友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

若さがちょっと羨ましかった

2009年10月29日 19時38分59秒 | Weblog
 昨夜、塾に孫娘を迎えに行く時に若い夫婦とエレベーターで一緒になった。「お出かけですか?」と声をかけてくれたので、「これから孫娘のお迎えです」と答えた。「大変ですね」「仕方ないですよ」。そんな話が続き、私が2人を見つめると、「これから、ふたりでコーヒーを飲みに行くところです」と言う。「へえー、それは素敵ですね」と私。この夫婦には小学校5年生の男の子を筆頭に4人の子どもがいる。「一番下の子は『ママと寝る』と言ってましたが、眠ってしまったので、そおっと出てきたんです」と笑う。

 夜半にこうして2人で喫茶店に出かけることを微笑ましく思った。「この時間には、ふたりで川まで歩いたりもしているんですよ」と言う。時々、塾へ迎えに行った帰りにその姿を見かける時があった。ジョギングをしているのだなと思っていた。ダンナの方がちょっと太り気味になったとかで、昼間は仕事で歩けないけれど、夜間なら出来るということなのだろう。カミさんは色白の美人で目の大きな可愛い人だ。150センチないくらいの小さな身体で、子どもなど生むことは無理なのではと思えるほどスリムな体型である。

 ダンナの方の両親とは長い付き合いで、彼を小さい頃から見てきたが、今は立派な社長になった。ダンナの父親は一代で今の会社を興したやり手だったが、ダンナの母親はさらに人の使い方が上手な人だ。父親は一見するとヤクザに見える風体をしていて、みんなが怖がったけれど、彼をよく知る私は、わざとそう見えるようにしていると思った。

 ある晩、かなり遅い時間だったが、彼のアメリカ車が、私の小型車を抜き差って行った。深夜で見通しが良かったから、彼は交差点の信号を無視して走っていったのだ。私はいたずら心を覚え、彼の車を追った。彼が車を駐車した時、映画でよくあるように、その車のすぐ後にライトを付けたままで駐車して、「信号無視で逮捕する」と怒鳴った。すると、彼の顔から一瞬血の気が引いた。意外に小心者なのだと思った。私だと分ると「脅かすな」と怒っていたけれど、内心はホッとしている様子だった。

 彼は酒が飲めなかったし、ギャンブルもしない、そういう点で真面目な男だった。取引相手には結構大ボラ吹きだった。離婚したと聞いたけれど、今はどうしているのだろう。同じ歳だけにちょっと気になる。彼のカミさんは時々孫たちのところに来ているので、立ち話くらいはするが、ダンナの様子を聞いたことはない。2人は私たちと同様に学生時代の知り合いで結婚し、熱い思いで生きてきたが、それぞれが終わりの時を迎えようとしている。

 その子どもが嫁さんと連れ立って、夜半にコーヒーを飲みに行く。孫娘にその話をしたら、孫娘は「ふたりだけの時間を大切にしているんだね」と言う。素敵なカップルの後姿を眺め、若さがちょっと羨ましいと思った。
コメント
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