ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

珍しい形の「上御霊神社」の神輿。3つの大きく豪華な神輿が、厄を祓い、町を浄める御霊祭

2013-05-27 | 祭事・神事・風習

夕方から、御所の北側に位置する「御霊神社(上御霊神社)」を訪れているミモロ。屋台の焼きそばや、ベビーカステラなど、次々に食欲のおもむくままに、食べ歩き、ようやく空腹も納まった様子です。
「ちっとも神輿かえって来ないねー」と、お腹がいっぱいになって、神輿のことを考える余裕が生まれたのか、来る方向をジッと見つめています。

「かなり遅れているようです…」という祭の世話役の声。ようやく姿が見え始めたのは、もう陽はとっぷり暮れた7時すぎです。道の遠くから、聞こえてくる「ホイットー、ホイットー」という声。


「御霊神社」には、3基の立派な神輿があります。京都の神輿は、本当にどこも立派です。関東は、「ワッショイ、ワッショイ」という掛け声ですが、京都は、「ホイットー、ホイットー」と言います。

京都の神輿の特徴は、何しろピカピカで、やたら金具が多いこと。神輿の周囲には、簾のように金具が垂れ下がっていたり、神輿と台座を繋ぐ太い綱にも、大きな鈴がいくつもついていたりと、まばゆいばかりの姿です。

大きな神輿といえば、八坂神社の3基の神輿をはじめ、ここ上御霊神社、また下御霊神社の神輿も立派です。「あのねーミモロの住む岡崎の粟田神社のお神輿も立派だよー」と、地元びいきのミモロは、すかさず。

金ぴかの神輿は、担ぎ手によって、前後に激しく揺さぶられ、その時、シャリン、シャリンと音を出すのが特徴です。鳴り管という音を出す部分もあります。(神輿の代わりに、鳴り管だけが、町を回ることも…)。大きく神輿を揺さぶるのは、中の神さまにいっそうのパワーを出してもらうためとか。
「お神輿の中の神さま、神輿酔いしないかなぁー」と、いつも心配するミモロですが、その心配は無用。いっそうパワーアップしているのです。

また、神輿は、ときどき止まって、揺さぶると同時に、担ぎ手が両手を上にのばし、神輿を高く持ち上げる「さし上げ」が行われます。そして、そこでも揺さぶられます。周囲の観客から、一際大きな拍手が起きる場面です。

掛け声に合わせて、独特のステップを踏んで、神輿を担ぎます。ツーステップのようなリズムで、膝をピョコピョコと後ろに蹴り上げます。また、担ぎ手のメンバーチェンジの手際の良さも見事。重い神輿は、長時間、担ぐのは無理。そこで、揺さぶりを掛けている間でも、担ぐリズムを崩さないようにタイミングを計りながら、何度もメンバーチェンジをしてゆきます。新たに担ぐ人が、すでに担いでいる人の後ろに、ピッタリと体を合わせるように滑り込み、前の人は、押し出されるように外れて行きます。

「何度見てもワクワクしちゃうねー」と、気づくと、ミモロは、「ホイットー、ホイットー」という掛け声に合わせて手拍子を取っています。「ミモロ、男の子なら、絶対お神輿担ぎをやりたい!」と。法被に、締め込み、ハイソックスような地下足袋、そのイナセな姿に憧れているようです。

さて、最初に境内に入ってきたのは、小山郷の神輿。
屋根の鳳凰が、稲穂を持ち、それは豪華な神輿です。境内で、10回ほど、さし上げを行った後、降ろされ、手拍子で締めくくり。この手拍子にもいろんな種類があります。

落ち着いた神輿は、長い担ぎ棒を外され、ついで、屋根の鳳凰が、本殿の中へと帰られます。


神輿が、拝殿におさまると、次の今出川口の神輿が境内へ。同じように、何度もさし上げをして、拝殿へ、この2つの神輿は、よく似た形をしていました。

「あれーミモロちゃんじゃない?こんなとこまで見に来てるんだー」と声を掛けてくれたのは、粟田神社のお祭りでお世話になった若山さん(写真右)。「あ、かほちゃんのパパ…」ミモロは、思わず知っている方に会えてうれしくてたまりません。

神輿の担ぎ手不足の昨今。それぞれの町内の神輿を担ぐために、担ぎ手は、助け合っているのです。独特のステップやリズム、またさし上げなど、とても飛び入りで参加できるものではありません。
「明日も別の神輿を担ぐんですよー。このとこ、忙しくってー」と。そういいながらも、どこかうれしそうな若山さん。祭りの時期になると、きっと血が騒ぐに違いありません。

拝殿には、ずらりと並ぶ笛の吹き手。
狩衣姿に、この祭りの格式を感じさせます。

最後に境内に姿を見せたのは、末広会の神輿です。
屋根には、菊のご紋章を染め抜いた赤い布が。

その姿は、他の神輿とは異なり、屋根には、角が出ています。これは、神社の建物の千木を模したものとか。古い形の神輿です。

「すごく迫力あるねー。なんか虫のロボットみたいに見える…」と、勝手な感想を口にするミモロ。

夜の闇の中、その姿は、異様なほどに浮かび上がり、思わず息を飲む迫力です。

御霊祭を見終わったころは、もう夜の10時近くに。存分に祭りを楽しんだミモロは、地下鉄「鞍馬口」から家路へと向かいました。

5月から始まった京都の夏祭シーズン。6月中は、市内各所の神社で、次々に祭りが行われ、そして7月の祇園祭へ。

「ホント、京都ってお祭りだらけだよねー。あー忙しい…」と、この夏も張り切るミモロです。


*「御霊神社(上御霊神社)」京都市上京区御霊前通烏丸東入ル 境内には7:00~日没 自由参拝 地下鉄烏丸線「鞍馬口」徒歩3分
人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「上御霊神社」の御霊祭。神... | トップ | 新たに登場した客室を特別料... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
血が騒ぐ~ (がちゃぴー)
2013-05-27 12:34:47
ホイットーという掛声と装飾のシャラシャラした音~ 東京のお神輿とはちょっと違うかもー
お神輿は豪華絢爛で さすが京都ってかんじですね。

でもお神輿の担ぎ手も 見ている人も 血が騒ぐというのはきっと同じだね!
そう、ワクワクでーす (mimoro)
2013-05-27 16:19:18
お祭りって、なぜかワクワクしちゃいます。
ミモロ、大好きでーす。
ホント、男の子なら、絶対、お神輿担ぎしたいでーす。
残念ー

コメントを投稿

祭事・神事・風習」カテゴリの最新記事