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哲学者が考えた奇妙な10の思考実験

2016年09月05日 | 世界びっくりニュース
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 知の探求者であるところの哲学者というものは常に何かを考える病に取りつかれているものだ。そしてそれを検証しようにも、倫理的観点から実験できないこともあるし、折角実験の許可が与えられたとしても、単純に現実的にできないこともある。

 そうした場合に頼りになるのが思考実験だ。ここでは哲学者たちが世界を理解しようと考案してきた10の奇妙な思考実験をご紹介しよう。

10. ビュリダンのロバ

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 1匹のロバが2本の分かれ道のそれぞれの先にまったく同じ量の干し草を見つけた。干し草までの距離はまったく同じだ。お腹がすくにつれ、どちらに進むかの決断はますます重要なものとなってくる。どちらの干し草がよりお得だということはない。さあ、どちらを選ぶのか? 決断がつかないままにロバは餓死してしまう。

 これは14世紀の哲学者が考案したとされる思考実験で、アリストテレスも類似の問題を考察している。実際にやってみればいいのだろうが、ロバを入手しても、まったく同じ餌を探すのは非常に難しいだろう。理性や理論を強調しすぎると死んでしまうので、自由意志が必要であることのたとえ話とされる。


9. 洞窟の比喩

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 プラトンが考案した洞窟の比喩は、彼の現実に対する考え方を説明する。プラトンにとって現実とはより高次の現実の影に過ぎなかった。すなわちこうだ。

 あなたは洞窟の中で鎖につながれていたとしよう。見えるのは目の前の壁だけだ。そばに同じく鎖につながれた人々がいるようであるが、姿を見ることまではできない。背後には炎があるらしく、壁を照らしている。炎と壁の間を人が通るたびに、壁に影が映り、音がこだまする。あなたが知ることができるのは、そこにある影だけである。

 あるとき自由になり、後ろを振り向いた。するとそこには炎とそれに照らされ影を伸ばす物があった。また洞窟からも抜け出すことができた。太陽の光で目がくらむが、現実をついに知ることになる。だが、鎖につながれている他の人々に現実の真の姿を伝えても頭がおかしいと思われるだけだ。


8. 中国語の部屋

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 あなたは中国語がまったくわからないとしよう。ふと気がつくと、ある部屋の中に閉じ込められており、そこには1冊の中国語の本とあなたの母国語の指示書が置かれていた。

 すると中国語が書かれた1枚の紙が差し入れられてきた。そこで指示書にしたがって、そこに中国語を書き込み、部屋の外に出した。部屋の外にいた人は、まるであなたが中国語を完全に理解しているかのような印象を受けるだろう。

 これはジョン・サールがチューリングテストを発展させて考案したものだ。もしコンピューターを相手に私たちがまるで会話をしているかのような感覚に陥ったとしたら、それは知性があるということなのだろうか? 部屋の中の人はコンピューターと同じ働きをしている。わけがわからないままにただ文字を書いているだけなのだ。


7. パーフィットの分離脳

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 デレク・パーフィットは心身一元論を研究した人物で、永続的に安定したアイデンティティという概念を疑った。

 たとえば、完全な脳移植が実現したとしよう。そこで、あなたの脳を取り出して、2つに切り分け、それぞれをクローンの体に移植した。2人のクローンが目覚めると、あなたの記憶を思い出し、あなたであるかのように考え、感じるようになった。どちらもあなたであると主張している。今やあなたは2人いるのだろうか? それとも、あなたを半分にしたことであなたは破壊されたのだろうか?


6. スワンプマン(沼男)

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 まるで古典美の響きを持つ「自心を知ること(Knowing One’s Own Mind)」という論文で、ドナルド・デイビッドソンは心身一元論を発展させた。

 ある日、男が沼の中を歩いていた。そして不運にも雷に撃たれて死んでしまう。神の悪戯か、さらに沼に2度目の落雷があり、そこにあった原子に化学反応を起こし、その男とまったく同じ構成のものを再現してしまう。この新たに誕生した沼男は沼から這い上がり、死んだ男と同じようにそれまでの生活を送るようになった。自分がまるで違う存在であることなどつゆも知らず。

