みけの物語カフェ ブログ版

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1460「宅配」

2024-06-04 18:06:14 | ブログ短編

 私は宅配(たくはい)のドライバーをしている。これは最近(さいきん)になって気になっていることなのだが…。
 三カ月ほど前からか、あるお宅(たく)に毎週(まいしゅう)荷物(にもつ)を届(とど)けている。いつも同じところから発送(はっそう)されていて、同じ大きさと重(おも)さの段(だん)ボール箱(ばこ)…。これはまぁ、あることだよね。でも、不思議(ふしぎ)なのは、荷物を受け取りに出てくる人が毎回(まいかい)違(ちが)うのだ。
 これはどういうことなんだ? ここはどう見ても普通(ふつう)の民家(みんか)だ。看板(かんばん)とかも出ていないので、会社(かいしゃ)の事務所(じむしょ)や店舗(てんぽ)などではないはずだ。宛名(あてな)も毎回同じ名前(なまえ)になっている。いったい、この家(いえ)には何人で住(す)んでいるのか? それとも、たまたま居合(いあ)わせた人が出てくるだけなのか?
 私は同僚(どうりょう)のドライバーにこの話をしてみた。すると同僚は、
「そんなこと気にすることないよ。俺(おれ)たちは荷物を届けるだけなんだから」
 確(たし)かにそうだ。それが私たちの仕事(しごと)だ。そんなことは分かっている。でも、どうにも気になって仕方(しかた)がない。私はそのお宅に荷物を届けるたびに観察(かんさつ)をするようになった。
 相変(あいか)わらず受け取りに出てくる人は違っていた。同じ人が出てきたことはないと思う。いつも同じ段ボール箱で…、気になるのは箱には何も印刷(いんさつ)されていないこと。送(おく)り状(じょう)には日用品(にちようひん)としか書かれていなかった。本当(ほんとう)にそうなのか? もしそうじゃなかったら…。
 この家、マジでやばいかも…。でも、これ以上(いじょう)の詮索(せんさく)はできそうにありません。
<つぶやき>この家には何か秘密(ひみつ)があるのかも。でも、そこには触(ふ)れない方がいいかもね。
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