ももすけの日記

品良きは背筋伸びたる夏帽子
ああ面白かったと言って死ねたらいいな

遠き山に日は落ちて・・・

2006年08月14日 01時31分00秒 | 日記
ぼくのおかあさんが小学校の頃の夏休みのこと。

おとなりのおばちゃんが農薬を飲んで自殺したのでした。

末っ子のおかあさんは5才くらいまでお母さんのおっぱいから離れられませんでした。
農家のそのおばちゃんは「これお母ちゃんのおっぱいに塗ってもらい」とトウガラシを持って帰らせました*(チリ)*その顛末は覚えていません。

でも、よちよち歩けるようになっても、真っ裸でごそごそ這って、となり近所を徘徊していたとか。
多分、右隣の立派なおうちより、左隣のそのおばちゃんが好きだったような気がします。

おばちゃんは美人だったのですが、不細工でいかつい旦那さんでした。
田んぼのほかに金魚池も持っていたようです。

いつの頃からか、しょっちゅう、夫婦喧嘩を派手にやっていました。

ある朝、騒がしいと思ったら3人の子どもに農薬を無理やり飲ませ、自分も飲んで死んでしまったのです*(涙)*

大きな子どもたちは農薬を吐き出して無事でしたが、一番下はおかあさんより1つ年下で薬を少し飲んでしまい、しばらく入院していました。

それから、夏休みの間中、毎朝夕、おかあさんはお仏壇にお経をあげました。

夕方になると、裏のいちじくの木に登って『と~き山に日は落ちて~』を歌いました。
でも、よそのおうちで山に沈む太陽がそこからは見えません。
野原まで走っていって、生駒山に沈む夕日にお祈りをしました。

お盆にあのおばちゃんの帰るおうちはあるのでしょうか・・・

今夕、迎え火を焚きながらおかあさんはそっと「何もできないけど、3日間ならうちに来てくれていいのよ」と心の中でつぶやいていました。

実家ではお盆にいろいろお供えしたりしましたが、今は門徒で何もありません。
わぁ、楽チンだなと楽に走るおかあさんはよろこんだものでしたが、実家でのことを懐かしく思い出しています*(キラキラ)*

だから、ぼくんちでは今晩からたくさんのひとでにぎやかだと思います。
「郡山のお母さんやお姉ちゃんも来ていいでしょう*(はてな)*」とおかあさんはおとうさんに言っていました。

新築の家迎火を焚きにけり




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