茶雅馬茶道教室 ~MIHO企画~

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江戸小紋の魅力!

2015年07月02日 | 情報

「江戸小紋(えどこもん)」という名称は、1955(昭和30)年に技術継承者である小宮康助氏(1882~1961)が重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けた際に命名されたもので比較的最近生まれた言葉です。

これは他の小紋などと区別するために命名したものでしたが、現在は広く一般的な名称として使用されています。

なお、「江戸小紋」の名称で、その技法についても1978(昭和53)年に小宮康孝氏が重要無形文化財(人間国宝)に認定され、伝統は受継がれ江戸小紋と言う名称も守られました。

江戸小紋の歴史は、室町時代あたりに起源を持つと言われていますが当時のもので現存する最古のものは、山形県米沢市の上杉神社に所蔵されている、伝上杉謙信の紋付小紋帷子(かたびら)とされています。

その後江戸時代になって、武士の裃(かみしも)の柄に取り入れられ、「裃小紋」として発展を遂げました。

将軍家をはじめ各大名が特定の小紋柄を定め、誰が見てもどこの者かがわかるという制服的な機能も果たしました。これを「定め小紋」や「留柄(とめがら)」ともいい、他での使用を禁じていました。

そもそも「小紋」とは、細かく小さな文様のものを言います。

大きな模様を「大紋(だいもん)」、中くらいを「中形(ちゅうがた)」と呼ばれていたようです。

その製造技法は、型紙を使って非常に細かな模様を生地一面に単色で染めた型染めで、その技術は精緻(せいち)を極める手仕事の集大成といえます。

制作工程は、①糊作り②地張り③型付④シゴキ⑤蒸し⑥水洗い⑦乾燥⑧地直しで、江戸小紋の完成となります。

江戸時代中期以降には庶民の間にも流行した江戸小紋、男女ともに広く着るようになり、町人たちのお洒落志向が動植物や道具類など、また縁起ものや語呂合わせといった多彩な図案を生み、数千種類にも登る型紙が作られていたそうです。

奢侈禁令(しゃしきんれい)によると、庶民に対しては着物の素材色柄等が定められました。木綿や麻、藍や茶色、無地を基本とした縞や格子柄が望ましいものとされていたよう。色に関しては、四八茶百鼠が生み出されていたようです。江戸小紋の代表的な文様に「鮫」「角通し」「行儀」があり、これらは「江戸小紋三役」と呼ばれています。現代でも好まれています。

名門小宮家当代康正氏平成22年紫綬褒賞受章