細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

田んぼの草取り

2008-06-29 11:00:20 | 地元
予想したこととは言え、国会が閉じると、野党議員の発言がメディアで取り上げられる機会は激減します。

拉致問題でも、財政問題でも、取り上げられるのは政府与党の話題ばかり。野党担当記者は、失業状態に追い込まれています。

ここはジタバタしても始まりません。代表の言葉を借りれば、実りの秋のために「田んぼの草取り」です。

8年間の感謝を込めて

2008-06-25 09:37:37 | 地元
今日、6月25日は私が初当選した日です。8年という月日は懐かしがるほどのものではありませんが、毎年この日になると、ここまで支えて頂いた皆さんに対する感謝の想いが去来します。

街頭演説500回。後援会訪問5000件を宣言して以来、実行できたのは街頭69回、訪問445件。まだまだです。

地元活動に専念出来るのは久々です。今年の梅雨の雨の多さには閉口しますが、この時期はやむを得ないでしょう。多くの皆さんとの出会いを求め、今日も前進です。

通常国会終了

2008-06-21 00:43:04 | 国会活動
昨年の10月の臨時国会開会から、ほぼ休みなく9ヶ月にわたった超ロングラン国会が幕を閉じました。

年が明けてからの通常国会は、道路政局に始まり、後期高齢者医療制度の是非まで、与野党の激しいやり取りがニュースになってきましたが、国会を終えた私の実感は少し違います。

通常国会中に成立した法律の数は、内閣提出法案67本に対して、議員立法17本。例年、議員立法は内閣提出法案の一割程度ですので、今国会の数は異例の多さです。内閣提出法案も、重要なものはほとんど国会で修正後に成立しました。

これまで、与党の事前審査を経て国会に提出される法案が国会で修正されることは、ほとんどありませんでした。国会審議は通過儀礼と化し、与党は法案を早期に成立させることに専念し、野党はそれを阻止することに力を注いできました。問題点を指摘しても修正されない法案審議は、空しさがつきまといました。

ねじれ国会の成果として、官僚機構に隠されてきた情報の公開ばかりが指摘されますが、私はもう一つの大きな成果として、国会の審議の充実を挙げたいと思います。与野党ともに、若手議員の活躍の場面が増えてことは、大きな変化です。

私自身は、農水委員会で議論された鳥獣被害防止法、長年取り組んできた宇宙基本法、側面から国家公務員法とハンセン病問題解決法の制定に関わりました。

会期が終了した今日から、メディアで報道されない国会の変化を地元の皆さんに知らせるべく、街に出ます。

制海権を巡る攻防

2008-06-18 20:29:30 | 外交
東シナ海のガス田交渉が妥結しました。総括すると、包括合意には程遠いものの、問題解決に向けた光明は見えた合意内容です。

注目された白樺(中国名・春暁)については、日本側の出資が確定しました。中国国内法に基づき、中国法人に対して日本が出資するということですので、対等な共同開発とは言えません。出資の仕方や収益の配分方法などで、日本政府には宿題が残りました。

対照的に、共同開発の明確な対象となったのが翌檜(あすなろ)(同・龍井)周辺の日中中間線にまたがる海域です。交渉途上で様々な海域が議論されたようですが、最後に翌檜が残ったのは、少々意外でした。

合意対象外のガス田や、周辺海域の取り扱いは継続協議となりました。排他的経済水域の確定も先延ばしです。日本側の主張が通ったと手放しに喜ぶ気にはなれません。

ただし、中間線をまたぐ海域で共同開発が決まったことで、日本が主張してきた中間線が既成事実化する可能性が出てきました。その意味では、翌檜を合意対象に加えたのは外交的にはヒットでした。

一昨日も書きましたが、東シナ海のガス田問題は、制海権を巡る攻防です。この海域の重要性を考えると、中間線はわが国にとって文字通り譲れない一線です。


今後の課題は二つ。

第一に、中間線に隣接した日本側の海域で、白樺とパラレルに日本の国内法に基づいて、日本法人による資源開発を行うことです。中国側に出資の意思があれば、それに応じるべきでしょう。

日本側には、帝国石油によって申請され、30年にわたって放置された末にようやく許可が下りた試掘権の設定された海域があります。わが国は、虎の子の試掘権を生かすことを考えるべきです。よもや経済産業大臣が、試掘権の設定を取り消すようなことがないよう、目を光らせていきたいと思っています。

第二に、中間線から日本側に入った海域の権益を確保することです。今回の合意成立直後に資源確保というわけにはいきませんが、調査船による調査・探査は加速させる必要があります。この海域においても、すでに中国側に先んじられていることを我々は肝に銘じるべきです。

国際社会では、ルールの範囲内で行動したものに果実がもたらされます。特に、海洋や宇宙のように国際法の確立していない領域においては、この傾向は顕著です。


東シナ海に関連して気になっているのが尖閣諸島の問題です。

台湾では、国民党による政権交代が実現し、ナショナリズムが高まっています。釣り船の問題が領土問題に発展している現状は、極めて危険です。尖閣諸島の問題で、馬英九政権が中国と共同戦線を張るようなことがあれば、ガス田どころの騒ぎではなくなってしまいます。

この問題は、改めて書くことにします。

東シナ海ガス田合意で何が起こるか

2008-06-16 22:44:21 | 外交
東シナ海のガス田問題が、日中間で合意と報道されています。事実だとすれば、日中外交の大ニュースです。

この種の外交問題、特に日中関係は、報道に左右される面もありますので、現時点でこれを鵜呑みにするわけにはいきません。ガス田問題に関わって以来、必要性を感じた時にメッセージを発信し、時として沈黙を守ってきただけに、今の時点で多くを語りたいとは思いません。この局面で言えることは二つ。

第一に、「白樺」(中国名・春暁)抜きの合意はありえないということです。このことは予算委員会でも主張しました。この点については、今回の合意は最低限の条件をクリヤーしているように見えます。

ただし、日本側が出資する費用と得られる権益のバランス次第では、金でメンツを買ったと批判される可能性があります。ちなみに、私はこの見方には必ずしも賛成できません。東シナ海のガス田は、日中間の資源問題という側面以上に、制海権を巡る問題という面があるからです。


もう一つの注目点は、日中の排他的経済水域の境界が棚上げられのかどうかということです。

共同開発の対象とされる中間線付近を棚上げして、その東西で排他的経済水域が確定するのであれば、この問題に関する日中間の争いは全面解決に向かいます。

仮に、排他的経済水域の境界が全面的に棚上げされるということになると、東シナ海が秩序なき争いの海となる可能性があります。

「排他的経済水域」においては、その名の通り、他国の調査船や潜水艦の行動は沿岸国から制約を受けます。全面棚上げの意味するところは、日本の近海から中国の近海まで東シナ海全体までの広い海域で、日中双方の調査船および潜水艦が制約を受けずに行動できるということです。

これまで、良くも悪くも辛うじて東シナ海の秩序を規定してきた日中口上書はどうなるのか?これまで無関心を貫いてきた米国が、東シナ海の新秩序の確立にどこまで関心を持つのか?不確定な要因をあげれば切がありません。

いずれにしても、東シナ海で新たな秩序を模索するということになれば、わが国の海洋国家としての本気度と外交力が厳しく問われることになります。

一輪車総理

2008-06-11 16:31:04 | 国会活動
間もなく、参議院で福田総理の問責決議案が可決されます。現憲法下では初めての歴史的出来事です。

憲法で規定されている衆議院の内閣不信任案と異なり、参議院の問責決議案は拘束力がないという議論がありますが、そんな軽いものではありません。

憲法第66条には「内閣は、行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負う」とあります。国会を構成するのは衆議院と参議院の二院ですので、国会の半分に対して連帯して責任を負うことの出来ない福田政権は、憲法上行政権を行使するには、疑義のある存在になったわけです。

「今、選挙をやっても負けるから解散しない」という自民党の理屈は、あまりにも無責任です。これまで自転車操業を続けてきた自民党ですが、ついに一輪車総理を担ぐに至り、今日から国会は未曾有の状況に突入します。

ロマンと国益

2008-06-10 12:35:46 | 国会活動
昨日、筑波のJAXAを視察してきました。宇宙基本法の成立を受けて、超党派のワーキングチームが発足しており、その活動の一環です。

写真は、中国の四川、ミャンマーの大災害で貴重な情報を提供したとされる陸域観測技術衛星、だいちの模型です。写真の腕の問題で、全体像が捉えきれていませんが、JAXAのサイトから見ると、太陽電池パドルを伸ばしている勇姿を見ることが出来ます。

私が注目しているひとつに、宇宙太陽光発電があります。国内の太陽光発電を含め、この分野では、日本は最先端を行っています。宇宙空間で太陽光をキャッチし、地球に送ることが出来れば(大きな技術革新が必要ですが)、地球上のエネルギーを100%供給することが出来ます。エネルギー問題に代表されるように、今や宇宙開発は国益そのものです。

