塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

感性は理論を打ち破るか

2012-08-29 23:11:44 | 日記
 作家、小松成美氏は題材に中田英寿を選び、いくつかのノンフィクションを上梓しています。

 その作品の幾つかは、中田がローマ、パルマでプレイしていたときの物であり、日本代表が
フラット3を旗頭に、トゥルシエ政権の下で強化に取り組んでいたときです。

 小松氏は

 「トゥルシエは中田に嫉妬している。」

 と観察していますが、僕はこのフランス人が中田に嫉妬していた理由、それは感性にあると
思います。

 トゥルシエはフラット3という名の

 「理論武装」

 を展開し、自分の戦術の優位性を常に語っていました。

 逆に言えば、周囲からの指摘をかわすことで、自分を鼓舞していた部分があると言えます。

 一方の中田は日本人でありながら英語、イタリア語に精通し、ローマではスクデットを、パ
ルマではコパ・イタリアを獲得します。

 同時にその服装や言動で、理論武装で身を固めた人間が、その防波堤を感性によって崩される。

 恐らく両者の間に横たわっていた間隔は、この言葉に集約できると思います。

 中田が最後までジーコに敬意を払い信じ続けたのは、この感性という点で認め合えたからだと
思います。

 ジーコが口汚い言葉で選手を罵ることは無く、選手との話し合いにも応じる柔和な人柄。

 だからこそ中田は、代表にとどまり続ける意思を持ったのだと言えます。

 
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