みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

KAGEROU 感想(ネタバレなし)

2010-12-21 | book
齊藤智裕さんの「KAGEROU」を読みました。

ネットでレビューを見ると、あまりの酷評ぶりにびっくり。
賞金2000万円のポプラ大賞受賞作品じゃなくて、
水嶋ヒロがペンネームで小説出しました、っていうことであれば
こんなに世間にたたかれることもなかったんじゃないかなぁと思う。
そういう意味では、水嶋ヒロがちょっと気の毒かも。
2作目もがんばってほしいです。

ということで、先入観を取り払って読むことに。
(でもどうしても、ヒロが浮かんじゃうのは仕方ないですね)
全体的に、いろいろな意味で軽い。
いい意味で言えば読みやすいし、登場人物や設定に「深み」を求めたりしなければ
エンターテイメントとして楽しめる小説だと思う
本当につまらない小説って、最初から読めないものだけど、
これは最後までするする読めました。
寒いオヤジギャグも、最初は「えっ、ヒロ?」と思ったけど、
これもラストで意味を持ったものになっているし。
悪い意味で言うと、あまりにも「死」の扱いが軽すぎ。
ホントに自殺したい人の言動には思えないし、臓器売買の取引に応じるシーンも
やたらあっさりしてるなぁという感じ。
そして読後の感想として、「結局何が言いたかったのか?」が疑問。
ヒロさんは「毎年数多くの自殺者が出ていて、それを止めたかった」というようなことを
コメントしていたけど、私は、「どうせ自殺するなら臓器提供して人の役に立ちましょう♪」って
ノリだな~という印象を受けました。
これを読んで、「自殺を思いとどまろう」という人はいないんじゃないかな。

それから、ネタバレになるので内容は書きませんが、
意味が通りにくいところが2箇所ほどありました。
状況がわからなくなって何度か読み返してしまった。
このあたりは新人なので寛容に受け止めるべきか。

あと、これは本編とは関係ないけど、
クライマックスで登場人物の名前を間違えるというものすごい誤植があり、
訂正シールが貼られているのがお茶目。
これ発見したとき、スタッフ一同真っ青になったろうな~。
そしてちまちまとシール貼り。泣けます。

余談になりますが、私はこの本をamazonで買ったんだけど、
白い表紙に黒い指のあとがべったりついていたので
amazonに交換をお願いしたら、ポプラ社に直接連絡してくれとのこと。
ポプラ社の対応はすごく良かったです。
謝罪がていねいだったし、すぐに新しい本が送られてきて、
ポプラ社オリジナルのメモ帳2冊と絵葉書3枚がついてました。


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