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ももすけの日記

化粧水のほのとかをりて初化粧
ああ面白かったと言って死ねたらいいな

沈中記

2002年11月30日 01時40分00秒 | 日記
ぼくの大好きな”いぶきとっくり”さんが犬も読んでみるとよい、とおっしゃるので読んでみた。
中国は唐の時代だったかな?
そうだ、朝田次郎「蒼穹の昴」の頃だろう。
貧しい若者が、くたびれて宿場にいると、とある老人が枕を貸してくれた。その枕をして、お昼ねをしている間の夢である。
お金もちで美人のお嫁さんをもらい、偉い役人に昇進していく。でも、ねたまれて左遷されて地方に行くと、そこで手柄をたて、また、ねたまれてと繰り返す。そして、死んでいく。目がさめると、宿場でのご飯の用意が出来たところだった、という話。
なんだ、かだといっても、人間はそんなもんなんだよ、ということらしい。
犬はその点、そのときそのときをせいいっぱい生きている。目の前のご飯を食べ、お散歩に連れてもらって、たのしい。(?)
おねいちゃんが悲しんでると、お顔をぺろぺろ、なめてなぐさめる。そのとき、できることをするだけだ!
予定もしないし、後悔もしない。
その「沈中記」の載ってた本のなかに「杜子春」があった。仙人との約束でどんなことがあっても声を出さない。奥さんが苦しんでいても声をださない。ところが、子供が苦しんでいると、ああ、と遂に声を発してしまう。
芥川龍之介では、お母さんのとき、声をあげたのだった。
中国人と日本人の価値観の相違かな。
ぼくは、奥さんのとき、声をあげてほしかったね。



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