みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1463「学校の不思議」

2024-07-01 18:13:21 | ブログ短編

 学校(がっこう)には異界(いかい)へつながる道(みち)があるという。今でも学校を舞台(ぶたい)にいろんな怪談(かいだん)が語(かた)られるのはそのためだ。そして、あたしが通(かよ)っている学校にも、どうやらそれはあるみたい。
 あたしのクラスにはちょっと変(か)わり者(もの)の男の子がいる。他(ほか)の子と雰囲気(ふんいき)が違(ちが)っていて、どこか近寄(ちかよ)りがたい感じがした。その子には友だちはいないみたいで、いつも窓(まど)から外(そと)を見つめていた。いったい何を見ているのか、あたしはちょっと気になっていた。
 ある日のこと。教室(きょうしつ)に忘(わす)れ物をしてしまい、あたしは学校へ戻(もど)ってきた。もう五時を過(す)ぎていて外はまだ明るいけど校舎(こうしゃ)の中は薄暗(うすぐら)く感じた。足早(あしばや)に教室に向(む)かい、忘れ物を手にしてホッと胸(むね)をなで下ろす。教室を出ると廊下(ろうか)を通(とお)り、そして階段(かいだん)を降(お)りて行く。
 そこで、あたしは足を緩(ゆる)めた。何か変だ。階段の下の方がだんだん暗(くら)くなっていく。そしてついに真(ま)っ暗になってしまった。まるで暗闇(くらやみ)の世界(せかい)へ向かって行くようだ。あたしは思わずバランスを崩(くず)して…。このまま下まで落(お)ちるのかと恐怖(きょうふ)で目を閉(と)じた。
 目を開けると、あたしは階段の前に座(すわ)っていた。隣(となり)にはあの男の子が立っている。
 あたしはさっきのことを訊(き)いてみた。あれはいったい何だったのか? でも、
「何でもないさ。お前が階段を踏(ふ)みはずしただけだろ。誰(だれ)にも言うなよ」
 その子が行こうとするので、「えっ、あなたは帰(かえ)らないの?」
「おれ…、ちょっとやることがあるから。お前は、早く帰れ」
 あたしはますます気になって…。その子のあとを追(お)いかけた。
<つぶやき>もしかしたら、この男の子は人間(にんげん)じゃないのかもね。彼女はどうなるのか?
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 0008「いつか、あの場所... | トップ | 0005「夢の中の君」 »

コメントを投稿

ブログ短編」カテゴリの最新記事