マンションの電気工事で、午前10時から午後2時半まで停電だった。停電しても何も困ることは無いと思っていたが、トイレに入って困った。真っ暗で何も見えない。懐中電灯を用意するようにと自治会が言っていたのは間違いなかった。
停電だからテレビも見えないし、パソコンも動かない。外からの光で新聞を読む。こんな機会だからベランダに面した西側の窓を覆っている天幕を外そうと思い立った。これから北風が強くなると、日除けの天幕が大きく揺れる。風で飛ばされることの無いうちに撤去しておこう。
作業をしていると冷たいものが降って来た。雨だ。大雨にはならないと予報されていたが、今日はここまでと中止にした。洗濯物を室内に取り込んで、窓際で本を読む。的場昭弘氏と佐藤優氏の対談をまとめた『復権するマルクス』(角川新書)はなかなか面白い。
佐藤氏はいろんな人との対談形式の本を出している。この人が高校1年の時、単独でソ連・東欧を旅した『十五の夏』を読んで興味を持った。中学生の頃から社会主義に関心を持ち、埼玉県立浦和高校へ入学すると、福本和夫氏の書を読み始めている。
佐藤氏がどうしてキリスト教に惹かれたのか忘れてしまったが、同志社大学の神学研究科を卒業し外務省に入省し、ロシアに赴任している。マルクス主義とキリスト教に心惹かれた彼は、よりいっそうこの2つを見極めることで何かを見出そうとしている。
私はとても足元にも及ばないが、同類の気配を感じた。最近、いろいろと出している佐藤氏の書を買い集めているが、そろそろ読み始めなくてはと思う。なのに、近頃は本当に気力が無い。やっぱり凡人はどうしようもない。