徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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マリア・トレーベンの抗がんハーブレシピ(がん闘病記10)

2017年09月27日 | 健康

がんの民間療法は、怪しいものから将来的に臨床試験に耐えうる有望なものまで様々あり、玉石混交の情報がネットに溢れかえっています。また、自分ががん治療中であることを公表していると、様々な方がそれこそ多種多様の情報を良かれと思って提供してくださいます。ただ、情報発信源が日本語だと、ドイツに住む私には到底実践できないものが残念ながら多くあります。

そこで着目したのがこちらの薬草学(Heilkräuterkunde)です。一時魔女狩りで薬草に詳しい女性たちが弾圧されて多くの知識が失われてしまったものの、修道院などを通じて何百年も脈々と続いてきた長い伝統があります。現在では特にマリア・トレーベン(Maria Treben、1907~1991)というオーストリアの薬草学研究家のレシピが権威を持っています。戦後のチェコスロバキアからのドイツ人追放の結果としてドイツのヴュルツブルクの収容所に収容され、そこでチフスにかかり、薬がないため姉妹がクサノオウの汁を調達し、それを飲んだらすぐに状態改善したという体験から薬草学に興味を持ち、研究に没頭するようになったそうです。彼女の著作は多数ありますが、なかでも有名なのは「Gesundheit aus der Apotheke Gottes – Ratschläge und Erfahrungen mit Heilkräutern(神様の薬局による健康~薬草に関する助言と体験)」という本で、何か国語にも翻訳されたベストセラーとなりました。日本語訳版は「薬用ハーブの宝箱 アドバイスと体験」

また、彼女が有名になったのは Schwedenbitter(シュヴェーデンビッター)と呼ばれるスウェーデンの医師クラウス・サンスト(Claus Samst)によって再発見されたハーブリキュールのレシピとその体験談を出版したことによります。

シュヴェーデンビッターはハーブのネットショップで購入可能です。私が購入したものには「マリア・トレーベンの伝統的レシピによって製造」と書かれてあります。薬局に行けば自分で作れるタイプのドライハーブミックスが買えるそうです(ハーブリキュール作りで薬要らず)。

前置きが長くなってしまいましたが、マリア・トレーベンのレシピ集には抗がんハーブのレシピも紹介されているのです。「Heilkräuter aus dem Garten Gottes(神様の庭の薬草)」という本はスタンダードな薬草処方ばかりでなく、絶対に医者にかからなければならないような病気に対する薬草処方も扱っています。その章のタイトルは「信仰は山をも動かす」( ゚Д゚)

そこで紹介されているのが、いくつかのがんを抑制するまたは予防する効果のある薬草です。

Labkraut (Galium verum)

残念ながら日本語名は見つかりませんでしたが、昔から民間では抗がん効果が高いといわれている薬草だそうです。この薬草のジュースをバターと混ぜて外用薬として病巣(腫瘍のある場所)に塗るといいそうです。

皮膚がんなどにはもしかしていいかも知れませんが、体の奥のがんには外用薬でどれほどの効果があるものかかなり疑問ですね。

 

Mistel(Viscum album、ヤドリギ)

推奨されているのはヤドリギのお茶の6週間療法です。

最初の3週間は日に3杯、次の2週間は日に2杯、最後の1週間は日に1杯のヤドリギ茶を飲むというものです。

ヤドリギ茶のつくり方は、乾燥したヤドリギの葉を10~12時間水に浸し、葉を取り除いてから温めます。

お湯を注いで終わりではないのが少々面倒ですが、夜に次の日の分(1杯は150㎖)を準備して、朝になったら温めてポットまたは水筒に入れて夕方までに飲み切るようにするのがよさそうです。

ヤドリギは通常、めまいや関節の病気、または軽度の高血圧に効果があると言われています。

この6週間療法は体の抵抗力を高めるためのものだそうです。

 

