「お前…、本当(ほんとう)に巨大生物(きょだいせいぶつ)がいると思ってるのか?」
「ああ。昔(むかし)、見たヤツがいるんだよ。ちょうど50年前だ。ここに、そいつが残(のこ)した日誌(にっし)がある」
「日誌? 誰(だれ)のだよ。どこからそんなもん…」
「それは…知らなくてもいいだろ。で、手伝(てつだ)ってくれるのか?」
「まぁ、それは金次第(かねしだい)だけど…。お前、そんなの見つけて…儲(もう)けようってことか?」
「これは、金の問題(もんだい)じゃないんだ。俺(おれ)は、確(たし)かめたいだけなんだ。事実(じじつ)をな…」
「まったく物好(ものず)きだなぁ。で、どこへ行くんだ。ヒマラヤか? それとも南海(なんかい)の無人島(むじんとう)か?」
「もっと近くだよ。日本の…すぐそこだよ。歩いて行ける近さだぞ」
「はぁ? 日本に巨大生物がいるわけないだろ。それも、こんな街中(まちなか)で…。お前、大丈夫(だいじょうぶ)か? とうとう、いかれちまったんじゃないだろうなぁ?」
「俺は、まともだよ。もう入口(いりぐち)は見つけてあるんだ。出発(しゅっぱつ)の準備(じゅんび)もできてる」
「準備って…。俺は、何も持ってないぞ。食料(しょくりょう)だって調達(ちょうたつ)しておかないと…」
「そんなの必要(ひつよう)ないさ。すぐに戻(もど)って来られるんだから。さあ、行くぞ」
「待ってくれよ。行くんだったら、彼女に言っとかなきゃ…。今日、約束(やくそく)してるんだ」
「そんなのほっとけよ。早くしないと今日中に戻って来られなくなる」
「えっ? そんなこと言っても…。あいつ怒(おこ)らせると、ゴジラより恐(こわ)いんだぞ」
<つぶやき>これはタイムトンネルみたいなもの? でも、身近(みぢか)にも巨大生物いるじゃん。
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