美里普及センター管内は麦類の栽培が盛んな地域です。令和4年産の大麦は74ha,小麦は696haの作付面積となっており,小麦は県内産の約7割となっています。
米の生産調整や食糧事情から国産小麦が注目されていますが,刈取適期が梅雨時期にあたり,かつ4~5日程度と短いため,収穫のための事前準備が重要になります。
そこで,刈取適期を把握するため,JA新みやぎみどりの地区本部と普及センターが協力し,毎年6月中旬に小麦の穂水分測定を実施しています。これは,出穂25~30日後頃から穂の水分が約1.5%/日ずつ減少していくという性質を利用し,採取直後と105℃で24時間乾燥後の水分差を計算して成熟期(穂の水分が40%になる時期),及び刈取適期(成熟期から3日後)を判断する方法です。
4年産小麦については,管内各地区から採取された85点を普及センターで乾燥し,測定を行い,最も早いほ場で6月20日頃,遅いほ場では7月2日頃が成熟期に達すると見込まれ,好天で出穂が早まった3年産より6日程度遅くなる結果となりました。この結果は,6月21日から管内各地区で開催する現地検討会で生産者に説明し,適期刈取について呼びかけることにしています。
高品質な小麦生産に向けた栽培のため,普及センターは,今後もJA等と連携して栽培への助言を継続していきます。
乾燥後の穂の重さを測定中
<問い合わせ先>
美里農業改良普及センター 先進技術班 TEL 0229-32-3115,FAX 0229-32-2225