みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1406「恋の初め」

2023-08-05 17:39:16 | ブログ短編

 二人は、何となく惹(ひ)かれ合って付き合い始めることに…。でも、まだまだ遠慮(えんりょ)があるようで、二人の距離(きょり)は縮(ちぢ)まりそうになかった。彼の方は、押(お)しが強(つよ)いわけでもなく、女子と付き合った経験(けいけん)も乏(とぼ)しかった。彼女の方は、もっと親(した)しくなりたいと思っているのだが、何をするにも嫌(きら)われたくないとか、よく見られたいとか考えすぎて何もできない。
 こんな二人だから、周(まわ)りの友だちは気をもんでいた。そこで、友だちが集まって作戦会議(さくせんかいぎ)を開くことになった。でも、そこにはそれぞれの思惑(おもわく)がありそうだ。
「やっぱりスキンシップだよ。あいつらが手をつないでるとこ、見たことあるか?」
「絶対(ぜったい)ムリだと思う。あの娘(こ)も、こういうことになるとダメなのよね」
「手をつながせるなんて、どうすんだよ。フォークダンスでもしちゃう?」
「お化(ば)け屋敷(やしき)とかいいじゃん。俺(おれ)たちも楽(たの)しめるし」
「あんた、バカなの? 今はそんな季節(きせつ)じゃないでしょ」
「俺にいい考えがある。ここは、あいつに病気(びょうき)になってもらって、あの娘(こ)に――」
「あいつにそんな演技(えんぎ)ができるの? それに、あの娘(こ)を欺(だま)すようなことできないわ」
「これは、あいつらのためなんだよ。このままだと、卒業(そつぎょう)までずっと変(か)わんないぞ。あの二人には、早く恋人同士(こいびとどうし)になってもらわないと困(こま)るんだ」
「あなた、あの娘(こ)に片思(かたおも)いしてるしね。ちゃんと付き合ってもらわないと、諦(あきら)めがつかないんでしょ。あたしも…分かるわ。その気持ち…」
<つぶやき>いろいろあるんでしょうが…。ここは、余計(よけい)なことはしない方がいいんじゃ。
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