細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

黄昏のイージス

2008-02-27 23:57:15 | 国会活動
予算委員会の質疑は、明日が「道路」、明後日が「防衛」の集中審議となりそうです。「もう一度、道路!」と意気込んでいたのですが、私の出番は「防衛」の方となりそうです。

というわけで、今晩は夜なべで作業中です。質問の中身は、やはりイージス艦の事故が中心になるのですが、道路の質問と違い、個人的には複雑な心境です。

大臣をやっている石破氏とは、国会の内外で安全保障問題について何度となく議論を重ねてきました。石破大臣とは、こういった問題ではなく、防衛のあり方そのものについて議論したいという思いを捨て切れないからです。

事故当日、防衛省は、「あたご」の航海長を市ヶ谷の防衛省に呼び出して、事情を聞いていたことが判明しました。捜査にあたっている海上保安庁は、不快感を表明しています。私が問題を感じているのは、この事実が一週間にわたって伏せられてきたことです。

経緯を見る限り、外形的には防衛省が情報隠蔽を図ったと見られても仕方がありません。この点については、石破大臣の責任は免れません。

今年に入って予算委員会での質問も5回目。私に多くのチャンスを与えてくれた国対、そして岡田、前原両理事の思いに応えるためにも、何よりも事件の解明と再発防止を求める国民のためにも、迷いを振り切って質問に臨みたいと思います。

動き出した小泉元総理

2008-02-22 23:43:51 | 国会活動
中期計画の根拠となるデータにはあえて古いデータを使い、59兆円の根拠は不明、集めた税金は天下り団体や役所の福利厚生に流用。予算委員会にいると、道路特定財源を巡る論戦の勝敗は、決したように思えます。

ただ、人質に取られた地方議会や自治体の反撃はこれからです。来週は衆議院を予算が通過するかどうかの攻防が予想されます。「疲れた」などと言ってはいられません。

気になるが、小泉元総理の以下の発言です(時事配信)。

「妥協は首相にしか言えない。そろそろ福田康夫首相が一般財源化を前提に『譲るべきところは譲っていい案をまとめよう』と言えば、自民党内も『仕方がない』と妥協の話が出てくる時期だ」

「一般財源化した方がいいという野党の主張はすべてではないが、なかなかいい点をちている。自民党にも本音では私みたいに一般財源化してもいいと言う議員がいる」

スタンドプレーとは思えません。一体、小泉氏は誰と連携しているのでしょうか。3月を前に、道路を巡る展開がどうなるのか、全く見えなくなってきました。

いよいよやま場

2008-02-20 21:43:40 | 国会活動
中国餃子に、海兵隊、イージス艦・・・。事件が発生する度に、予算委員会の議題は、刻々と変化します。

色々ありますが、議論すべき最大の課題は、何といっても道路特定財源です。明日は、衆議院の予算委員会の最大のやま場、道路の集中審議が行われます。

菅直人代表代行に続いて2番バッターで質問に立つことになりました。私に与えられた議題は、道路特定財源がらみの天下りと埋蔵金。

受託事業の丸投げ、天下り駐車場のぶち上げ、報告書のでっち上げ。道路特定財源は「天下り天国」であり、「税金の墓場」です。

30分一本勝負。昼休みには少し早いですが、時間のある方は11:30からのNHK中継をご覧下さい。

予算委員会の醍醐味

2008-02-14 23:51:48 | 国会活動
朝9時から夕方の5時まで。月曜から金曜まで第一委員室に張り付く予算委員は、座っているだけで重労働です。数に勝る自民党は、次から次へと席を代わるのですが、民主党はそうはいきません。この3週間ですでに腰が痛くなってしまいました。

身体的にはきつい予算委員ですが、質疑に立つ醍醐味は他の委員会と違います。

第一に指名した大臣は最優先で予算委員会に出席します。それだけに様々な問題で有意義な質疑が可能となります。昨日、(独)都市再生機構からの天下りについて冬柴国土交通大臣と渡辺行革大臣の答弁の不一致を導き出せたのは、そのためです。

第二に、与野党の攻防の最前線である予算委員会の情勢は、その国会の帰趨を決する影響力を持っています。それだけに、間抜けの質問をすることは許されません。

第三にメディアの注目度が異なります。国会の記者は基本的に予算委員会からは目を離していませんし、すべての局のテレビカメラが入っています。質問がメディアにヒットした場合の扱いは抜群です。もちろん、「メディアにでたから偉い」というわけではありませんが、質問する者にとっては励みにはなります。


というわけで、来週も二度質問が回ってきそうです。ここは力の見せどころ。今晩も寝る間を惜しんで頑張っています。

道路特会にもある埋蔵金

2008-02-12 20:41:38 | 国会活動
連日、予算委員会が続いています。テレビ中継は先週で終わり、総理出席も今日までですので、明日からは注目度はグッと下がります。

