細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

福田政権崩壊の始まりか?郵政の再来か?

2008-03-28 09:20:23 | 国会活動
昨日、ガソリンを巡る攻防は大きく動きました。民主党には、総理と幹事長から2つの提案が来ました。

総理は「20年度歳入法案(ガソリン税を含む)の年度内成立」を求め、同じ日に幹事長は年度内不成立を前提とした年度内処理を提案してきました。明らかに矛盾する提案を党のナンバー1、ナンバー2がしてくるところが、崩壊前夜の自民党の現状を表わしています。

幹事長が提案した会期末の混乱を回避する与野党の話し合いは必要です。成果を出すべく努力すべきでしょう。


問題は、総理の提案の方です。

総理の提案を一言で評すれば、“too late, too small”です。衆議院の予算委員会の段階で、一般財源化で踏み込んだ提案がされていれば、話し合いで折り合う余地があったかも知れません。

我々からすると当然の一般財源化ですが、道路利権に直結するだけに自民党にとっては大変な問題です。総理の会見を聞いていて、背後に小泉氏がいるのではないかと感じました。自民党内の抵抗勢力と戦う姿勢は郵政民営化と重なります。役者は劣りますが、総理の表情からは、自民党との調整をせずに国民に訴えかける高揚感を見て取ることが出来ました。

与野党の激しい攻防と平行して、自民党内の権力闘争のゴングはなりました。いよいよ年度末。郵政の時のように吹き飛ばされないよう、腰を落として前進しなければなりません。

大局観をもって

2008-03-26 11:20:26 | 国会活動
年度末が迫ってきました。暫定税率の期限切れが目の前に迫り、何とも言えぬ緊迫感が永田町には漂っています。

先日、地元のガソリンスタンドや運送業者に皆さんから、話を聞いて回りました。値下げそのものについては歓迎する意見が多かったものの、4月の混乱は出来る限り回避してほしいという声が聞こえてきました。

民主党は、蔵出し税であるガソリン税の暫定税率分を還付する法案を参議院に提出しています。この法案が通れば、4月1日からガソリンは値下がりし、現場の混乱もないのですが、暫定税率の継続を主張する与党は、法案の審議に応じる様子はありません。

民主党は、オフショア取引や不動産売買に関わる減税措置を切り離して、継続する法案を提出していますが、憲法59条2項の再議決をちらつかせる与党を前に、成立の見込みは立っていません。与党の戦略は、国民生活を“人質”に取って民主党を悪者にするものです。

混乱を回避するためにガソリン税の値上げを含めた政府案の再議決を求める自民党が支持されるか、ガソリンの値下げの継続を前提に、混乱を回避する民主党案の可決を求める民主党が支持されるか。


ガソリン税を巡る与野党の攻防はチキンレースの様相を呈しています。その中で、気をつけねばならないのは、道路問題を巡る大局観を見失ってはならないということです。

道路特定財源は、天下りと道路利権を守ってきました。59兆円という中期計画の杜撰さに象徴されるように、「これだけ道路が必要だから、暫定税率が必要」としてきた論拠は完全に崩壊しています。

道路は自民党政治そのものです。この構図を崩すのか、崩さないのか。問われているのはそこです。

KY(すでに死語か?)総理

2008-03-18 19:13:09 | 国会活動
わが国の官邸は、いつから財務省の下部組織になってしまったのでしょうか。

昨日の福井総裁候補・武藤副総裁候補の場合、一泊おいて日銀法を改正して衆議院に優越を確保すれば、財務省の事務次官であった武藤総裁の誕生です。それにしても、まさか任期切れの福井総裁を提示するとは・・・。

今日の田波総裁候補も、武藤氏より前に財務省事務次官をつとめた人物です。武藤氏以上に、金融政策には疎いようです。民主党が、民間人、学者、そして財務省の中では財務官経験者ならやむなしというメッセージを発したにもかかわらず・・・。