元々、国益の観点から宇宙開発に関心を持つようになった私ですが、筑波に行って、ロマンの大切さを再認識しました。宇宙ステーションの実験棟「きぼう」で作業する星出飛行士の活躍、月周回衛星「かぐや」の映像など、宇宙開発はロマンにあふれています。国民の税金を投入する以上、ロマンも大切です。

わが国の宇宙開発に必要なのは、ロマンと国益のバランスかも知れません。

「接待タクシー」を考える

2008-06-06 23:54:33 | 国会活動
接待タクシーが浮上しています。いつもながら、長妻さんには頭が下がります。

何人かの記者さんから、「長妻さんは、なぜ、あんなに新しい問題を発掘できるんですか?」と聞かれました。長妻さんの活躍を8年間にわたって身近で見てきた私に言わせれば、理由は極めてシンプルです。

長妻さんを突き動かしているのは、第一に「使命感」。長妻さんとは、これまで何度か税金の無駄遣いを一緒に追求してきましたが、納税者の立場に立つという使命感は群を抜いています。

第二に「執着心」。今回のタクシー問題も、国土交通省の地方整備局のタクシーの浪費がすでに問題になっていましたので、端緒はあったわけです。道路政局が一段落した時点で、私を含めて多くの議員が他の問題に移りました。その中で、長妻さんは、引き続いてタクシー問題を追っかけていたわけです。


長妻さん評はこれぐらいにして、接待タクシーに関する私の感想です。

深夜まで仕事をしている官僚の皆さんが、タクシーで帰らなければならないのは、気の毒です。確かに彼らは忙しい。

もちろん、金品を受け取るのは、どう考えてもまずいです。ただ、日頃の彼らの仕事ぶりを見ていると、お茶をもらったことを正直に報告した人を断じる気にはなりません。個人的な感想ですが・・・。

より本質的な問題は、なぜこんなに残業が多いかということです。特に国会開会中に残業が多いというのは、我々も見過ごすわけにはいきません。若手官僚のオーバーワークが分かっているだけに、私は質問通告を夕方には出すようにしています。

逆に、役所に要求している資料が質問前日の夜中になって出でくることが結構あります。そうなると、夜の会合から議員会館に戻り、深夜まで追加作業をすることになります。通告自体がある意味、駆け引きの手段となっている面があることは事実です。

私は、こういった事前の駆け引きをそろそろやめた方が良いだろうと思っています。官僚が書く答弁書が細かければ細かいほど、質問のダイナミズムは失われます。事実関係を事前に調査しておくことは必要ですが、官僚が念には念を入れると、異常に前置きの長い答弁書が出来上がったり、「更問」(質問者が更に突っ込んで質問すること)に対する答弁書まであると、議論が深まりにくくなります。

議員が大局的な質問を行い、大臣が政治判断をするというのが本来の国会の姿のはずです。これをきっかけに、官僚の振り付けに従って政治家が演じる芝居ではなく、政治家同士の真剣勝負の場所に、国会を変えたいものです。

他山の石か?

2008-06-04 08:24:08 | 外交
米国では、民主党のヒラリー氏が撤退の決断を迫られています。オバマ氏との予備選挙は決着し、民主党内の結束をどうやって取り戻すかが注目されています。

歴史的大接戦となった民主党の予備選挙。共和党の予備選が早々に決着したため、当初はどちらが勝っても民主党優位という評価でした。

ところが、予備選挙が白熱するにしたがって中傷合戦が激化し、今となっては共和党との本戦で民主党の結束が図れるか、危ぶむ声が大勢です。共和党のマケイン氏優位との評判も聞こえてきます。


私には、米国の大統領選挙が他人事とは思えません。

我々民主党も9月に代表選挙を控えています。言うまでもありませんが、本当の勝負は、次期総選挙。党内の結束が乱れて、自民党を利するなら、代表選挙を行う意味はありません。

一方で、2年に一回の代表選挙は、民主党の政策や党運営のあり方を党員サポーター、ひいてはメディアを通じてすべての国民に問いかける絶好の機会です。白熱した論争を行った後に、結束を固めることが出来れば、民主党にとって大きなチャンスにもなりえます。

この判断には、民主党の将来、そして政権交代の可能性がかかっているだけに、実に難しい。もちろん、小沢代表に挑戦できる迫力のある候補者が登場しなければ話になりませんが・・・。