54歳からの欧州一人旅と日々をつれづれに

思いつくまま時、場所を選ばず綴ります。

海外旅行記2007.8作成の冊子から 2

2011-04-16 11:15:44 | 『冊子50歳…』ツアー3含
  
《はじめに》
 昨年70歳を目前にして私は躊躇していたパソコンを始めてみました。そして1年で何とブログまで開きました。予想もしない事が展開していく人生の中、自分で決められることは積極的に挑戦した方が豊かな人生になっていくと思うのです。そうは言っても不安、迷い、自信のなさにしり込みして1日が過ぎていってしまいます。今年、私は何が出来るかと考えて思いついたのが、54歳から18回、3週間前後の“ヨーロッパ一人旅”をしてきたことを本にしてみる事でした。 どう展開していくかは、さて置きやってみようと思ったのです。
 
 なぜ本にしたくなったかといえば
*実践した“列車乗降タイム記録”が、どなたかのお役に立ちそうなこと。
*一人旅をトラブルなしで続けるためにどんな注意が必要だったか、私の体験を伝えたい。
*一回の旅行で撮った写真(36枚撮り15本位が18回分)約一万枚の中から選んで公開したい。
*現地で知り合い、今も文通している海外の友人に、その時の写真の載った本を見せて驚かせたい。
*本に纏める作業の中で忘れていく思い出を引き戻し、記録しておきたい。
 
 役立つ本にしたいといっても、既に最初の一人旅(1990年)から18年も経っていて、当時の時刻表など通用する筈がないのに、敢えて“列車乗降タイム記録”に拘るのはそのコースです。 ごく普通の主婦が自分に合う旅をひねりだしトラブルなしで実現したものです。これらのコースは最新版のトーマスクック時刻表で修正しても実現可能だと思うのです。それを辿り距離感をつかみ、机上体験をして、旅の一部に繰り入れていただけるかもしれないと思ったのです。
 コースを決める時、まず駅近くに宿があり次に教会やオルガンのある町を選ぶ事が多いです。可愛らしい町、川、森、公園、お城、美術館とそれぞれに個性があり、たくさんの感動が待っていました。今もその小さな町には変わらない日常が待っているはずです。日本のお寺めぐりで、何処に行ったか思い出せないのと違い、さまざまな場面が鮮明に浮かんできます。
 目的地に着き、宿を決めリュックを置くと、まず教会に行ってご挨拶していました。(クリスチャンではないのですが) “お邪魔します、どうぞよろしくお願いします!”と。 そこでは思いがけず、今夜コンサートのある張り紙が目に入ったり、オルガンの練習が始まってひとり聞き入ったりもしました。 教会と宿が往復できれば、その町を安心して楽しめます。移動日の列車は疲れた足を休める絶好の日で、どの列車もガラガラでしたし車中の貴重な出会いもたくさんありました。
 私が一人旅に出たのは、何といってもクラシック音楽とヨーロッパが好きだからです。 当初Sonyのウォークマンが出たばかりで5万円もしましたが重くなるのも厭わず持って行きました。現地の人達にマイクを向けて録音し、それを皆で聞いて盛り上がったり、大好きなモーツアルトのカセットを聴きながら美しい車窓を見ての列車の旅も忘れられません。
 この18年間の大きな変化は、ユーロ誕生(2002年1月)とネット社会でしょう。 始めの頃、若者以外はユーレイルパスは一等車しか選べませんでしたしフライトの予約確認や各国の両替にも苦労しました。(スウェーデンの硬貨はとても立派で、これでお昼ご飯を!と思ったのに水も買えませんでした)
今はネットを活用すれば瞬時に解決していくことばかりで、時刻表、ホテルの予約と使いこなせれば便利に決まっています。 でもプランは、手探りで、自分流に、ゆっくり楽しみながら練っていくと思わぬ世界が広がっていきます。
 安く旅行をする事がモットーなので、今一番の問題はユーロが高過ぎることです。 “この美味しそうなサクランボがこんなにあって50円?” の喜びが味わえなくなりましたし3000円で泊まれる駅近くの宿はもう見つからないでしょう。 私は昨年出そびれてしまいましたが、以前が安すぎたのだ!と思って続けたいものです。
 現地に行った事で好きな音楽の世界だけでなく、歴史や異文化まで身近に感じられ、テレビを見ても本を読んでも、いろいろな光景と結びつき楽しみ方が倍増しています。 苦労があったからこんなに記憶に残るのでしょう。 一人旅は不安と緊張の連続であることは確かです。 あちこちに書き込んでいたメモや、とぎれとぎれの日記を、今読んでみると “あー そうだった!” と、緊張して必死になっていた様子が可笑しくもなってきます。 そして懐かしさで胸がいっぱいになります。
 一人旅をすばらしい旅で終わらせるためには、無理のないプランを作り、充分に下調べをし、最小限の地理を頭にいれて、身軽に出かけることでしょう  緊急対策には念を入れた上で 
 一人旅に踏み切れない方のお役に立つ本に仕上げられることを願いつつ…      2007.4.20
(なんと、この2日後4.22夫が救急車で入院、思いも寄らぬ運命が待っていました)


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