そんな中、明日、今国会二回目の質問に立ちます。ネタは、中国餃子と埋蔵金です。先日はブリッジ法案に終始してしまいましたが、今回は道路特別会計関連の埋蔵金に突っ込みたいと思っています。天下り団体に蓄積されている埋蔵金は約8兆円。すべてを取り崩せるわけではありませんが、現金で何十億円もの普通預金を貯めこんでいる公益法人もあります。

この状況を放置して、ガソリン税の増税を続けることは許されません。

中継がない分、答弁に納得がいかなければ質疑を止めることもできます。ネット中継はやりますので、お時間のある方はどうぞ。

黄門節炸裂

2008-02-10 23:35:15 | 地元
三島で新春の集いを開催しました。連休の真ん中であるにも関わらず、多くの皆様にお集まりいただきました。

主賓は平成の黄門(ご本人は東北のケネディとおっしゃっていました)こと、渡部恒三先生。先生の演説を聞いていると、政治家にとって言葉がいかに大切なものであるかを痛感します。私は、まだまだ修行が足りません。

昨年11月に、富士市、小山町で国政報告会。今年に入って、長岡、御殿場、函南、三島と集会を開催しました。月末には、裾野でも新春の集いを開催します。すでに、延べ2500人ほどの方に話を聞いていただいた計算になります。本当に、ありがたいことです。

すでに、静岡5区では選対本部も立ち上がり、臨戦態勢に入りました。国会での論戦と地元活動を両立することで、いよいよエンジンがかかってきました。

みんなの家

2008-02-09 22:34:20 | 映画
久々におすすめの映画を一つ。三谷幸喜監督の「みんなの家」です。この映画を思い立ったのには訳があります。

今日、ある若いカップルの結婚式に出席しました。新婦の実家は住宅建築業。二人の夢は、実家で家を建てることです。

そこで思い出したのが、「みんなの家」です。若い夫婦が家を建てることを決意します。モダンな家を建てたい妻は、知り合いのデザイナーに設計を頼みます。建築は、大工の父親に依頼します。デザイナーと大工と夫婦の四人で繰り広げられるドタバタ劇は傑作です。

三谷幸喜監督の日本人を見る可笑しくも愛情のこもった眼差しが、私は大好きです。週末、時間のある方はどうぞ。

真の言論の府を目指して

2008-02-09 09:40:04 | 国会活動
国会を法案の通過儀礼におとしめる「事前承認」(法案提出前に審査を終了すること)、「議員立法」より閣法が優先される国会審議、議員の個性や資質を覆い隠す「党議拘束」。何かと問題が指摘される「ねじれ国会」ですが、今こそ、旧来からの国会のあり方そのものを問い直すチャンスでもあります。

昨年秋以降、自民党の河野太郎氏、民主党の馬渕澄夫氏らと議論を重ね、今日、発売の中央公論に国会改革に関する論文を発表しました。自民党から水野賢一氏、柴山昌彦氏、山内康一氏、民主党からは泉健太氏も加わりました。

河野太郎氏とは、エネルギーやら国際貢献やらで、何度か勉強会を一緒にやったことがあります。しなやかな発想と行動力、そして2世議員という恵まれた環境を生かして世界を雄飛する河野氏は、私にとってうらやましくもある存在です。今回も、海外のネットワークを生かして議論をリードしてくれました。

馬渕澄夫氏は、民主党の中では珍しいガバナンスの利く政治家です。もちろん、耐震偽装で見られた鋭い追及も一級品。期数は私より少ないのですが、企業経営の経験もあり、永田町では私にとっては良き兄貴分です。今回も、勉強会の切り回しから出版社との交渉まで仕切ってくれました。ちなみに、予算委員会では隣の席ですので、2月は毎日7時間を共有することになります。

政治改革で対談したことのある水野賢一氏、民主党の若手で伸び盛りで私を突き上げてくれる泉健太氏など、好いメンバーが揃ったと思います。

会見では政局がらみの質問が飛びましたが、意図するところはその逆。二大政党制の中で、国会を言論の府にするための処方箋の提案です。詳しくは中央公論をご覧下さい。

天津国会?民主党ならこうする

2008-02-04 16:30:45 | 国会活動
週があけても、国会は餃子問題で揺れています。「ガソリン国会」ならぬ「天津国会」というネーミングまで登場しました。

先日のエントリーは少々舌足らずであったので、補足します。

民主党は、先週、中国製餃子中毒事件対策本部を設置しました。私も、農水担当として、小宮山事務局長を補佐することになりました。

我々の提案は、すでに出揃っています。

第一に、国際食品調査官を設置し、外国(今回は中国)の現地調査を行うことが出来る体制を整備することです。参議院選挙のマニフェストにも、このことは記載されています。政府も、今回の事件を受けて、現地派遣を検討しているようですが、常時動ける体制の整備をするには至っていません。

第二に、危険情報の公表です。今回の事件では、年末、体調不良を起こした事案が発生していながら、一月以上放置されたという問題があります。

民主党は6年前、自動車のリコール隠しやジェットバスの引き込み事件を受けて、企業や行政に危険情報の公表を義務付ける危険情報公表法案を提出しています(こちらもマニフェスト記載済み)。法案を作成した長妻議員の先見性には、いつもながら驚かされます。今後は、党をあげてこの法案成立に向けて動き出すことになります。

消費者本位の行政を福田総理が、民主党の提案に耳を傾けるかどうか、注目です。

食糧安全保障

2008-02-02 16:44:14 | 国会活動
今週の国会はめまぐるしく動きました。

衆議院での予算委員会での審議に続き、ブリッジ法案を巡る激突と撤回。後半は中国餃子で翻弄されました。当分は、ガソリン税と併せて輸入食糧の安全が国会の大きな論点になりそうです。

負け惜しみのようですが、月曜日の予算委員会で、最初に私が取り上げたいと思っていたのが、輸入食糧の安全の問題でした。昨年のミートホープ、白い恋人、赤福と続いた食品偽装を受けて、「消費者の立場」を強調する福田総理に、「輸入食糧の問題を忘れてませんか?」と問い掛けるつもりでした。道路の対決質問で吹っ飛んでしまいましたが・・・。


輸入される食糧は、農水省と厚生労働省の二重のチェックを受けます。まず、指摘をしなければらないのが検疫体制の不備。

国際空港や港には、農水省所属の植物防疫官が865人(平成19年度末定員)おり、害虫などのチェックを行っています。ここでは、家畜用の飼料や、観賞用の植物、ペットの動物なども同様の扱いを受けます。ちなみに、加工食品は、農水省のチェックは受けません。

食糧としての適正、すなわち残留農薬などのチェックは、厚生労働省の食品衛生監視員が行います。ちなみに、こちらは全国に合計334人しかいませんので、実際にチェック出来ているのは輸入食糧の1割弱です。どうやら、加工品は書類審査でほとんどフリーパスだったようです。

国民の食糧の過半を輸入に頼っている現状を考えると、この検疫体制はいかにも弱すぎます。害虫のチェックを865人でして、農薬のチェックを334人でやっているというのもいかにもアンバランスです。かつて、鳥の間で蔓延している間は農水省、人が感染したら厚生労働省という役割分担で、鳥から人への感染対策が落ちてしまっていた鳥インフルエンザ発生のときのことが思い出されました。

役所的には、農水省と厚生労働省とは役割が違うということになるのでしょうが、国民の側から見ると、協力してやってくれということになります。

両者を統合して、検疫体制の大幅な強化が必要です。これは政治決断でしょう。


世界の食糧事情は、この一年で激変しました。バイオエタノールのブームと、旱魃などの影響による輸出国の政策転換で、穀物価格は急騰しています。

米国では、とうもろこしの3割、ブラジルではさとうきびの5割をエタノールに割いています。食糧自給が逼迫している中で、食べ物をエネルギーに変えているのですから、狂気の沙汰としか言いようがありません。

もう一つ注目すべきは、各国が食糧輸出の規制を始めたことです。中国、インドなど、食糧輸入国に転じている人口爆発国はもちろん、ロシアやアルゼンチンなどの食糧輸出国でも、小麦やとうもろこしなどの輸出に税を課したり、枠を設けたりする動きが出ています。

日本が最も頼りにする国の一つ、豪州も干ばつで日本への小麦の輸出に支障を来たすようになってきました。数年前は考えられなかったことです。

各国は、いざとなったら(戦争、飢餓など)輸出よりも国内供給を優先する姿勢を鮮明にしています。

1980年7月2日。総合安全保障研究グループは、委嘱者である故大平総理に報告書を提出しました。報告書は、私も薫陶を受けた高坂正堯教授を中心にまとめられました。

「食糧安全保障」の項目に、以下の記述があります。

「自助努力としては、緊急時の食糧増産が可能となるよう、高い潜在生産力の維持のほか、国から消費者レベルまでの備蓄の拡充、緊急時の流通システムの検討が必要である」

当時は、時代錯誤とも言われた記述ですが、現在の我が国の食料政策に変更を強く迫っているように思えてなりません。

耕作放棄地10%(山間地は15%)、基幹的農家の平均年齢は64歳。米価の下落と燃料高が追い討ちをかけています。農家の皆さんと話していると、我が国の農業が存亡の危機に立たされていることを痛感します。

「農業は石垣と同じだ。大きい石と小さい石が組み合わさらなければ、成り立たない」先日、議員食堂で某ベテランと話をしていて、含蓄のある言葉を耳にしました。大規模化をひた走り、小規模農家を切り捨てる自民党農政は間違っています。

食の安全に国民の関心が向いている今こそ、農政を正面から語るべきときだと考えます。