細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

政党・政治家の足腰

2009-11-21 16:17:42 | 地元
国会が大騒ぎになる中、連日、各種団体や首長から要望を受ける日々が続いています。企業団体対策委員長、組織委員長、そして陳情を総括する副幹事長を兼務すると、個人で使える時間はほとんどありません。

地元に帰った今日も、朝一で、野球大会の開会式に出席した後、地元の首長の皆さんとの政策懇談会、団体からの要望を3件受け、夜も某団体との意見交換会に出席するために、これから静岡市に向かいます。

当然ですが、政策を変えると、誰かが得をし、多くの場合、誰かが損をします。与党にとって、各種団体と付き合い、陳情を受けながら、限られた財源の中で政策を実現するのは、微妙なバランス感覚が求められます。与党議員として、ある意味での政治の本質と初めて向き合っていると言っても良いかも知れません。

各種団体や首長との付き合いを深めることは、私にとっても、民主党にとってもプラスでしょう。ただし、選挙で最も頼りになるのは、どんな風が吹いても共に戦ってくれる個人後援会であることを我々は郵政選挙で知っています。与党になって、そのことを見失うと足をすくわれかねません。

時間の制約は格段に大きくなりました。しかし、今こそ、個人後援会を強化しつつ、各種団体と付き合うことで、政治家としての本当に強い足腰をつくるチャンスです。

日米首脳会談

2009-11-14 22:03:09 | 外交

オバマ大統領の演説の「凄さ」について書きましたが、外交的にも少々、私なりの論評をしておきたいと思います。

まず、東アジア共同体について。

オバマ大統領は、首脳会談で「関与」する意思を示したようです。鳩山総理は、東アジア共同体を排他的なものにはしないと明言しています。私も米国に対して開かれた共同体ではあるべきだと思いますが、地理的な概念の「東アジア」に米国は入りようがありません。NAFTAに日本が立候補しようが入りようがないのと同様です。

かつて、何度となく同様の論争は繰り広げられてきました。東アジア共同体が扱うべきテーマは、エネルギー・食糧・環境など。特に、エネルギーと食糧の共同管理・備蓄は現実的な検討課題です。そのことを考えると、環太平洋はいかにも広すぎます。このあたりをどう乗り越るか。

二つ目に中国について。

オバマ大統領は、中国の台頭を正面から歓迎しました。中国の封じ込めはしないという主張は、米国、特に民主党が従来から発してきたものです。今日の演説の中で、婉曲的に人権については言及しましたが、訪中して、オバマ大統領が人権や軍事力の拡大について、ひとことあるかどうか。

我が国には、「日米同盟を強化しない限り、米国は中国に走るぞ」という論調があります。もはや、この手の議論は通用しないということでしょう。

今回の首脳会談で、一年をかけて日米同盟を再検証することが決まりました。我々は、これをチャンスと捉えるべきです。


オバマ大統領の演説

2009-11-14 16:14:26 | 外交

事前に言われていた通り、8時45分に入場した私は、前から3列目という好位置に案内されました。演説の名手であるオバマ大統領の姿と声を近くで聞けそうです。菅副総理、亀井大臣など閣僚も続々と席につき、9時には、ほぼ席が埋まりました。

演説が始まるのは10時過ぎ。超多忙の閣僚をこれだけ待たせることができるのは、天皇陛下と米大統領ぐらいでしょう。警備上の理由ですから、仕方がありませんが・・・。その分、隣になった白川日銀総裁やら、話をしたいと思いながら電話をためらってきた大臣・副大臣と情報交換ができたのは収穫でした。

オバマ大統領が登場すると、フラッシュの嵐。私の周りにも、携帯で撮影している人がたくさんいます。せっかくだからと、携帯のカメラを構えたものの、慣れないものでズームの仕方が分からず、画像はイマイチ。ちなみに、後頭部は亀井大臣、左の端にわずかに髪の毛が映っているのは、キューちゃんこと高橋尚子さんです。


