「そこがダメなのよ」。カミさんはテレビをズーと見つめながら時々呟いている。こんなに長時間、変わらない画面をよく観ていられると感心する。オウムだって、統一教会だって、それほど関心を示さなかった人が、随分、熱心に観続けている。
観ていたのはフジテレビで、フジテレビ自身が長時間にわたって放送したのは、それだけ危機感を抱いているためだろう。発端は週刊文春の中居正広さんが、フジテレビの女性アナを、自分のマンションに連れ込んだという記事だった。
フジテレビの社員によるバーベキューパーティーが行われ、その2日後に中居さんから「今晩、ヒマ?」とメールがあり、女性アナは誘われて出かけて行った。第3者委員会の報告書を見ると、中居さんの手口の巧妙さ、姑息さがよく分かった。
フジテレビは当初、これは男女の問題と処理していて、女性アナへの配慮が全く欠けている。それで第3者委員会が調査を開始することになるが、女性社員を宴会の席に呼び接待させることが、普通に行われてきた社内風土があると指摘する。
よく分かる。私たちの時代は、部下は上司のところへ酌に行くのが当たり前だった。二次会に若い女性は連れて行かれるが、男どもは別行動だった。フジテレビでは容姿を重点に女性を採用したようだから、性被害は他にもあったかも知れない。
まるで江戸時代の『べらぼう』みたいな、男優位の社会がまだ続いていたのだ。男女平等とか、人権の尊重とか、社会の先鋒として示すべき電波を発する会社が、真逆のことをやっていたことに驚く。フジテレビには娯楽番組しか無いのかと思ってしまう。
それにしてもカミさんは、どうしてあんなに熱心にテレビを観ていられたのだろう。私は先に休ませてもらったが、カミさんはTVerに切り替えて最後まで観たそうだ。そんなことも出来るのかと感心したら、孫娘も同じだったのでもっと驚いた。
えっ、今日はエイプリルフールだって!?
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