 はたして死んだ男は本当にひどい目に遭ったのだろうか? 沼男は死んだ男と同じ存在なのであろうか? この問いに答えるには、転送器の発明を待たねばならない。

5. 水槽の脳

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 実はあなたは自分の目でこの記事を読んでいるのではないとしたらどうだろうか? 本当のあなたは水槽の中に沈められた脳なのだ。

 あなたは様々な状況を認識していると思い込んでいるが、それは剥き出しの脳に感覚データが与えられている結果だ。あなたが見聞きし、触れるものすべては灰白質に流れる電気信号でしかない。このシミュレーションシステムが完璧なものであれば、あなたの存在の性質を反証することはできない。


4. 功利の怪物(Utility Monster)

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 功利主義とは、最大多数の最大幸福を旨とする規範だ。いかにも完璧に聞こえる教条の限界を示すのが、この思考実験である。

 ある科学者が普通の人よりも物事から功利を引き出せる存在を作り出したとしよう。私たちはケーキを食べれば、一定の幸せを感じるだろう。しかし、功利の怪物はその1,000倍の幸せを感じることができる。もしケーキが1つしかなかったとしたら、最大の幸福を得るためにそれを功利の怪物に与えるべきだ。ケーキが2つであっても、2つとも与えるべきだ。功利の怪物が一般人よりも多くの幸福を得ている限り、功利主義では大多数の人々を不幸にすることになる。それでも世界全体で見た場合の幸せの総量は最大のものなのだ。


3. ヴァイオリニストの比喩

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 功利主義については、個人の権利を重視する立場からも批判されている。今、臓器移植を待つ人がいるとしよう。あなたは臓器の入った歩くバッグのようなものだ。あなたは幸せかもしれないが、数名の患者に臓器を与えれば、それ以上の幸せが生まれることだろう。したがって、功利主義に従えば、あなたを殺して臓器を与えるべきことになる。

 ジュディス・ジャービス・トムソンは次のような思考実験を考案した。ある朝、あなたが目をさますと、ある意識不明のヴァイオリニストにつながった状態であることに気がつく。その人物は病気で、生かし続けるにはあなたの血液が必要だった。そこである音楽の愛好家の一団が前日の晩に医師に金を払い、あなたの循環器を利用できるようヴァイオリニストにつなげさせたのだ。

 ヴァイオリニストが完治するには9ヶ月かかるという。もしチューブを引き抜けば死んでしまう。さて、あなたとヴァイオリニストを離したら、それは殺人になるのだろうか? あなたが手術に同意していない場合でも、ヴァイオリニストに対して責任を負っているのだろうか?


2. カブトムシの箱

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 各人に自分だけが中を見れる箱が1つ与えられているとしよう。箱の中には”カブトムシ”が入っている。誰もが箱の中身をカブトムシと呼んでいるが、それを他人のカブトムシと比べあわせたことはない。各人は自分が持つ箱の中だけを見て、それがカブトムシであると考えているのだ。他人の箱の中身がまったく別物であるということもあり得る。実は箱には何も入っていないということもあり得る。

 この実験の肝は、他人が知ることのできないものについて言及しているということだ。どんな子供でも、ある時点で彼らの目に映る青い色が他人が見ているものと同じであるかどうか疑問に思う。あなたが痛みを感じたとき、それが他人の感じる痛みと同じであるとどうしてわかるだろうか?


1. メアリーの部屋

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 メアリーは世界でも超一流の科学者だ。色に関して、彼女はありとあらゆることを知り尽くしている。色について、彼女が知らない物理的、化学的、神経生理学的な事象はない。が、1つだけ欠けているものがある。それは彼女がこれまですべての研究を白黒の部屋の中で行ってきたということだ。

 ある日、彼女は部屋から外に出て生まれて初めて色を目にした。知らなかった事象はない。前から知っているものばかりだ。ところで、実際に色を見たことで何らかの知識を得たのだろうか?

 この思考実験はフランク・ジャクソンが「メアリーが知らなかったこと(What Mary Didn’t Know)」という論文で発表したもので、哲学で最も深い問題の1つを扱っている。すなわち、知識とは何か、である。純粋な思考実験の領域においてさえ、私たちが知っているものとは何か知ることができないのだ。

via:10 Weird Philosophical Thought Experiments

☆頭が痛くなるから、真剣に考えるのは辞めましょう!

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