.

”真実を語る”から真実を知る驚きと感動

2010-04-07 21:09:44 | Weblog
 3月の終わり頃恒例の大学の同窓会が開催されました。そのとき話題になりました素晴らしい本をお友達が送ってくださいました。タイトルは「人は愛するに足り、真心は信ずるに足るー アフガンとの約束」という本です。中村哲氏と澤地久枝氏の対談形式になっています。読み終わったいま私はガーンと頭を打たれたような感動が静かに心の中へ広がっています。医師である中村氏は1982年JOCS(日本キリスト教海外医療協力会)からの要請で1984年ひとりでペシャワールに赴任します。翌年家族とともにペシャワール生活が始まります。ペシャワールはパキスタンとアフガニスタンとの国境沿いの町です。NGOペシャワール会が中村医師のパキスタン・アフガニスタンにおける医療活動を支援する目的で結成されました。

ハンセン病患者の医療に携わるかたわらアフガニスタン再建のためには水路建設が絶対必要であると考えた中村氏は、日本人や現地スタッフとともに井戸掘りに専念していきます。3000ヘクタールの砂漠を緑地にかえアフガンの人々の生活を支えた功績はすごい!と思います。ソ連の侵入、アフガン人の抵抗、内戦、米英軍の爆撃と対テロというアフガニスタンの激動と過酷な環境の中での水路建設は筆舌に尽くしがたいご苦労があると思いますが、中村氏は25年間ただただ砂漠を緑にかえ干ばつに苦しんでいるアフガンの人々に水路をつくり、家族みんなが農業に従事し仲良く暮らしていけるように自分は手助けをしているだけだと語っています。

何の気負いもなく淡々と語られる中村哲氏に私は「こんなに素晴らしい日本人がいるのだ!」と胸が熱くなりました。
水路建設中に日本人スタッフの一人である伊藤和也氏が拉致され殺害されるという悲しい出来事がありました。国内マスコミから「こんな危険極まりないところで治安に対する認識が甘いと・・」と非難されましたが、中村氏も伊藤氏も危険を十分認識した上で命を賭して活動を続けていたのです。この事件以来中村氏は若いスタッフ全員を帰国させ、いまは中村氏一人で現地のスタッフと水路建設に取り組んでいます。

後継者がいないのが現状ですがアフガニスタンの人々の厚い信頼と尊敬をかち得ているのは中村氏一人しかいないとすれば、これはやむえないことなのでしょうか。

ある会で「なぜいまの仕事に?」と青年から問われたとき、中村哲氏は「やはり運命、さだめのようなものを感じます」と答えられました。

次に目次を掲げます。ひとりでも多くの方々に真実を知って欲しくこのご本を紹介致しました。私はいまこのような素晴らしい本を送ってくださった友に心から感謝しております。そして私も友人に送りたいと思っています。(目次は右からクリックして見てください