週明けの円の高騰と株の暴落を受けて、総裁の空白はまずいという空気が、永田町には広がっていました。今や福田政権は、KYそのものです。野党の我々ですら、ここまで来ると、「一体、どうなるのか?」と心配になります。

当初は、総裁空白を決め込んで民主党に責任をなすりつけようとしているのかと思ったのですが、どうも、財務省に頼るしか判断できないといのが真相のようです。

「総裁の空白」以上に深刻なのは、この「権力の空白」なのかも知れません。今後問われるのは、わが国にどこまでこの状況を放置する余裕があるかということです。

台湾人として

2008-03-16 20:44:00 | 国会活動
台湾人として・・・。久々に台湾に行って、何人かの人からこの言葉を聞きました。

李登輝元総統、陳水扁総統と続いた民主化の動きの中で、台湾の住民の意識は大きく変わりました。大陸との関係強化を主張する国民党が政権を取っても、この流れは変わらないでしょう(写真は若干疲れが見える馬英九候補)。もはや、後戻りは出来ないという蓮舫参議院議員の言葉が耳に残りました。

一方で、「中国」という言葉を「中華民国」と解釈する人は、ほとんどいなくなりました。「中国」とは「中華人民共和国」、すなわち大陸の共産党政権を指します。そして、今や世界中が「中国」の動向を固唾を呑んで見つめています。

選挙の真っ只中で起こったチベット問題をどのように捉え、切っても切れない中国との関係の中でどのように経済的繁栄を目指すのか。実に難しい判断です。

台湾総統選

2008-03-15 23:10:57 | 国会活動
先ほど、総統選挙の視察で訪れた台湾から帰国しました。一泊二日の強行日程でしたが、昨年のフランスの大統領選挙に続いて、政権交代をかけた熾烈な争いをみられたことは、大変興味深い経験でした。

下馬評では、国民党の馬英九候補が圧倒的に優勢なのですが、終盤に来て、国民党が総統と議会を独占することに対する懸念や、国民党議員の相手選挙事務所への突入騒動があり、民進党の謝長廷候補が盛り返しを見せています。

大陸との関係がものを言う総統選挙では、チベットでの暴動と中国当局の動きも影響するかも知れません。いずれにしても、台湾の選挙は何があるか分かりませんので、残り一週間。目が離せません。

このことは、改めて詳しくご報告するとして、明日の朝、報道2001に出演します。日銀総裁、道路など緊迫する国会情勢全般についての与野党討論です。8時過ぎからの出演ですので、目が覚めた方は、ご覧下さい。

総裁人事

2008-03-11 18:40:51 | 国会活動
日銀総裁を巡って国会は紛糾しています。

率直に言って、民主党の旗色は今ひとつです。今日も会館に何件か苦情の電話を頂きました。民主党が、日銀人事を政局にしてごねている印象を持たれているようです。


議論を少し整理します。

まず、大前提から。日銀総裁を決める権限は内閣にあります。人事の中でも最重要案件ですので、責任は福田総理にあります。国会に与えられてるのは、提案された人事を承認するか、承認しないかという判断です。

自民党から出ている、事前に「民主党と話し合いたい」とか「小沢代表との党首会談をしたい」という話は、この大前提から見る限り、筋違いと言えます。福田政権の民主党を運命共同体にする戦略が”功を奏している”と言えそうです。


次に民主党の主張です。

一つは、財金分離の観点から、武藤氏は適任ではないということ。

日銀は、長年異常とも言える低金利を続けてきました。低金利下で、年金生活者を始め個人は、本来得るべき資産からの金利を受け取ることが出来ずに来ました。

金利の上昇は、国債の金利負担の増大を通じて、国家財政を圧迫します。日銀が低金利を続けてきた要因の一つに、財務省の事務次官をつとめてきた武藤副総裁の意向があったのではないかというのが、民主党の見方です。

もう一つは、国会運営上の問題。民主党は、武藤氏は適任ではないが、総裁を空白にするのは良くないので、出来るだけ早く国会に総裁人事を提示し、早く採決すべきであると主張してきました。言うまでもなく、否決された場合に、再提案する時間的余裕を確保するためです。

