ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

滋賀県南東部にある奈良時代の古刹。湖南三山めぐり。国宝「阿星山 常楽寺」の美しき三重塔

2015-06-16 | 寺社仏閣

京都の町から、車や電車で約1時間。お隣り滋賀県は、多くの古刹があり、仏像ファンなら、ぜひ訪れたい場所。今回、ミモロは、お友達に誘われて、琵琶湖の南東に位置する「湖南エリア」の三山を訪れました。

まずは、阿星山(あぼしやま)の北に位置する「常楽寺」です。
 
ここは、和銅年間(708~715)に元明天皇の勅命により、良弁(ろうべん)が開基したお寺で、紫香楽宮(しがらぎのみや)の鬼門鎮護として栄え、さらに平安から鎌倉時代には、皇室の帰依により隆盛を極めました。延暦年間(782~805)に、天台宗になりました。

紫香楽宮は、天平12年(740)藤原広嗣の乱以降、遷都を繰り返す聖武天皇が、天平14年(742)に造営し、翌年、この地に盧舎那仏の造営を発願しますが、あまりに山奥であったことなどから、人々の賛同が得られず、天平17年(745)に平城京へと戻ることに。この宮で、計画された盧舎那仏建立の願いは、後に、東大寺で果たされることになります。

この滋賀県、湖南地方には、紫香楽宮を鎮護する寺が次々に良弁によって開基されます。平城京に都が戻り、聖武天皇念願の盧舎那仏が東大寺に建立、良弁は、その東大寺の初代別当となるのです。

「わ~りっぱなお寺…」
華やかさこそありませんが、その佇まいには、堂々とした風格が漂います。「常楽寺」は、延文5年(1360)に火災で全焼してしまいます。現在の建物は、その同年に再建されたもので、国宝になっています。

本堂の中には、火災の折り、多くの僧侶たちが、必死に持ち出した風神・雷神、二八部衆が祀られています。
「あれ~お席が空いてるところがある…」と、仏像が並ぶ場所を見てミモロが…。実は、昭和56年に仏像の3体が盗難にあい、そのうちの1体の阿修羅像は、昭和60年に見つかり、戻ることができましたが、ほか2体は、行方不明のまま。
そういうこともあり、昭和56年から一般公開をしていなかったのですが、平成17年から再び、一般公開が再開、仏像を拝むことができるようになりました。

「え~これも重文なんだって~」境内にさりげなく立つ石造燈籠


山麓にある寺院には、立派な三重塔が聳えています。

階段を上がり、その近くへ。
国宝の三重塔は、応永7年(1400)ごろに建立さえたもの。堂々とした姿は、本当に美しいもの。中は、非公開です。

さて、この「常楽寺」は、紅葉の名所としても知られます。境内には、楓の木々が、今、緑の葉を涼やかに茂らせています。

「わ~紅葉の時も来てみたいね~」とミモロ。

また、山には、今、紫陽花が満開…。
 山を巡る散策路を彩っています。

また、ここは、近江西国観音霊場の1番札所。山を巡る散策路には、33か所巡りができるようになっています。
 
「ここを参拝すると全部の霊場を参拝したことになるんだって…」と、ミモロもひとつひとつお詣りしてゆきます。

「美しい…」山から、眺める三重塔…。

日曜日のこの日、参拝者も多いようですが、その数は、京都の寺社仏閣には、及びません。「静かな雰囲気の中で仏像を拝めるのは、うれしいね~」とミモロ。観光客であふれる京都に比べ、約1時間ほどで訪れることができる滋賀県のお寺は、仏像ファンならずとも、心惹かれるものがあります。

6月中は、「湖南エリア」でのスタンプラリーも開催中。
ブチュ~
ミモロもさっそくスタンプ集めを…。

「へぇ、こんなに素晴らしいお寺があるって知らなかった~」と感激するミモロ。
 

京都を何度も訪れている方は、ぜひ、足を伸ばして、琵琶湖周辺の寺社仏閣めぐりをおすすめします。

さぁ、次は、すぐ近くにある国宝の「長寿寺」へ参拝しましょ。

*「常楽寺」の詳しい情報は、ホームページで


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