「人生楽ありゃ苦もあるさ 涙のあとには虹も出る」でおなじみのテレビドラマ『水戸黄門』が今日で最終回を迎える。カミさんのお母さんもこのドラマが好きだったし、私が行く床屋のオヤジも必ず見ていた。由美かおるさんがいつから出ていたのか知らないが、入浴シーンは話題にもなっていた。男たちは肩だけでも見たいものなのだ。黄門を東野英治郎さんや西村晃さん、それに石坂浩二さんが演じていた。今は里見浩太郎さんで、カクさんやスケさんの役もいろんな人が演じてきた。変わらないのは筋書きで、必ず「この印籠が目に入らぬか」で落ちがついた。
1226回も放送された国民的時代劇だそうだ。「42年の歴史に幕が引かれることになった」と新聞は報じていた。「この印籠が目に入らぬか」と言うなら、なぜもっと早く出さないのかと言った人もいたけれど、いつ出すのかと思って見ているから面白いのだろう。勧善懲悪の単純なドラマだけれど、お年寄りや子どもたちに人気があるのはきっとその単純性だろう。悪いことをした人は必ず罰せられるから安心して見ていられるのだ。それにしても、「印籠を見せて副将軍だと言っているのに、悪い連中が黄門に切りかかっていくのは解せない」などとつぶやいたら、「だからこそドラマだからじゃーないか」と言われてしまった。
長く続いてきたものがここに来て、いくつか無くなっていく。書店から小学館が発行していた『小学六年生』が消えたのは昨年だった。『小学何年生』は戦前から発行されていた雑誌で、全ての学年が揃っていたが、今残っている3年生と4年生も来年には廃刊になるという。私が子どもの頃も書店に並べられていたが、我が家では買うことはなかった。私が欲しがらなかったからかも知れない。私は小学校の帰り道、3軒ある書店を毎日回って立ち読みしていたので、雑誌の中身は知っていた。漫画も友だちが見せてくれる以上に欲しいとは思わなかった。父が学校から持ってくる子供向けの年鑑の方が面白かった。
それでも中学生になってからは『中学生の友』を買ったような気がする。買ったけれど、どうも熱心な読者ではなかった。その頃、雑誌には「文通しませんか」というコーナーがあって、可愛い名前の女の子をみつけて手紙を出したことがあったが、どこの子だったかも覚えていないくらい、長続きしなかった。高校生になると大学進学のための雑誌、旺文社の『蛍雪時代』が図書館や教室にも置かれていた。予備校のような高校に嫌悪していたので、私は絶対に見るものかと決めていた。『蛍雪時代』は今もまだ発行されているらしい。
テレビでいまだに続いているのは日曜日の『サザエさん』くらいか。サザエさんもカツオくんもみんな少しも年を取らないし、全く成長しないから安心して見ていられるのかも知れない。『水戸黄門』が必ず悪い奴を罰するから気持ちがいいのであれば、『サザエさん』は失敗ばかりで身近な存在というところがよいのだろう。「継続は力なり」という。継続できてこそ本当の力がつくられるというわけだ。しかし、継続はマンネリになりやすい。同じものが長々と続くことはあり得ない。どこかで必ず終わりが来る。
明日は井戸掘り仲間の忘年会のため休みます。
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