友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

フィリッピンを襲った最大級の台風

2013年11月11日 18時49分42秒 | Weblog

 今年最大の台風がフィリピンを襲った。死者は1万人、被災者は950万人と言われている。東北大震災の直後に、現地を上空から視察した人がフィリッピンにいて、やはり上空から被災地を見て、「まるで津波の時と同じだ」と言う。街中が高波に襲われ、壊滅状態となった街は津波の時と変わらないというものだった。高波が引いた後は瓦礫の街になっていた。自然の力の恐ろしさを見せ付けられた気がする。

 多分、こんなに豊かな生活をしていなければ、被害はもっと少なかったのではないだろうか。フィリピンは年中暑い。コンクリートで冷房の効いた家に住むようになって、あるいはエアコンの効いた工場や店で働くようになって、そこに定住する生活になった。でもきっとその前は、バナナの葉で屋根を葺くような粗末な家で暮らしていたはずだ。台風が来ても、風や雨から身を守れるような所へ避難しただろう。家は壊されてしまったが、また作ればいい。農業にしろ漁業にしろ、失ったものは仕方がないのでまた初めからやり直しただろう。

 そんな風に自然の驚異をやり過ごしては立ち直って暮らしてきたと思う。しかし、今のように豊な暮らしを手に入れてしまうと、これを守ろうとするのは当然だろう。そのために命までも無くしてしまうことになろうとは思わなかっただろう。私たちは豊かさを求めて生きてきた。豊かさは物品であり、便利さであり、時間の短縮だった。美味しいものを腹一杯食べ、好きなものを身にまとい、エアコンの効いた家に住み、テレビの大型画面で余暇を楽しみ、とにかく贅沢を極めた。

 もちろんもっとお金持ちはさらに考えられないような生活を送っている。その反面で、未だに栄養失調で亡くなっていく子どもはいるし、戦争や殺し合いも絶えない。自然災害は止められないが、人間が作り出した災害は止められる。分かっているが、いざとなると互いの国の利益や、民俗や宗教のあるいは企業や地域のエゴが、ぶつかり合ってしまう。愚かだと思うけれど、それが人間だ。それでもいつか、互いを受け入れ合うことになると私は思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする