スカッと気持ちのよい秋晴れの空が現れないので、こちらが何だか憂鬱になる。女優の三田佳子さんの次男が、覚せい剤使用容疑で4度目の逮捕となった。1度目は18歳の高校生の時で、自宅の地下室で使用し、2度目は20歳の大学生で、同じ地下室で仲間と集まって使用したという。テレビで三田さんが謝罪しているのを見たように思う。
父親はNHKのプロヂューサーというから、学歴の高い人だろう。高校生で覚せい剤使用とは驚く。長男は問題を起こしていないのだから、次男に対しては明らかに育て方を間違えたと思う。自宅の地下室をパーティー会場に使われていたのに、気が付かなかったことに顕著に表れている。大学生に月に30万円もの小遣いを与えている感覚が異常だ。
もうすぐ40歳になろうとする次男は、男の子の父親でもある。「どうしたら、彼を救えるのでしょう」と三田さんは言っていたが、孫の男の子を救うことは出来ても、次男を救うことは無理ではないだろうか。刑務所とその後は厚生施設で過ごす以外ない。親としてはやりきれない気持ちだろうが、もう今更どうすることも出来ないだろう。孫をきちんと育てるために、みんながスクラムを組む他ない。
犯罪を犯すと必ず、親はどんな子育てをしたのかと問題視される。当然のことだ。子どもは親の血を受け、親の考えの下で育てられる。思春期になって、初めて自分と向き合うようになるが、それは同時に家族と向き合うことでもある。そして20歳に過ぎれば、もう責任ある個人で、親がどうこう出来る存在ではない。親子であっても、個人と個人なのだ。
だから逆に、親が何かしでかしたとしても、当然だが子に責任など無い。親子であることは何も変わらないが、個々の人間なのだと考える方がいい。家族で仲良く暮らしてきても、子はいつか巣立っていくし、親もいつまでも元気でいる訳ではない。「生まれ」と「別れ」は一体のものなのだから。