さて、オバマ大統領の演説に戻ります。

私が注目したのは、大統領がどの程度アドリブを入れるのかということです。

「大仏と抹茶アイス」のエピソードで聴衆の心を捉えてから、本題である日米関係の重要性に言及します。時より、プロンプターに目をやるものの、聴衆を見渡しながら、余裕の表情で演説を続けています。

アドリブも多少は入っているのでしょうが、中米関係や北朝鮮問題など、微妙な問題にも的確に言及しているところところをみると、演説原稿がほぼ、頭に入っていると見てよさそうです。

中国の台頭をチャンスと捉えるべきと言及しつつ、人権を大切にすることが経済を強くすると日本を持ち上げるあたりの表現のバランスは、憎いばかりです。北朝鮮への厳しい表現からは、日本の世論への配慮が垣間見えます。

卓越した頭脳と聴衆をつかむ言葉の力を持つ大統領と、スピーカーの個性を知り尽くしたスピーチライター。演説は「米国初の太平洋大統領」で終わりました。スタンディングオベーションは、決して外交辞令ではありませんでした。

配られたプロフィールをみると、オバマ大統領の生まれは1961年。私とは10歳しか変わりません。すごい政治家が現れたものだと、唸りながら会場を後にしました。


陳情から要望へ

2009-11-08 23:40:32 | 国会活動
陳情の一元化が、話題になっています。

地方からのもの、団体からのもの、陳情は様々なところから来ます。これまでは、知事や市町村長、団体の役員の皆さんが、上京して中央省庁に陳情して来ました。

これを地方からのものは、民主党の都道府県連で、団体のものは組織委員会で受け、幹事長室で一元的に扱うこととなります。

こうしたシステムを導入する理由は四つ

第一に、政官業の癒着からの脱却です。陳情に付きまとってきた胡散臭さを排し、透明で公正なシステムをつくるべき時期が来ています。

第二に、地方の負担軽減です。知事や市町村長、議会の皆さんには、地域の行政や議会という重要な役割があります。頻繁に上京することは、その重要な役割を妨げることになります。

第三に、民主党の地方組織の強化です。陳情をしっかりと受け止めるためには、都道府県連の役員や地方議員、そして現職の国会議員、総支部長が草の根運動を展開しなければなりません。そのことによって、民主党を本当の国民政党にしていく必要があります。組織委員長の最大の課題でもあります。

第四に、政務三役の負担軽減です。様々な団体からの個別の陳情を政務三役がすべて受けるのは、今の政務三役の過密なスケジュールを考えると不可能です。一元化すれば、取りまとめられた陳情を政務三役に届けることができます。

そもそも、私は「陳情」という言葉が好きではありません。この言葉には、国、そして中央省庁に対する卑屈なニュアンスがあるような気がしてなりません。我々は、こうしたシステムを確立することで、正当な「要望」として受け止めるべきでです。

組織委員長、企業団体委員長、そして総括の副幹事長として、責任は重大です。その責任を全うするべく、頑張らねばなりません。

与野党逆転の国会論戦

2009-11-01 18:48:14 | 国会活動
いよいよ、明日から予算委員会です。大島幹事長、石破政調会長らが質問し、鳩山総理、前原大臣、長妻大臣らが答弁する姿は、まさに与野党逆転です。さて、丁々発止のやり取りになりますか、どうか?

予算委員会は、スポーツに例えるとアメリカンフットボールに似ています。アメフトでは、オフェンスチームとディフェンスチームは別のメンバーで構成されています。例えば、QBが守備につくことはありません。よっぽどの弱小チームでなければ・・・。

政権交代が行われてこなかった日本の国会では、野党はオフェンス専門、与党はディフェンス専門の能力を磨いてきました。政権が交代したからといって、いきなり逆を演じることができるかどうか?

メディアでは、閣僚の答弁を不安視する声があります。しかし、むしろ、私が懐疑的な目を向けているのは、自民党の閣僚経験者がどれぐらい鋭い攻撃を仕掛けることができるかという点です。アメフトでも、守備の選手が攻撃回るハードルは相当高いと言われています。

鳩山政権がここで自民党の攻撃を抑えれば、国民に民主党政権の守備力を印象付けることができます。ここはそのチャンスと捉えて、閣僚の皆さんには、頑張ってもらいたいところです。