細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

怒りと、むなしさと、連帯感。そして再び本格論戦へ

2008-04-30 22:54:41 | 国会活動
ガソリン暫定税率が復活しました。様々な思いが交錯しています。

これだけ、物価高で国民生活が圧迫されている中で、2/3を使って強行採決する与党に「怒り」を覚えます。

一方で、議長の入場を阻止すること以外、何も出来なかった我々の現状に対する「むなしさ」を禁じえません。議長室の前でもみ合った自民党の若手議員も同じことを感じているかも知れません。

我々は出来ることはすべてしたという思いはあります。ただ、政治は結果が全て。値下げに署名いただいた皆さんには、貫徹できず、本当に申し訳なく思います。

中隊長としては失格かもしれませんが、「値下げ隊」とか「値上げ阻止隊」とか、軽々しい名前は、最後まで好きになれませんでした。残された財産は、様々な思いが交錯する中で、共に戦ってくれた若手議員との「連帯感」です。

彼らと共に、この思いをバネに、連休明けの国会では、本格論戦を挑みたいと思います。

国民は首相に問責を出した

2008-04-29 16:14:16 | 国会活動
自民候補の惜敗率は81%。仮に衆議院選挙であれば比例復活も難しい惨敗です。

山口2区の結果は、「国民は首相に問責を出した」という小沢代表のコメントに尽きます。昨日のスーパーモーニングでは「問責に値するが、問責決議案を出すかどうかは別判断」とコメントしておきましたが、国民の判断が出た以上、もはや形式にとらわれて、問責決議案の提出にこだわる必要はないでしょう。

国民の判断が出た以上、我々の役割は、国会を通じて、「道路」「後期高齢者医療」「年金」の三点セットを中心に、国会で徹底的に議論することです。

新たなスタートを切るために、ガソリン値上げを強行してくる与党に対し、どのように対応すべきか?明日の対応は、なかなか難しい。

過去から何を学ぶか

2008-04-25 14:11:06 | 国会活動
1992年のPKO国会では、牛歩と議員辞職届けを提出した社会党の戦略が不発に終わり、社会党に対する失望と新党ブームが起こりました。

1996年の住専国会では、座り込みに出た新進党は国民の支持を失い、その後の解党しました。

逆に、1998年の金融国会では、長銀などの破綻を受けて与野党の対立が高まりましたが、民主党が提案する金融再生法を政府が丸呑みして、政府は危機を回避しました。

2008年のガソリン政局は、いよいよ佳境を迎えることになります。野党の攻め時と思われる政局というのは、失敗すると大量の返り血を浴びることになります。逆に、政府と妥協をすると、政権交代のチャンスを逸することにもなります。

92年と96年の失敗の最大の原因は、国会の独善的な戦いと見られて支持を失ったことです。同じ轍を踏むことは許されません。両政局との違いは、ガソリンは国民生活に直結していることでしょうか。

衆議院での再議決でどこまで物理的抵抗をするのか、問責決議案をどうするか、一般財源化で修正案を出すのかどうか、週明けは微妙な判断を迫られます。

ここはきわめて大事な局面です。週末、私なりにじっくり考えて自分なりの結論を出したいと思います。

超党派の功罪

2008-04-23 10:12:43 | 国会活動
昨日の、トリプルヘッダー(一日に質問3回)を終え、東京事務所は小休止です。

そんな中、今日は、偶然にも超党派の議員活動が3つ重なりました。

朝一は、河野太郎議員、馬淵澄夫議員などとやってきた国会改革の勉強会(正式名称はありません。中央公論に論文を発表したメンバーです)の打合せ。議員立法、党議拘束の議論で大いに盛り上がりました。議論の様子は、憲法記念日の10時過ぎからのNHKの番組で一部放映される予定です。

この後、予定されているのが、「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」の総会です。有事法制、国民保護法制、海洋基本法などを与野党で協力して制定することにつながった実績のある議連なのですが、ここしばらく休眠状態が続いていました。民主党の共同代表は前原誠司議員、私も幹事の一員ですので、外せない会合です。

午後には、「せんたく」の国会改革の分科会の初会合が開かれます。「せんたく」の民主党の共同代表は野田佳彦議員です。私は、「せんたく」の下に置かれた分科会の民主党の副代表?ということになりそうです。さて、こちらはどんな議論になりますやら。

こうやって書き連ねると、「さあ、政界再編か?」とすぐ騒がれてしまうのですが、私自身は、むしろ逆だと思っています。国会がねじれているからこそ、どういった分野で、どうやって建設的な議論が出来るかを考えることには大きな意味があります。

補選は補選。政局は政局。どんな状況でも議論しなければならない課題はあるはずです。この状況下で成果を出すのは至難の業ですが、このマインドだけは失いたくないと思います。

ネット社会のあり方

2008-04-20 00:02:51 | 映画
先日、久々に映画館に足を運びました。特段、狙った映画があったわけではなかったものですから、その場で目に留まった「ブラックサイト」を見ることにしました。

元々、ホラーは趣味ではないので、目を覆いたくなる場面もありました。ただ、ネット社会の闇の深さを抉り出す洞察力には、実に凄みがありました。

映画の中では、社会の歪みの中で、孤独感に苛まれる一人の若者が最悪のネット犯罪に手を染めます。共犯者は、世界中のネットユーザーです。動画が主流を占めつつあるネット社会だけに、もしかしたら・・・と思わす展開です。ネット社会と平行して、視聴率至上主義のテレビの弊害も抉り出しています。

映画を見て、果たしてあるべきネット社会の姿とは何なのか考えさせられました。

例は異なりますが、児童ポルノを規制することには、私は大賛成です。ただし、規制したところで、ネット上で無限に広がる児童ポルノを実際に取り締まれるのかという問題が残ります。それでも、一罰百戒で被害が減るのであれば、やる価値はあります。

これまでネット社会に対する規制強化には消極的であった私ですが、立ち止まって考えるべき時期が来ているようにも思えます。鍵は、国際社会の連携とサーバー管理の確立でしょうか?


映画の中では、FBIの女性捜査官と犯人の壮絶な戦いが繰り広げられます。最近、わが国で頻発している動機不明の愉快犯かと思いきや、犯人には明確な動機が存在していることが終盤で明らかになります。それだけが、この映画の唯一の救いでしょうか。

皆さんに是非見てもらいたいと思う映画ではありませんが、ネット社会のあり方に関心のある方は、一見の価値があるかも知れません。

負けられない戦い

2008-04-12 23:53:54 | 国会活動
山口の補欠選挙と後期高齢者医療の保険料徴収は、偶然、4月15日に重なりました。4月27日の投票日まで、国会と平行して、山口での戦いが行われています。

2年前、千葉7区の補選で離陸した小沢民主党が、更なる飛躍を果たすことが出来るかどうか。ガソリン政局に決定的な影響を及ぼします。

私も昨日、山口に行ってきました。山口2区の親戚や知人などに、支援のお願いに回ってみましたが、民主党に追い風が来ているとは感じることが出来ませんでした。

皆さん、「平岡さんは知っている・・・」と前置きしつつ、
「最近の民主党は反対ばかりしている」
「福田政権の政策に問題があるのは分かるが、民主党の考え方が分からない」
「日銀の人事で対案を出さなかったのはなぜか」などなど

果ては、「党首討論を見ていると、福田さんが可哀想だった」という話まで出てきました。

一国の総理が、国会討論の場で、自分のことを「可哀想」というのは、私はあまりに情けないと思うのですが・・・。

私なりに、日銀問題や国会運営については、必死の説明を試みてきました。直接話せた人は思い直してくれたと信じたいところですが、どこまでそれが波及するかどうか。不安は残ります

道路や日銀を説明するよりはるかに効果があったのが、いわゆる「後期高齢者医療」でした。お年寄りと話す時に、もしくはお年寄りが家族にいそうな方に「ところで、選挙の告示日に後期高齢者医療制度の保険料の徴収が始まりますが・・・」と話しかけると、皆さん表情が一変します。

ここ数年の年金給付や介護保険料、増税に対する不満、そして将来に対する不安が、多くの方の口からら矢継ぎ早に飛び出してきます。皆さん、相当の危機感です。

山口に行って確信しました。補選の争点は、「消えた年金・医療・ガソリン」の3点セットです。この3つの課題で、民主党が前向きの提案をしていることさえ、山口2区の有権者に理解してもらえれば、結果は出るでしょう。

少なくとももう一度、山口には入りたいと思っています。

読めない政局を読む

2008-04-08 21:32:02 | 国会活動
永田町は、にわかに騒がしくなっています。

小泉前総理の「何とかという風」発言が震源となっています。その場にいた古賀選対委員長が小泉発言に応じたことが騒ぎを大きくしています。永田町の住人は、解散を巡る発言には、極めて敏感です。

ここからの政局を見通すのは極めて困難ですが、福田政権に立ちはだかる関門の数々を整理してみます。

4.15 後期高齢者医療制度(通称 長寿医療制度?)の保険料徴収開始
4.27 山口補選投票日
4.29 暫定税率復活の衆議院2/3再議決が可能に
4.30 自動車重量税の暫定税率期限切れ
5.12 道路特定財源復活の衆議院2/3再議決が可能に

「再議決は一度にまとめて」という意見も出ていますが、5月中旬以降に再議決するのは、2つの理由で無理があります。

まず、自動車重量税の問題です。暫定税率が復活しない限り、4月末で自動車重量税の暫定税率が切れますので、新車の登録と車検が5月に殺到する可能性が大です。

第二に、ユーザーの反発です。ガソリン値下げからわずか一週間しか経っていませんが、すでにユーザーは安いガソリンに慣れてきています。5月半ばまで引っ張ると、増税に対するユーザーの怒りが爆発することは確実です。

重量税の混乱を避けるためには、暫定税率の再議決を4月30日(29日は旗日)にするしかありません。4.15ショックと山口補選を乗り切って、4月30日に2/3を使ったと仮定しましょう。ここからが更に難関です。

福田総理は、5月半ばにもう一度2/3を使わなければなりません。総理自身が21年度からの一般財源化を明言している以上、10年間にわたって道路特定財源の維持を規定している法案を可決するのは、理論的にも難しい。与党内で造反者が出る可能性は高まります。

現状を冷静に見て、ここまで福田総理の体力が残っているとは思えません。


長々と書きましたが、その前に日銀総裁人事があります。総裁が白川氏に決まるのは朗報ですが、渡辺副総裁については不同意の方針が出たようです。

我々は道路で自民党を追い詰めました。ここで民主党がごたつくわけにはいきません。参議院の皆さんの大局的判断を信じたいと思います。

大将戦

2008-04-06 21:49:05 | 国会活動
いよいよ福田政権が追い込まれつつあります。共同通信の世論調査によると、政権支持率は26.6%。安倍政権の末期と同水準にまで落ち込みました。

失効している揮発油税などの暫定税率の復活に対しては、「反対」が64.4%を占めました。この状況下で、4月末に再議決するのは至難の業です。

水曜日には、党首討論があります。大将戦で、ガソリン問題でどちらに軍配が上がるか注目されます。このところのテレビ出演で冴えを見せている小沢代表の乾坤一擲の勝負に期待が高まります。

古紙も値上がり

2008-04-04 20:57:27 | 地元
今日は本会議を終えて、早々に地元に帰ってきました。

写真は、今日、訪問した地元の王子製紙富士工場の中の、古紙の山です。ものすごい量にも圧倒されましたが、新聞、雑誌、牛乳パックなど、種類別に整然と積み重なっている姿は、古紙というイメージからは程遠いものでした。

富士工場は、古紙100%をほぼ達成しています。ノウハウは相当蓄積されているはずなのですが、それでも、最近では古紙の回収に苦労しているそうです。価格が3倍に上がったというのですから、無理もありません。

価格高騰の原因は、中国の古紙需要の高まりです。中国国内では、紙の需要も高まっていますので、はるばる日本から持っていかずに、中国国内で古紙回収のシステムを整備してもらいたいものです。日中の官民協力で、何らか仕組みをつくれないものか、考えてみたいと思います。

製紙業界にとってもう一つ悩ましい問題が環境税です。このところ、洞爺湖サミットを前に、環境税の議論が静かな高まりを見せています。非常に悩ましい問題ではありますが、事業者のこれまでの努力を生かすかたちで、何らかの仕組みを考えるべき時期が来ているように思います。


話と飛んで国会です。本会議では連日、政府提出法案が成立しています。思いやり予算などの一部の例外を除き、民主党は賛成。

年間成立する150本程度の法案のうち、民主党が8割程度の法案に賛成しています。争いを好むマスコミの性か?民主党のPR不足か?この数字を紹介すると、多くの人がビックリします。


先日、ガソリン問題のエントリーで、大事なことを書き忘れていました。

一般にはほとんど知られていませんが、道路特定財源はすでに廃止され、一般財源化されています。福田総理が、衆議院の2/3を使って、道路整備財源特例法3条1項の延長についても再議決することになると、「21年度からの一般財源化」を自ら否定することになります。福田総理のやろうとしていることは、「道路特定財源の復活」に他なりません。

一般財源化を巡って自民党内が騒がしくなっていますが、皆さんに、この辺をしっかり考えてもらいたいものです。

倒幕か公武合体か

2008-04-02 18:11:43 | 国会活動
4月がやってきました。昨日は、地元の様子が知りたくて帰ったところ、ガソリンの店頭価格を130円前後まで下げているスタンドが目につきました。午前中はガソリン渋滞も見られたようですが、私が地元に帰った夕方はおおむね落ち着いていました。客で賑わうスタンドを横目に、値段を掲示していない(おそらく値下げしていない)スタンドが閑散としていたのは気になりましたが・・・。

民主党は、
1.ガソリン税の一般財源化
2.暫定税率の撤廃
で妥協をせずに突っ走ってきました。

与党は当初、「道路特定財源維持、暫定税率継続」の方針でしたが、福田総理は、本気度はさておき、民主党の主張を一部飲み込んで、来年度、道路特定財源を一般財源化する妥協を余儀なくされました。ガソリンを巡るチキンレースには、民主党の完全勝利に終わりました。

チキンレースには勝ちましたが、民主党には冷ややかな目が注がれています。「何でもノーの民主党」というイメージは、国民の間でかなり浸透しているようです。新聞各紙でも地元でも、話し合いに応じるべきとの声があちこちから聞こえてきます。

率直に言って、今の民主党の姿は私のイメージとは異なります。我々にも迷いはあります。しかし、ここは踏ん張りどころではないかと私は考えています。

歴史好きの長島昭久議員が興味深い例えを使っていました。「倒幕」に突き進んだ幕末、一時期、幕府側に立つ諸侯の間から「公武合体」が浮上しました。「公武合体」とは、朝廷を立てつつ幕政改革を進める立場で、幕府の存続を前提とするものです。「道路」は自民党政治そのものです。自民党側についている知事(現代の諸侯)が、話し合いを主張しているのも興味深い一致です。

この構図を崩すのか、崩さないのか。問われているのはそこです。改革の先延ばしを提案した福田総理、そして道路利権にしがみつく自民党と妥協することは、「政権交代」を放棄することになりかねません。

福田総理は、来年度からの一般財源化を主張する一方で、10年にわたって暫定税率を維持する法案の衆議院での再議決を示唆しています。暫定税率は、道路建設の必要性(という建前)から設けられたものですから、一般財源化された時点で根拠を失います。福田総理は、言っていることとやっていることが矛盾しています。総理の提案を眉唾だと感じるのは、そのためです。

福田総理はここへ来てにわかに環境問題を強調しています。私も環境税の議論は必要だと考えますが、ガスや電気を含めた課税のあり方を検討すべきでしょう。

むしろ、今考えるべきは国民の生活です。食料品をはじめとした生活必需品は大幅に値上がりしています。4月半ばにはお年寄りの医療保険の負担も上がります。暫定税率の撤廃は、現段階で考えうる唯一の景気対策という面があります。

20年度がスタートしましたので、一般財源化は21年度からとなります。この点では、福田政権と民主党の主張は重なります。焦点は、福田総理が暫定税率にどこまで踏み込むかに絞られました。暫定税率に手をつけるようであれば民主党との話し合いの余地が出てきます。だだし、それは自民党が崩壊する時かも知れません。

政権交代と国民生活をかけた戦いは、今しばらく続きます。