Ringelblume(Calendula officinalis、キンセンカ)

がん患者は長期間このキンセンカのお茶を飲むといいそうです。

キンセンカ茶はヤドリギ茶ほど手間がかかりません。乾燥したキンセンカの花をティースプーン大盛り1杯取り、カップ1杯の熱湯を注ぎ、30秒間おいたら完成です。それを毎日3~4杯飲むのだそうです。

また、キンセンカのジュースは外用薬として皮膚がんの患部につけるとよいとか。

 

Zinnkraut(別名多数。Equisetum arvense、スギナ)

スギナは癌を抑制する効果があるそうです。スギナ茶を1日1杯飲むとよいとのことです。

スギナ茶は乾燥スギナをティースプーン大盛り1杯取り、カップ1杯の熱湯を注ぎ、30秒間おいたら完成です。

 

ミックスティー

がん抑制効果があるというミックスティーは次の3つの薬草から作られます。

  • Brennessel(Urtica、イラクサ)100g
  • Schafgarbe(Achillea millefolium、セイヨウノコギリソウ)100g
  • Ringelblume(Calendula officinalis、キンセンカ)300g

イラクサ

セイヨウノコギリソウ

 

この3種のハーブミックスをティースプーン6杯取り、1.5リットルの熱湯を注ぎ、30秒おきます。ハーブを取り、煮だしたハーブティーをポットに入れて、20分毎に一口飲むといいそうです。

 

Schwedenbitter(シュヴェーデンビッター)

最後にシュヴェーデンビッターの登場です。

ヤドリギ茶、キンセンカ茶、スギナ茶のうちのどれかと一緒に毎日シュヴェーデンビッターをスプーン3杯飲みます。

スプーン1杯のシュヴェーデンビッターは食前と食後に分けてハーブティーのカップ半分ずつと共に飲むのだそうです。

 

以上がマリア・トレーベンの抗がん薬草処方です。

私自身効果のほどは半信半疑なのですが、基本的に体の抵抗力を高めることを目的としているので、その点では間違いはないということと、お値段がさほど高くないということの2点を以ってやる価値があると判断しています。

退院してから上記のハーブティー各種を不定期にしか飲んでませんでしたが、これから本格的に飲もうと思っている次第です。

これまでは免疫力を高める要素が多く含まれるパイナップルやマンゴーをフルーツサラダにしてよく食べてましたが、これから冬に向かうに連れて新鮮なフルーツが少なくなっていくので、その代わりにハーブティーを飲むのがいいかなと考えてます。

子宮がん(卵巣転移、+腹膜がん)の診断以来、食生活も多少変えました。「多少」しか変えなかったのは、もともと添加物を避け、オーガニックのものを気を付けて食べていたからです。変えた部分は:

  • 砂糖を完全に排除したこと、
  • 4脚動物の肉を排除したこと(鶏肉は時々食べる)、
  • 乳製品を完全に排除したこと、
  • 精製小麦粉を完全に排除したこと、
  • 代わりに新鮮な野菜・果物を多く食べる
  • パンは白パンの代わりに全粒粉パンを自作
の6点です。
乳製品は元々乳糖不耐症のためにそれほど多くは取っていなかったのですが、時々乳糖フリーのチーズやバターやヨーグルトを食べていたので、これを止めたわけです。完全にベジタリアンというわけではなく、魚を食べ、また時々鶏肉や卵も食べるという、「ペスコ・ベジタリアン」もどきの食生活になりましたが、消化不良を起こしたり、下痢したりすることが全くなくなりました。
白米から玄米に替えたのは1年以上前ですが、その効果を実感するようなことはありませんでした。でも子宮がん診断後の食生活チェンジにははっきりと効果が表れています。主に消化器系の問題の解消で、抗がんという観点でどれほどの効果があるものなのかは不明ですが、ハーブティー同様に基礎体力・免疫力を高めるという観点から有意義なことだと解釈しています。