~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

「あふれでたのはやさしさだった」寮美千子~奈良少年刑務所

2019-08-08 23:17:15 | 日記

寮美千子さんの

「あふれだしたのはやさしさだった」

を読み終えました。

この本は、寮さんが奈良少年刑務所で受刑者の

子ども達に、十年に渡り行ってきた

「物語の教室」の軌跡を記したものです。

先ず知ったことは、少年たちは加害者に

なる前に虐待や育児放棄などを受けた

被害者だったということです。

少年たちの中には、“宿題”という言葉も知らない

子供がいました。なぜなら小学校にも行かして

もらえなかったからです。

「ぞうさん」の童謡も聞いたことのない子

愛されるということを知らずに育ってきた子ども達

その子供たちが、寮さんのもとで詩を書くことに

より、心が耕され、失っていた心を取り戻して

いくのです。

寮さんは「彼らは、心の扉を固く閉ざしていた。

自分自身の感情もわからないほどに。

けれども、その鎧を脱ぎ捨て、心の扉を開けた途端

あふれでてきたのは、やさしさだった。

重い罪を犯した人間でも、心の底に眠って

いるのはやさしさなんだ。

ほんとうは誰もが愛されたいし、人間って、

いい生きものなんだ。

彼らに出会って、私はそう確信するように

なった。」と書いています。


「   クリスマス・プレゼント

 五十二人の仲間のクリスマス

 ごちそうを食べて ケーキも食べて

 ゲームもやって 思いっきり笑って

 プレゼントだって もらえるんだ

 寝ているあいだに だれかが

 こっそり枕元に置いていってくれるんだよ

 それが サンタさんなのか 学園の先生なのか

 ぼくは よく知らないけれど

 でも ほんとうにほしいものは

 ごめんね。これじゃない ちがうんだ

 サンタさん お願い

 ふとっちょで怒りん坊の

 へんちくりんなママでいいから 

 ぼくにちょうだい

 世界のどっかに きっとそんなママが

 余っているでしょう

 そのママを ぼくにちょうだい

 そしたら ぼく うんと大事にするよ

 ママがいたら きっと笑ったあとに

 さみしくならないですむと思うんだ

 ぼくのほんとうのママも

 きっとどこかでさびしがってるんだろうな

 「しゃかい」ってやつにいじめられて 

 たいへんで

 ぼくに会いにくることも出来ないで

 いるんだろうな

 サンタさん

 ぼくは余った子供なんだ

 どこかに さみしいママがいたら

 ぼくがプレゼントになるから 連れていってよ

 これからはケンカもしない ウソもつかない

 いい子にするからさぁ!」

 

 

 




 

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