喫茶店で70代の男性がふたり、時局について盛んに言い合っている。男性の一人が、知り合いの50代後半の女性が月給17万円で男性と同じ仕事をすることになったと言う。するともう片方が、「それはよかったじゃあないの」と言い、「今時、17万円も出すところはないよ」と続ける。「そうそう、私もそう思う。時給も最低賃金に近づいてきているし、恵まれている方だと言っておいた」と言う。
そんな話から「民主党はダメだ。社民なんか切り捨てればいいんだ。あの連中は共産党と変わらない」と言い出した。すると片方も相槌を打って、「日本も武器輸出をすればいいのだ。だいたい、日本の戦車も戦闘機もアメリカのものよりもはるかに優れているのに、韓国や中国にやられっぱなしじゃあダメだ。韓国も中国も武器輸出で儲けているのだから、あんな連中に負けていいちゃーいかんのだ」。相方はまた「そうそう、武器を輸出するのが一番だわ。だからアメリカはイスラエルには何も言えん」。
「アメリカの経済を支えているのはユダヤ人と軍事産業だ。平和になったら一番困るのはアメリカ経済だ。だから世界各地で紛争を起こしている」「そうそう、民族と宗教は絶対に解決できん。紛争が続く限り経済は上昇するよ」「日本もそろそろ武器輸出で経済の再興を図らなくちゃならん。まず、民主党は社民を切って捨てるべきだ」「そうそう、そのためには、民主党内の社民分子を一掃しなくちゃーな」。
70代といえば安保世代かと思っていたけれど、この人たちのように企業の営業マンとして甘い汁を吸ってきた人たちはこんな風に考えているのか。それにしても、この人たちが私のような人間になぜ選挙で応援してくれたのだろう。これまでのように地域エゴに拠らない市民参加の新しい自治の形をつくるべきだと主張した私をなぜ支援してくれたのだろう。
「もうそんな、国がどうのこうのという時代ではないでしょう。地球そのものに人類が生き残れるかの時ですよ。それに資本主義社会では人口は減少している、つまり、買い手が少なくなっているのですから当然右肩上がりの経済成長は望めないと考えるべきでしょう。国も地方も、そのための新しい時代に対処できる政府であり行政であるべきですよ」。こういう私の説に全面的に賛同してくれたのは何故だったのだろう。
私はこの人たちに、「軍需産業は資本主義の最後の砦かも知れないけれど、もうそういう時代ではありません」とか、「自分が戦争に行くことの無い人は何時の時代も無責任に戦争を煽るんですよね」などという皮肉も言わず、ただ笑っている。笑っている自分を卑怯な男だと思うけれど、今更友だちであるこも人たちと論争する気はない。彼らもまた、私が超のんきな平和主義者であることは知っていて、話しているのだから。
愛国主義者の中にも保守的な人々の中にも、現実社会への不満や不条理への反発はある。現実主義者以外の人々は、つまりは現実の社会から疎外された人々は何らかの形で現実社会を変えたいと思っているのだ。明治維新を支えた下級武士や町人たちもきっと同じような人々だったのだろう。
そんな話から「民主党はダメだ。社民なんか切り捨てればいいんだ。あの連中は共産党と変わらない」と言い出した。すると片方も相槌を打って、「日本も武器輸出をすればいいのだ。だいたい、日本の戦車も戦闘機もアメリカのものよりもはるかに優れているのに、韓国や中国にやられっぱなしじゃあダメだ。韓国も中国も武器輸出で儲けているのだから、あんな連中に負けていいちゃーいかんのだ」。相方はまた「そうそう、武器を輸出するのが一番だわ。だからアメリカはイスラエルには何も言えん」。
「アメリカの経済を支えているのはユダヤ人と軍事産業だ。平和になったら一番困るのはアメリカ経済だ。だから世界各地で紛争を起こしている」「そうそう、民族と宗教は絶対に解決できん。紛争が続く限り経済は上昇するよ」「日本もそろそろ武器輸出で経済の再興を図らなくちゃならん。まず、民主党は社民を切って捨てるべきだ」「そうそう、そのためには、民主党内の社民分子を一掃しなくちゃーな」。
70代といえば安保世代かと思っていたけれど、この人たちのように企業の営業マンとして甘い汁を吸ってきた人たちはこんな風に考えているのか。それにしても、この人たちが私のような人間になぜ選挙で応援してくれたのだろう。これまでのように地域エゴに拠らない市民参加の新しい自治の形をつくるべきだと主張した私をなぜ支援してくれたのだろう。
「もうそんな、国がどうのこうのという時代ではないでしょう。地球そのものに人類が生き残れるかの時ですよ。それに資本主義社会では人口は減少している、つまり、買い手が少なくなっているのですから当然右肩上がりの経済成長は望めないと考えるべきでしょう。国も地方も、そのための新しい時代に対処できる政府であり行政であるべきですよ」。こういう私の説に全面的に賛同してくれたのは何故だったのだろう。
私はこの人たちに、「軍需産業は資本主義の最後の砦かも知れないけれど、もうそういう時代ではありません」とか、「自分が戦争に行くことの無い人は何時の時代も無責任に戦争を煽るんですよね」などという皮肉も言わず、ただ笑っている。笑っている自分を卑怯な男だと思うけれど、今更友だちであるこも人たちと論争する気はない。彼らもまた、私が超のんきな平和主義者であることは知っていて、話しているのだから。
愛国主義者の中にも保守的な人々の中にも、現実社会への不満や不条理への反発はある。現実主義者以外の人々は、つまりは現実の社会から疎外された人々は何らかの形で現実社会を変えたいと思っているのだ。明治維新を支えた下級武士や町人たちもきっと同じような人々だったのだろう。