友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

泣き喚き会見の真意

2014年07月03日 17時02分19秒 | Weblog

 朝、フジテレビの『特ダネ』を見ていて、笑ってしまった。兵庫県の県会議員が1年間に195回出張したことに対する説明の映像である。昨夜のニュースでは、ただ泣き喚くだけの記者会見だったので、何がなんだか分からなかった。今朝は時系列で40分も取り上げていたから、よく理解できた。番組のキャスターは「この議員は、根は正直でいい人なんでしょう」と言っていたが、私はそんな風に受け止めてしまうことに問題があると思った。

 この県議の年収は1千万円以上ある。これに加えて、政務活動費が600万円ある。彼はこの中から300万円余を交通費として請求し、支払いを受けた。政務活動費は議員が調査などのために出かける費用に使うことが出来る。使えば支払われるが、使わなければいけないというわけではない。しかも内容について報告する必要もないようだ。私の経験では600万円は使い切れない。兵庫県は会派に支給ではなく、個人にも認めているようだが、私が町会議員だった時は会派へ当てられるものだった。

 自民党系の議員たちはほとんど温泉地へ出かけていた。議会事務局の職員も同行していたから、報告書は職員の手によるものだと推測した。議会の視察ですら宿泊は温泉地で、首長まで参加しての宴会だった。議会で出張とか視察とか言えば、夜は宴会が決まりだった。私が議員になる前は、宴会にはコンパニオンという女性がいて、中には宿に帰らない議員もいたと聞いた。「いい時代だったんだぞ」と、恥じらいもなく誇らしげに言っていた。

 兵庫県の議員は47歳の独身である。市の職員だったけれど、政治家を目指して何度も挑戦して、「兵庫 維新の会」の推薦をもらい当選した。「世の中を変えたい」と豪語していたが、何をどのように変えるのかは語らなかった。議員になりたいという気持ちだけは相当強いものがある。けれどもどういう政治家を目指すのか、それは彼にはどうでもいいことのように見えた。

 「真面目に質問していた」と言うけれど、「職員を捕まえて、叱責していた」とも言われているから、全く議員としてなすべきことが見えなくなっていたと思う。議員という権力の座に就き、たちまち溺れてしまったのだ。実際に出かけて何かを調査しているなら、公表できないはずがない。出かけた手段も調べた内容も話せないとはどう考えても不思議だ。「一生懸命なんです」と何度も泣きながら繰り返す姿はまるで子どもだ。この類の議員が多い現実こそが情けない。

コメント
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