スタッフ会議のあと、実家へ向かおうと東横線に乗りました。
同じ方向のNさんと話していましたが、ふと前の座席を
見ると、どこかで見たことがある方が座っているのです。
どこでお会いしたかしらと、思っていると「都さん…」と
言う名前が浮かんできたのです。
ところが、苗字が思い出せないのです。
迷いに、迷いまいましたが、勇気をだして
「失礼ですが、都さんですか?」と、お声を掛けると
その女性はちょっと驚いた顔をされ「そうです。
よくわかりましたね。」と、言われたのです。
あの原爆に倒れた少女たちが
あの日あの時着ていた服を写真に甦らせ
「ひろしま」を撮った写真家の石内都さん
だったのです。
著名な方に、いきなりお声をかけるなんて、
初めてのことでしたが、石内さんがかもし出して
いた、静かな雰囲気にすっと自分が入っていって
しまったのです。
石内さんの「ひろしま」に、私も息子もどんなに
衝撃を受けたかと、お伝えしました。
そして、気がつけば、石内さんに「深き森の語らい」の
チラシを、お渡ししてました。
その上、初女先生のことを語たったりしていたのです。
明日、ニューヨークに行かれると言われる石内さんは
丁寧にチラシを畳んで鞄に入れられました。
この偶然の出会いは、一体なんでしょう…
石内さんの持っている静けさを思うと、この人の
心にも「深き森」があるような気がしました。