ここまで先延ばししてきたのは、福田総理自身です。提示をしておきながら、採決を渋っているのも自民党です。我々は萎縮することはありません。堂々と武藤氏を否決し、再提示を政府に迫ることです。

政治家冥利

2008-03-08 00:02:27 | 国会活動
私が問題を指摘した3つの公益法人の改革の方向性が、国土交通省から示されました。せっかくの成果ですので、ご報告します。

(財)駐車場整備推進機構は解散。財団に毎年投じられてきた約2.5億円は節約されます。道路特定財源でつくられた14の駐車場は民間委託。委託企業が、リース料と税金を払ってくれれば、国に収入も入ります。

1億円の“とんでも報告書”をつくっていた(社)国際建設技術協会に対する道路特定財源からの支出は取りやめ。社団に投じられていた毎年3億円程度の税金は節約になります。社団は、ODA予算でも仕事を受けてはいますが、それだけでは到底天下りの高給を払えませんので、リストラは不可避です。実質的にお取り潰しの可能性もあります。

丸投げ疑惑のあった(財)道路保全技術センターは、データベースの民間開放と委託業務の半減が決まりました。毎年80億円程度が投じられていましたので、40億円の税金の節約になります。

検討事項として、天下り公益法人の半減が掲げられました。仮に実現すれば、数百億、もしくは1000億円程度の税金の節約が見込まれます。

これまで、税金の無駄遣いを何度か指摘してきましたが、これだけはっきりした成果が出たのは初めてです。頑張ったかいがありました。多くの方からのアドバイス、スタッフの活躍に感謝です。


もちろん、まだ闘いは終わっていません。道路特定財源が続く限り、違う場所で無駄遣いが続く可能性があるからです。ここまで無茶苦茶な無駄遣いが明らかになった以上、仕組み自体に問題があることは明らかです。

解決策はただ一つ。一般財源化しかありません。

予算委員会を振り返る

2008-03-02 00:29:13 | 国会活動
予算委員会の戦いは終わりました。

最大のテーマである道路問題では、つなぎ法案、根拠不明の59兆円の中期計画、あいまいな需要予測、そして道路関連の天下り・・・。卓球ラケット、アロマセラピー、ミュージカルまで登場しました。

年金、医療はしばしば登場し、途中で餃子に「あたご」が浮上しました。

民主党が重視したのはDNA(道路、年金、あたご)。中でも道路の中期計画の59兆円の根拠は最後の最後に出てきました。議長斡旋の「徹底審議」には到底及びません。

民主党の見解はこれぐらいにして、私の個人的な感想を少々。

今回の民主党の戦略は明確でした。岡田筆頭理事の几帳面な性格を反映し、我々若手議員には役割が割り当てられました。多くの問題で政府に勝ったのは、個別撃破がうまくいったからです。私としては、もうひと波乱欲しかったという思いは残りますが、論理で勝負した民主党の岡田監督の采配は、お見事でした。

私の役割は、農業、餃子、道路の天下り、そして「あたご」でした。興に乗ると突っ走る私の場合、議題が偏った場面もありましたが、そこを前原理事と松本理事補には、フォローしてもらいました。代表と政調会長まで経験した二人が裏方をしていることが、今の民主党の強みかも知れません。

質問回数5回。質問時間は延べ5時間弱。本当に多くのチャンスを戴きました。胸を張れるのは、バッターボックスに立つ以上、例え内野ゴロでも塁に出ようと全力を尽くしたことです。

最後の「あたご」の質問は不本意なものに終わりました。石破大臣との個人的な関係もありましたが、それ以上に、自らの力で問題を解決し、その後大臣を辞す覚悟を決めていた石破大臣の気迫に押されました。

やはり、国会での発言は、腹の据わったものでなければなりません。課題が残ったことを含め、得難い経験でした。

本格論戦で勝負できる政治家を目指し、今後も精進して参ります。