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B型、C型肝炎の新しい薬がどんどん出てきます。(2014年5月23日現在)

2014年05月24日 | 学会研究会報告新聞記事など
 
2013年12月から出てきている新しい薬について、書いてみました。2014年5月23日にはテノゼットがでました。B型肝炎ウイルスがなかなか消えてこなかった人にさっそく使っています。

2013年12月6日ソブリアード(シメプレビル)が認可されました。C型慢性肝炎遺伝子型1型の方に使える薬です。
ペグインターフェロンとリバビリン6ヶ月にソブリアードを最初の3ヶ月追加する形の使い方です。従来のペグインターフェロンとリバビリンの副作用を強くすることはあまりないのがいいところでかえって押さえている人もいました。もちろん逆にだるみやかゆみなどが出る方もいます。8割方は大丈夫って感じです。
使い始めて1カ月以内に陰性化する人がほとんどで、非常にきれがいいです。これだけ陰性化が早いってことは,肝臓の中のウイルスがどんどん消えて言っている証拠だと思えます。なので、今回の治療で消えきらなくても肝臓内のウイルス量はかなり減っていると言えます。なので、もし消えなかったら次の治療ではもっと消える可能性が上がるでしょう。
今後出てくる、C型肝炎の薬は、同じような使い方の薬がもう1剤出てくる予定ですが、今年の8月には飲み薬だけですむ治療が控えています。ダグラタスビルとアスナプレビルという薬です。この薬は6ヶ月間内服で、8割から9割の陰性化が実現します。その次にでるソフォスブビルとレディパスビルは9割とどんどん消えるって。飲み薬は、耐性ウイルスの問題が危惧されています。薬の組み合わせによってはかえって次の治療が効かなくなることもあるかもしれないというものです、しかし、国際的にはあまり心配はないだろうと予想されています。私もこの間のC型肝炎の耐性ウイルスの出方から見ると大丈夫ではないかと予想していますが今後の研究を中止していきたいと思います。
そして、遺伝子型2型の人向けの飲み薬のみの治療が2015年には登場する予定と言われています。これは、ソフォスブビルとリバビリンを組み合わせたものですが、3ヶ月でいいかもしれません。リバビリンの副作用が出てくるかと思いきやインターフェロンが存在しない場合リバビリンの副作用は貧血や皮疹程度でひどいのはあまりでないそうです。これは期待できます。
また、ソフォスブビルを肝硬変の方に使った報告では、脳症や腹水のある方に使っても、ウイルスが消えるばかりか脳症や腹水までも治ったという報告(図1)もあり、肝硬変の方にも安心して使える薬となる可能性が有ります。少しでも早く使える薬になってほしいです。

B型肝炎では、テノフォビルのテノゼットが2014年5月23日より使えるようになりました。この薬はこれまでの薬での耐性がで肝縁が再燃した方にとても期待されています。ヘプセラと似た系統の薬ですが、ヘプセラのような腎機能への影響も軽減されると言われているので使いやすい薬となってくれそうです。現在最初から使う薬としてはバラクルードがすすめられていますが、テノゼットも最初から使っていい薬となる可能性が有ります。
また、この間核酸アナログ製剤ではs抗原の陰性化を起こす力が弱いとされていましたが、テノゼットではs抗原の陰性化を起こすというデータも出てきています。ペグインターフェロンのペガシスとともにs抗原の陰性化を実現することがより早期になることが期待されます。といっても、C型肝炎と違って、何年という経過でみて行くことにはまだなりそうですが、それでも治らないと言われてきたB型肝炎が治ってきますよと力強く言えるようになってきていることはうれしいことです。

今後、治ってきた患者さんの定期検査が重要となりますが、発癌を積極的に抑制するために副作用のない人には少量のインターフェロンの継続が検討されるともっといいかなと思います。もちろん副作用が無い場合にという条件がつくことにはなりますが、、、
癌の抑制をねらうレチノイドの治験も進んでいます。インターフェロンよりは効果は少なそうですが、インターフェロンが使えない患者さんにとっては心強いものになってくれるのではないかと期待しています。
 
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