細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

倒幕か公武合体か

2008-04-02 18:11:43 | 国会活動
4月がやってきました。昨日は、地元の様子が知りたくて帰ったところ、ガソリンの店頭価格を130円前後まで下げているスタンドが目につきました。午前中はガソリン渋滞も見られたようですが、私が地元に帰った夕方はおおむね落ち着いていました。客で賑わうスタンドを横目に、値段を掲示していない(おそらく値下げしていない)スタンドが閑散としていたのは気になりましたが・・・。

民主党は、
1.ガソリン税の一般財源化
2.暫定税率の撤廃
で妥協をせずに突っ走ってきました。

与党は当初、「道路特定財源維持、暫定税率継続」の方針でしたが、福田総理は、本気度はさておき、民主党の主張を一部飲み込んで、来年度、道路特定財源を一般財源化する妥協を余儀なくされました。ガソリンを巡るチキンレースには、民主党の完全勝利に終わりました。

チキンレースには勝ちましたが、民主党には冷ややかな目が注がれています。「何でもノーの民主党」というイメージは、国民の間でかなり浸透しているようです。新聞各紙でも地元でも、話し合いに応じるべきとの声があちこちから聞こえてきます。

率直に言って、今の民主党の姿は私のイメージとは異なります。我々にも迷いはあります。しかし、ここは踏ん張りどころではないかと私は考えています。

歴史好きの長島昭久議員が興味深い例えを使っていました。「倒幕」に突き進んだ幕末、一時期、幕府側に立つ諸侯の間から「公武合体」が浮上しました。「公武合体」とは、朝廷を立てつつ幕政改革を進める立場で、幕府の存続を前提とするものです。「道路」は自民党政治そのものです。自民党側についている知事(現代の諸侯)が、話し合いを主張しているのも興味深い一致です。

この構図を崩すのか、崩さないのか。問われているのはそこです。改革の先延ばしを提案した福田総理、そして道路利権にしがみつく自民党と妥協することは、「政権交代」を放棄することになりかねません。

福田総理は、来年度からの一般財源化を主張する一方で、10年にわたって暫定税率を維持する法案の衆議院での再議決を示唆しています。暫定税率は、道路建設の必要性(という建前)から設けられたものですから、一般財源化された時点で根拠を失います。福田総理は、言っていることとやっていることが矛盾しています。総理の提案を眉唾だと感じるのは、そのためです。

福田総理はここへ来てにわかに環境問題を強調しています。私も環境税の議論は必要だと考えますが、ガスや電気を含めた課税のあり方を検討すべきでしょう。

むしろ、今考えるべきは国民の生活です。食料品をはじめとした生活必需品は大幅に値上がりしています。4月半ばにはお年寄りの医療保険の負担も上がります。暫定税率の撤廃は、現段階で考えうる唯一の景気対策という面があります。

20年度がスタートしましたので、一般財源化は21年度からとなります。この点では、福田政権と民主党の主張は重なります。焦点は、福田総理が暫定税率にどこまで踏み込むかに絞られました。暫定税率に手をつけるようであれば民主党との話し合いの余地が出てきます。だだし、それは自民党が崩壊する時かも知れません。

政権交代と国民生活をかけた戦いは、今しばらく続きます。