熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

米国発明法

2013-08-09 08:51:25 | Weblog
岸本芳也「米国発明法の特許防衛戦略」を読みました。

著者は、米国特許実務家として有名な方で、私も企業勤務時代にお話を伺ったことがあります。

2011年9月16日に成立した米国発明法は、先願主義への移行をはじめ、付与後異議申立制度の導入や訴訟における無効抗弁の制限、米国特許商標庁の財政・組織改革規則制定に至るまで、37項目にも及ぶ広範な大改正となりました。

この本は、米国発明法の大改正について実務者が押さえておくべき重要ポイントについて、特許実務家、企業の知財・法務部員ならびに事業部の意思決定者が、戦略的・実務的に活用できるように説明されています。

この本には、「米国発明法の概略」「先願主義への移行」「その他の主な改正」「防衛手段とそれを阻止する手段」「USPTOの審査と裁判所の審理の相違」「付与後異議申立制度」「査定系再審査」「付与前情報提供」「申立人における付与後異議申立のメリットと留意点」「特許権者の付与後異議申立への対応戦略」「付与前情報提供のメリットと留意点」「弁護士の助言・鑑定の活用による防衛戦略」「特許権者による補充審査の活用」について分かりやすく書かれています。

何といっても実務的な留意点が書かれていること分かりやすい理由の一つでしょう。

私が特に役に立ったのは、「USPTOの審査と裁判所の審理の相違」の中の「立証基準の相違」ですね。

日本では、あまり意識することがないのですが、USPTOでは証拠の優越、裁判所では明白かつ確信を抱くに足る証拠と、立証基準が異なっており、裁判所で特許の有効性が否定されるケースは日本と比べてかなり少ないのが現状です。

このように、米国と日本との相違を理解して対応する能力が実務家には不可欠ですね。

ご一読をお薦めします。







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国会改造

2013-08-08 09:23:15 | Weblog
小堀雅裕「国会改造論ー憲法・選挙制度・ねじれー」を読みました。

参議院選挙で自民党・公明党が大勝して、衆参にネジレは解消しましたが、果たしてこれでよかったのかという疑問があり、この本を読んでみました。

この本には、「なぜ二院制が必要か」「英国的な衆議院と米国的な参議院の折衷(日本の二院制)」「予算を含む財政に関する衆議院の優越が中途半端だった」「両院が別時期に選挙する世界的に稀有な制度」「小選挙区・二大政党制は憲法上無理だった」「適度なねじれと付き合うために」「対立軸なき時代の皮相なねじれの可能性」「選挙に頼りすぎない民主主義を目指して」について分かりやすく書かれています。

本来参議院は、衆議院の暴走を監視・修正するために存在するのではと思っていますので、ねじれは現行憲法で想定されているのではと考えています。

しかし、衆参のねじれの悪い面が強く出ていたので、自民党・公明党が主張した、ねじれ解消を有権者は支持したのでしょうね。

ねじれが解消するということは、与党の政策が参議院のチェックがない、又は不十分な状態で法案審議が進むことになります。

つまり、法案はスムースに両院を通過するでしょうが、与党が野党の意見に耳を傾けないと(現在の自民党の出方を見ているとこの可能性が高い)、参議院の存在価値がなくなります。

長い間、参議院改革が叫ばれていますが、有効な解決策を見出していません。

参議院の存在意義と与党の政策担当能力が試される最後の機会です。

有権者は、与党に丸投げせずにしっかりチェックしていくことが必要です。

特に、与党に投票した有権者は、与党の政策実行結果に対して応分の責任を負いますので、お任せ民主主義ではなく、自覚をもって与党の暴走を阻止して欲しいですね。







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奥の細道

2013-08-07 08:35:49 | Weblog
NHKBSプレミアムで、新日本風土記スペシャル「日めくり奥の細道」の再放送をしています。

夏の東北の魅力を伝える毎回5分の紀行番組ですが、一挙3本立てでBSプレミアムにて再放送しています。

江戸時代に誕生した紀行文学の傑作、松尾芭蕉の『奥の細道』。

この番組では、実際に芭蕉が歩いた東北の旅のルートを、当時とほぼ同じ日程で、日めくり日記のようにたどります。

今からおよそ300年前、芭蕉は東北で何を見て、何を感じたのか。

「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」、「閑(しずか)さや岩にしみ入(いる)蝉(せみ)の声」など、名句の舞台を訪ねます。また、時には寄り道をして、芭蕉が味わった郷土料理や、歴史ある温泉地、東北の自然や文化、人々の営みを紹介していきます。

また、東日本震災後の生活状況にも触れながら番組を作っているのも特徴ですね。

東日本大震災で甚大な被害を被った東北を舞台に、松尾芭蕉の奥の細道に関連する番組を作成したのはいいですね。

改めて松尾芭蕉の俳句とその背景を感じながら楽しんでいます。







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ロスナイ

2013-08-06 07:57:16 | Weblog
毎日午前中、コミ二ティセンターの学習室で勉強をしていますが、この時期冷房のお世話になることが多いですね。

