細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

NPO法人吉里吉里国

2012-04-30 20:38:26 | 国会活動

「50年前に、孫の代のことを思って植えた人で、津波で亡くなった人もいる。立派に育った木を無駄にすることはできない」


大槌町のNPO吉里吉里国で、久しぶりに、芳賀正彦理事長に会ってきました。我々が集めた木の枝は、工芸品や芳香剤に使えるとのこと。

孫の代には、昔の海を取り戻す。芳賀さんの言葉には、魂が入っています。

人力と馬で森を再生する。芳賀さん達の活動を見ていると、ゆっくりではあるけれど、着実に、吉里吉里は復興への道を歩んでいると感じます。

帰り間際、霧が晴れて、海岸沿いのガレキの山が目に入りました。芳賀さんの表情が曇り、「被災してから2週間は生きるのに精一杯。1ヶ月は行方不明者の捜索で精一杯。その後、ガレキがあることに気がついた。今の方が、ガレキが気になる」

被災地では、今もガレキとの格闘が続いています。


午前中、ガレキが埋められた丘の上に木を植えるプロジェクトが行われました。量は限られますが、ガレキを生かす取り組みとしては、大きな一歩です。

参加して下さった大槌町の婦人会の皆さんは、本当に明るかった。ただ、津波に触れたら、「何もかもなくなった…」と小さく一言。自分の無神経さを恥じました。

会場を盛り上げてくれた大槌高校の吹奏楽部の演奏は秀逸でした。特に、「川の流れのように」を歌った男の子は、声量もあって、良かった。楽しそうに歌う表情は、集まった人たちの気持ちをなごませました。彼も親を亡くしたそうです。この一年、彼が乗り越えてきたものの大きさを感じました。

満開の桜は、本当にきれいでした。みんなで植えた木が、桜と調和する景色の一部となるときには、傷が癒えていることを願ってやみません。

釜石市では、老朽化した焼却炉を再稼働していました。みんな頑張っています。被災地の努力に、政治が応えなければなりません。

もうすぐ、私の地元、静岡県が大槌のガレキの処理に乗り出します。ようやく、ここまで来ました。

傍観者でいるのではなく、被災地と向き合うことで、私たちは何かを得ることができるはずです。


芳賀さんからもらった木工資材。大事に使わせてもらいます。ありがとうございました。


環境省自然保護官 レンジャーの仕事

2012-04-23 22:05:22 | 国会活動

トキのヒナの誕生は、私にとって久々に嬉しいニュースでした。野生での繁殖は36年ぶりというのですから、快挙です。新潟県、佐渡市、そして、トキを提供してくれた中国の関係者の献身的な協力の結果です。

日中国交正常化40周年に、成果が出たのも因縁でしょう。ささやかなものかも知れませんが、復興元年の2012年、被災者を勇気づけることにもなればと、願っています。

そういえば、今日、訪問した達増岩手県知事の部屋のテーブルに、"sure to rise"と大きく書かれたマットがひかれていました。地震に襲われたニュージーランドのクライストチャーチで使われたキャッチフレーズで、今回の災害に対するお見舞いで贈られたものだそうです。「復興、間違いなし!」といったところでしょうか?日本語の「がんばろう!」というスローガンもいいですが、口に出すことで現実を引き寄せる「言霊」の力を利用するのも、良いかも知れません。

 

話を元に戻します。聞くと、トキの保護に税金を使うことを疑問視する声があるそうです。子供の時に琵琶湖の生態の激変を目の当たりにした経験から、私は生物多様性こそ根源的な環境問題と捉えています。また、こうした問題に真摯に取り組めてこそ文明国と言えると思うのです。

トキの繁殖は環境省の仕事なのですが、中でも、自然保護官(通称、レンジャー!写真は、彼らのユニフォームを着た私)と呼ばれる職員が、生物多様性の問題や、自然公園の保護に取り組んでいます。素晴らしい能力と情熱を兼ね備えたプロ集団です。これを機会に、皆さんに彼らの活動を是非とも知ってもらいたいと思います。

先ほど入った報告によると、ヒナは3羽。天敵に襲われないだろうか?若い親がちゃんと餌を運んでくれるだろうか?心配は尽きませんが、"sure to succeed"の願いを込めて、見守りたいと思います。


原子力規制庁

2012-04-21 17:00:53 | 国会活動

自民党、公明党の対案が提出され、原子力規制庁の法案審議の環境が整いました。時間はかかりましたが、対案が提出されたことを歓迎したいと思います。新しい規制機関を一日も早く発足させるためにも、謙虚に、そして柔軟に対応したいと思っています。

政府案と対案の違いは独立性にあると言われていますが、昨年の事故を経験した私としては、危機管理のあり方が最も気になっています。政府案の肝であるバックフィット、シビアアクシデントの法制化、40年運転制限の導入が抜けているのも気がかりです。

これらの違いは、国会審議を通じて乗り越えられると思うのですが、問題は自民党が審議拒否に出ていることです。国民から見ても、国際的に見ても、原子力規制を現状のまま放置することは出来ません。我々も、野党時代に何度も審議拒否をしただけに一概に悪いとは言いにくいのですが、何とか出てきてもらいたいところです。


原発事故の戦友たち

2012-04-08 22:40:16 | 国会活動

経産省、警察庁、国交省、財務省、外務省。そして環境省。3.11以来、共に戦ってくれた秘書官です。今晩は、慰労の意味を込めて、家族を交えた懇親会を行いました。

彼らの中には、年度が変わり、元の省庁に戻ったメンバーもいますが、不眠不休で災害対応にあたった彼らとの関係は変わりません。

野党時代。与党議員として党務にあたった時期。補佐官から閣僚へ。官僚との付き合いは深くなってきました。彼らがいなければ、私は閣僚として何も仕事をすることはできませんでした。

信頼して、共にことにあたれば、彼らは懸命に応えてくれます。そして、時にぶつかり合い、悩みながらも、省益を越えて国民のために行動してくれます。

政治主導か官僚主導かという議論にどれほどの意味があるんだろうかと、最近、考えることがあります。政治家と官僚が力を合わせなければ、国家は運営できません。大切なことは、決断し責任を取るという政治家の役割を我々が忘れないことでしょう。


新年度

2012-04-02 21:51:34 | 国会活動

新年度、環境省に入省した職員の前で話をしました。予算委員会の合間の慌しい時間でしたので、どこまで伝わったか自信はありませんが、私が言いたかったことは二つ。

一つは、環境省の職員である前に、国民に奉仕する国家公務員であること。彼らには、国益よりも省益に陥るような官僚にはなってもらいたくありません。

二つ目に、環境省の職員として、辛いことも乗り越えて欲しいということ。環境省が直面するガレキ処理、除染、原子力、福島の方々の健康管理。どれをとっても、大変な仕事ばかりです。厳しい批判を受けるのは避けられませんが、やりきれば、官僚冥利に尽きる仕事です。

私が社会に出たのは、17年前。阪神淡路大震災後の騒然とした時期でした。私も、何か世の中に役に立たねばと、気持ちを振い立たせていました。3.11以降に、公務員になることを決意した彼らであれば、きっと、乗り越えてくれるはずです。

福島県では、ついに避難区域の一部が解除されました。新年度、気持ちを新たに、被災地のために、私自身が先頭に立たねばなりません!