じなくてはならないこともあったのです。
今回は、以前にもご紹介しました「Talkin' Broadway」のインタビューの中から、Michael君が語る「ネガティブな経験」をご紹介致しますね。(写真は、「Miss Saigon」のプロダクション・フォトです。Michael君は、舞台中央よりやや左、横向きで眼鏡をかけて、腰に上着を巻いています。舞台右端には、この「Miss Saigon」の演技で、1991年のTony賞の主演男優賞を受賞した ジョナサン・プライス〔Jonathan Pryce〕さんがいます。写真が小さくて見えにくいですよね・・・すみません! Kathyさんのサイトの「Miss Saigon」のページに、これともう1枚のプロダクション・フォトのもっと大きいのと、Michael君だけをアップにしたのがありますので、そちらをご覧になって下さいね~。)


Miss Saigon

Michael君は、Broadwayの「Miss Saigon」のオリジナル・カンパニーのメンバーでした。1991年4月11日から2001年1月28日まで、Broadway Theatre(ブロードウェイ劇場)で、4092回の公演が行われました。Michael君は、1991年から約3年程の間、時おり別の作品に出演するためにステージを離れてはまた戻り・・・という形で出演していました。「Marine(海兵隊員)」、「Dragon acrobat」、「アンサンブル」での出演でした。
この作品は、1991年のTony賞を、主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞の3部門で獲得し、Michael君を含む大部分のキャストは、Tony賞の授賞式でショーからのナンバーを披露しました。

Michael君のインタビューより:
「僕は、アクロバットやアンサンブルの役をもらったのは、主要キャストの一人、Chrisの代役を兼任するからだと思っていたんだよ。でも、違ったんだ。ただのダンサーだとしか思われてなかったんだね。かなり辛い経験だったな。俳優を辞めてしまおうかと思ったくらいだったよ。すごく心を傷つけられた思いがしたんだ。別に、制作サイドが僕をChrisの代役にしなかったことが間違っているって言っているわけじゃないんだよ。ただ、僕の期待通りにはいかなかったってわけさ。」

(その後、Michael君は1992年の8月に、「Miss Saigon」の舞台を離れて、カンザス州ウィチタで上演された「Singin' in the Rain」に、後に彼の持ち役の1つとなるDon役として初めて主演しました。数々の見応えのあるダンスナンバーに加えて、Michael君の素晴らしい歌声を存分に発揮できる歌のパートもたくさんある、まさにやりがいのある役でした。Michael君の演技は絶賛を受け、この作品での経験が、「Miss Saigon」での期待はずれの配役で失いかけた彼の自信を回復してくれたのだそうです。)


My Favorite Year

BroadwayのVivian Beaumont Theatreで、1992年10月31日にプレビューが始まり、本公演は1992年12月10日~1993年1月10日で、36回の公演でした。Michael君は、オリジナル・カンパニーの一員で、オリジナル・キャストによるCDも発売されています。Michael君の役は、「アンサンブル」でした。

Michael君のインタビューより:
「この作品も、あまり楽しい経験ではなかったね。僕がやりたいと思っていたこととは、ぜんぜん違っていたんだよ。制作スタッフとの間で、いろいろうまくいかないことが多かったんだ。」


Swing!

BroadwayのSt. James Theatreで、1999年11月2日にプレビュー開始で、1999年12月9日から2001年1月14日までの461公演が行われ、Michael君はオリジナル・カンパニーの1人として、2000年7月まで出演していました。オリジナル・キャストによるCDも発売され、Michael君の歌っている曲も2曲収録されていますが、もう1つ、彼がソロで歌った曲は、版権の関係でもあったのでしょうか、このCDには収録されていません。残念ですね~~~!
この「Swing!」は、受賞は逃したものの、2000年のTony賞の作品賞・助演女優賞・振付賞・監督賞・オーケストレーション賞にノミネートされ、Tony賞の授賞式には、Michael君を含むキャストが出演し、ショーからのナンバーを披露しました。
また、Michael君自身も、受賞は逃したもののFANY Awardの最高個人賞(Best Individual Performance)にノミネートされました。

Michael君のインタビューより:
「今、僕は、自分の人生を無理にコントロールするのをやめて、自然の流れに任せようと試みているんだ。そうすると、自分では思ってもみなかった経験ができるからね。
例えば、『Swing!』での僕の役は、出演の話が持ち込まれた時に約束されていたのよりもずっと小さくて、はっきり言って、初めは少しがっかりしたんだよ。でも、いろいろ考えてみて、この作品にアンサンブルの一員として出演することの素晴らしさに気づいたんだ。
友人が、『輪の中心でいるよりも、輪の一部になることの方がずっと素晴らしいんだよ。せっかくいい経験ができるチャンスなのに、自分の自尊心を大切にするあまりに棒に振ったら、もったいないよ。』って、アドバイスをしてくれてね。
舞台に上がれば、それなりに楽しいことがたくさんあるんだから、不本意なことがあっても、いちいち怒ったり、イライラしたりしない、心の広い人間でありたいと思うんだ。
多くのパフォーマーが、同じような悩みを抱えていると思うよ。みんな、観客から認めてもらいたいって思っているからね。この仕事をしている人なら誰だって、自分に注目してもらいたいって思っているはずさ。
ただ、自我が強すぎると、全てを台無しにしてしまうからね。プロ意識を忘れてしまうんだね。でも、自我がなかったら、何をしたいのか、何をすべきなのか分からなくなってしまうだろう。しっかり自我を持っているというのは、仕事をする上で、大切なことなんだよ。そこから喜びも生まれてくるわけだしね。そのことを忘れないように気をつけていれば、きっと素晴らしい経験ができると思うんだよ。」


「Miss Saigon」の時には、ミュージカル俳優という仕事を辞めようかとまで悩んだMichael君ですが、辞めないでくれて、本当によかった!!! もし、辞めてしまっていたら、彼が「Cats」のMunkustrapを演じることもなく、ナズは、Michael君の存在さえ知ることが出来なかったんですもん!
いろいろな辛い経験を乗り越えて、今のMichael君という素晴らしい存在(人間的にも、俳優としても)があるわけですけれど、彼って、本当に優しくて、がんばり屋で、謙虚で誠実な人だから、これからは、辛い思いや悲しい思いを味わうことなく、彼が本当にやりたいと思うお仕事が出来たらいいなぁと、心から思います。どうぞ、Michael君が、いつも幸せで、元気で、いいお仕事に恵まれますように~~!