先日、午前10時頃に学習室へ入ると、珍しく先客がいました。

話たくしより少し先輩の方のようです。

この日は、蒸し暑いので、学習室のエアコンのスイッチが入っていました。

イスに座って文献を読もうとしたのですが、なんだか蒸し暑い。

送風の音は聞こえるのですが、冷気が感じられません。

学習室の入口の近くにある冷房のコントロールパネルを見てみると、エアコンのスイッチは入っているのですが、ロスナイのスイッチが入っていません。

ロスナイとは、排気と吸気の熱交換を換気装置の中でやってのける全熱交換器です。

因みにロスナイは商品名で、温度の「ロスが無い」のでロスナイというそうです。

つまり、エアコンのスイッチが入っていて、ロスナイのスイッチが入っていない状態では、送風だけで冷気は来ないということです。

先客の先輩にわからないように、ロスナイのスイッチを入れると、冷気が吹き出してきました。

どうやら先輩の方は、ロスナイの意味が分からないので、エアコンのスイッチだけを入れたらしい。

こういう場合、親切に教えたほうが良いのか、それとも何も言わないでロスナイのスイッチを入れておけば良いのか、迷いますね。

しばらくは、何も言わずにロスナイのスイッチを入れておくことにします。

その内、気がついてくれるでしょう。







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実践ビジネス英語

2013-08-04 20:06:39 | Weblog
実践ビジネス英語も8月号の放送に入りました。

7月号の Quote...Unquote で、私が気に入ったのは、以下の3つです。

I do not agree with what you have to say. but I'll defend to the death your
right to say it.


あなたが言おうとすることに同意しないが、あなたがそれを言う権利は命がけで守ろう。

言論の自由の重要性を説く言葉です。

元外務省の高官が現政権の外交を批判したのに対して、安倍総理が「彼には外交を語る資格はない」と切り捨てたのとは、天と地との違いがありますね。
自民党の憲法改正草案でも、言論の自由を公共の利益、社会秩序を理由に制限できることが規定されています。
空恐ろしい政権、総理が出現しましたね。



When the people fear the goverment,there is tranny. When the goverment fears
the people,there is liberty.


人々が政府を恐れている時には、暴政がある。政府が人々を恐れている時には、自由がある。

トーマス・ジェファーソンの言葉です。



Anyone who stops learning is old, whether at twenty or eighty.
Anyone who keeps learning stays young.
The greatest thing in life is to keep your mind young.


20歳だろうが80歳だろうが、学ぶことをやめた人は老いている。
学び続ける人は若さを保っている。人生で最も重要なのは、心を若く保つことである。

ヘンリー・フォードの言葉です。

私の座右の銘である、サミュエル・ウルマンの「青春」と同じ趣旨の言葉です。


毎日3時間以上の勉強を20年続けてこられたのも、この言葉のおかげです。






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著作権の保護期間

2013-08-03 15:36:44 | Weblog
TPPで、「著作権の保護期間」を米国などに合わせて作者の死後70年に延長することが検討されています。

日本の消費者にとってデメリットも多いが、著作権法を所管する文部科学省では延長容認論が出始めているそうです。

交渉参加12カ国中、日本、カナダなど6カ国は死後50年、米国、豪州など6カ国は70年以上です。

米国が延長を求めているとみられ、政府は見解を明らかにしていないが、文科省幹部は「農業のように譲れない問題ではない。反対の声もあるが、広がりはない」と延長容認の考えを示しています。

米国が延長を求めるのは海外でも人気の作品、例えばディズニキャラクターを多数抱え、その輸出で稼いでいるからでしょう。

一方、日本は印税など著作権使用料の国際収支で約6千億円の赤字です。

TPPにおける著作権保護期間延長の議論を見ていると、法律関係者が真剣に著作権の保護期間延長の是非について議論を戦わせているのが虚しくなりますね。

著作権の保護期間を定めた趣旨は、保護期間を延長した場合のメリットとデメリットは、著作者と著作物利用者との衡平をどのように担保するのか等の議論とは何の関係もなく、自動車の関税撤廃、農産物の関税維持等との政策的取引の道具に利用されています。

著作権審議会での議論は何の意味もありませんね。

法律家の一人として虚しさを覚える報道です。







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同病相哀れむ

2013-08-02 19:34:22 | Weblog
メタボ解消のため定期的に検査を受けている病院で、元企業の仲間と再会しました。

朝一番の予約なので、誰も待っていないのではと思っていましたが、先客が一人いました。

その先客が元企業の仲間で、お互いに顔を見合わせて「妙な処でお会いしますね」と一言。

それからお互いの病状の話、現在の生活について話が弾みました。

私と同じ女医さんの診察を受けていて、「あの先生は可愛くていいでしょう。自宅近くの病院に通院していたんですが、その先生と相性が悪く、こちらの先生が可愛いと評判なので病院を変えたんですよ」と話していました。
正直な方ですね。

私の診察が終わり、会計を済ませて、薬を受け取って帰ろうとすると、その方が診察を終えて会計窓口に。
私の姿を見つけて「今度、飲みましょう。メタボに影響のない範囲で」と誘われました。

私ぐらいの年齢になると、共通の話題は、病気、年金、孫、趣味ですが、その方とは仕事の話でも盛り上がりましたね。

「暑さが一息ついた頃に飲み会でもしましょう」と約束しましたが、果たしてメタボに影響のないメニューがあるのか、探すのに苦労しそうですね。









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酪農保護

2013-08-01 22:03:21 | Weblog
昨日、打ち合わせに弁理士会へ出かけた時のこと。

千代田線の霞ヶ関駅から弁理士会へ向かって歩いて行くと、デモ行進が。

先頭は牛の着ぐるみをきた集団、その後に緑のユニフォームを着た集団が続いています。

プラカードには、「酪農を守ろう」の文字。

全国の酪農団体のデモですね。

私は、TPP反対のデモなのかなと思っていましたが、TPP反対の文字もシュプレヒコールもありませんでした。

TPPに入ろうが入るまいが、酪農を守れば良いという訴えですね。

確かに酪農は大切だと思いますが、もっと多角的に酪農の必要性を訴えたほうが良いのではと思います。

例えば、「乳製品の品質・安全性」「自然環境保護」「日本人の心の原点」のように、多角的な観点から、酪農の必要性を訴えると説得力が増してくるのでは。









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