父を想う

昨日、実家へ行った時に、息子が父のスクラップ帳を見つけ

引っ張り出してきました。

スクラップ帳には父が集めた記事の中に、家族の写真が散りばめて

ありました。

土門拳の写真が好きだった父は、自分なりの昭和の子どもを

撮ろうとしていたのだろうか、私と姉はまだあまり豊かではない

昭和の子どもの代表のように、映ってました。

晴れ着を着た私の写真の下には、「姉の着物の払い下げを

喜ぶ・直」と父らしいコメントが書いてありました。

次女だった私は、いつも姉のお下がりばかりで、新しい服を

着たいと作文に書いた覚えがあります。

家族で出かけた写真では、母が黒いスーツ姿で映ってました。

今にして思うと、よそ行きの服がなかったのかしらと

思うのですが…

それでも、お正月になると新しい下着が用意され、母が縫った

絣の着物を着て、元旦になると全て新しくなるような

そんな気がしていました。

貧しさの中でも、四季折々の行事が大切にされ、確かに

営まれる暮らしが、そこにはあったのだと思います。

一緒にスクラップ帳を見ていた姪が「映画のオールウエイズ・

３丁目の夕日」みたいと言っていまし。

スクラップ帳の見返しのページには、編み機の前に座る

母の写真でした。

父の思いを覗き見したような気持ちになりました。

今は亡き父を想っていたら、今日素敵なものが届き

ました。

私の活動をずっと支えてくれている、高山千代美さんの

新しいＣＤ「父娘（おやこ）」です。

聴いている、益々父への思いが募ってしまいました。

きっと父も、今　私のことを想っていてくれるのかなと…

温かい気持ちにさせてくれる曲です。

「父娘」