海老蔵母が明かす麻央への思い「早く治って」
團十郎さんの妻として、海老蔵さんの母として、歌舞伎界の名門「成田屋」を支えてきた堀越希実子さん。お嫁さんである麻央さんとの関係などについて、作家の林真理子さんと語っていただきました。
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林:希実子さんは(小林)麻央ちゃんをテレビで見て、「こんな子がお嫁さんだったらいいな」と思ってらしたんですってね。
堀越:そうなんです。そしたら海老蔵が麻央ちゃんを連れてきたから、びっくりしました。うちに挨拶に来てから結婚までは、早かったですね。
林:私、海老蔵さんがあんな子煩悩になられるとは思いませんでした。びっくりです。
堀越:私もびっくり(笑)。自分でも言ってました。「親父はこんなに子どもの面倒を見なかっただろ? 俺、よく見ると思わない?」って。
林:このあいだ海老蔵さんのドキュメンタリー番組を見てたら、「カンカン愛しているよ」とか言ってチュッってしてましたよ。勸玄(かんげん)君って、本当に整ったきれいなお顔してますよね。
堀越:麻央ちゃんに似てますよね。睫毛(まつげ)が長くて、パタッ、パタッってするんです。お花が好きで、私が幼稚園にお迎えに行くときは、「お花屋さんに行こうか」「うん!」「おうちに植えるの、どれがいい?」って聞くと、自分で選んで家に持って帰るんです。梅雨の時期は「紫陽花が欲しい」と言って、幼稚園にお迎えに行くたびに花屋に寄って紫陽花を買ってました。だから家じゅう紫陽花だらけなの。
林:まあ、かわいい。初孫ちゃんは女の子ですよね。
堀越:麗禾(れいか)です。麗禾もなかなかのお嬢ちゃまでチュよ(笑)。
林:お嬢さんもパパっ子みたいですね。
堀越:そうなんですよ。息子が地方なんか行くときは大変です。ダッコちゃん人形みたいに足にしがみついて「行かないで」ってわんわん泣くんですよ。それで海老蔵が「わかったよ、わかったよ」って。もう儀式みたいになってます。
故・十二代目市川團十郎夫人 堀越希実子(ほりこし・きみこ)/1952年、東京都生まれ。学習院大学仏文学科卒業後、76年に十二代目市川團十郎(当時は十代目市川海老蔵)と結婚。長男は十一代目市川海老蔵、長女は三代目市川ぼたん。著書に『成田屋の食卓─團十郎が食べてきたもの─』など(撮影/写真部・堀内慶太郎)© dot. 故・十二代目市川團十郎夫人 堀越希実子(ほりこし・きみこ)/1952年、東京都生まれ。…
林:ほのぼのとします。海老蔵さんの意外な一面ですね。希実子さんはよく海老蔵さんのお宅においしいものを届けられるそうですけど、お孫さんたち、どんなものがお好きなんですか。
堀越:家に来て食べるのは、シチューとか、ロールキャベツとか。でも麗禾は納豆ご飯がいちばん好きなの。「納豆ある? あたし納豆にご飯とお味噌汁がいいの」って。
林:あら、庶民的な。おばあさまのことはなんてお呼びになるんですか。
堀越:「ナナちゃんばあば」です。ナナというのはうちで飼っているゴールデンレトリバーです。だから2人が家の前に来ると、大声で「ナーちゃんばあば~!」って呼ぶの。私はベランダに出て手を振って、「いらっしゃ~い!」とか言って。
林:目に浮かびますよ。希実子さんはおばあさまとしてご一家を見守っていらっしゃるんですね。
堀越:今は麻央ちゃんが病気なので、お芝居関係のことは全部私がやってるんです。家のことは孫のことも含めて向こうのお母さんがやってくれています。
林:麻央さん、早く元気になるといいですね。
堀越:本当に。早く治ってほしいと思います。
林:でも、先日退院されたようでホッとしてます。
堀越:食事がうまくのどを通らないらしくて、つぶしていただくんです。それが病院では難しいので、家に帰ることになったんです。体重を増やさなきゃいけないので。
林:麻央さんのブログを拝見すると、ジャーナリストの視点と詩人の心を持っているなと思いますよ。ご自分のことをよく分析しながらも、素敵なポエムのような自然描写もあって、素晴らしいです。
堀越:ありがとうございます。伝えておきます。
※週刊朝日 2017年2月24日号より抜粋