細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

もう風も吹かない

2013-11-18 10:58:31 | 映画

演劇『もう風も吹かない』を見ました。すごいの一言。これまで、『ソウル市民』『冒険王』『火宅か修羅か』『ヤルタ会談』など、いくつかの平田オリザさんの作品を見てきましたが、この作品が一番インパクトがありました。完成度の高い脚本と演出は圧巻でした。

葛藤する海外青年協力隊候補生を演じた役者も良かった。私にもああいう頃が確かにありました。

途中、沖縄まで踏み込んだのには唸らされました。様々な経験をしてきた副所長の「とにかく行ってみることだ」という言葉は、私には若者への応援歌に聞こえました。協力隊の個別の評価は分かれたとしても、私は未来を切り開こうと行動する若者を応援したいと思います。

平田オリザさんの作品の設定では、日本の財政破綻と円の暴落は2025年あたりとのこと。10年前にすでにこの作品を書いていることに驚きます。現状はより深刻になっています。政治家として、財政破綻と円の暴落によって日本の信頼が失墜するのを阻止しなければなりません。帰り際、平田オリザさんから、「しっかり頑張ってください」と穏やかながら厳しいひとこと。その通り。


ネット社会のあり方

2008-04-20 00:02:51 | 映画
先日、久々に映画館に足を運びました。特段、狙った映画があったわけではなかったものですから、その場で目に留まった「ブラックサイト」を見ることにしました。

元々、ホラーは趣味ではないので、目を覆いたくなる場面もありました。ただ、ネット社会の闇の深さを抉り出す洞察力には、実に凄みがありました。

映画の中では、社会の歪みの中で、孤独感に苛まれる一人の若者が最悪のネット犯罪に手を染めます。共犯者は、世界中のネットユーザーです。動画が主流を占めつつあるネット社会だけに、もしかしたら・・・と思わす展開です。ネット社会と平行して、視聴率至上主義のテレビの弊害も抉り出しています。

映画を見て、果たしてあるべきネット社会の姿とは何なのか考えさせられました。

例は異なりますが、児童ポルノを規制することには、私は大賛成です。ただし、規制したところで、ネット上で無限に広がる児童ポルノを実際に取り締まれるのかという問題が残ります。それでも、一罰百戒で被害が減るのであれば、やる価値はあります。

これまでネット社会に対する規制強化には消極的であった私ですが、立ち止まって考えるべき時期が来ているようにも思えます。鍵は、国際社会の連携とサーバー管理の確立でしょうか?


映画の中では、FBIの女性捜査官と犯人の壮絶な戦いが繰り広げられます。最近、わが国で頻発している動機不明の愉快犯かと思いきや、犯人には明確な動機が存在していることが終盤で明らかになります。それだけが、この映画の唯一の救いでしょうか。

皆さんに是非見てもらいたいと思う映画ではありませんが、ネット社会のあり方に関心のある方は、一見の価値があるかも知れません。

みんなの家

2008-02-09 22:34:20 | 映画
久々におすすめの映画を一つ。三谷幸喜監督の「みんなの家」です。この映画を思い立ったのには訳があります。

今日、ある若いカップルの結婚式に出席しました。新婦の実家は住宅建築業。二人の夢は、実家で家を建てることです。

そこで思い出したのが、「みんなの家」です。若い夫婦が家を建てることを決意します。モダンな家を建てたい妻は、知り合いのデザイナーに設計を頼みます。建築は、大工の父親に依頼します。デザイナーと大工と夫婦の四人で繰り広げられるドタバタ劇は傑作です。

三谷幸喜監督の日本人を見る可笑しくも愛情のこもった眼差しが、私は大好きです。週末、時間のある方はどうぞ。

青いうた ~のど自慢青春編~

2006-05-24 11:17:04 | 映画
教育基本法の委員会質疑がいよいよ始まりました。教育論争は改めて書くとして、今日は久々に映画のエントリーです。

朝から「ケ・セラ・セラ」と「木綿のハンカチーフ」が頭を巡っています。昨晩、議員有志で、有楽町のシネカノンの「青いうた」のレイトショーに行ってきました。21時過ぎに、30代、40代の若手議員が、20人近くも集まりました。鑑賞後は、一同、自らの青春時代を重ね併せての映画談義で大いに盛り上がりました。

昨晩は、金田敬監督もご一緒頂きました。ストーリー、俳優、歌、景色を一つの映像にして、見ている人を引き付けられる監督というのは、素晴らしい仕事だと思います。最近は、感性の摩滅からか、良い映画だと思っても一晩で印象が薄れることが多かったのですが、「青いうた」の余韻は当分続きそうです。やはり琴線に触れるのは邦画だと感じるようになったのは、歳を取った証拠でしょうか?

今朝になって、ふと、むつ市に行ってみたくなりました。金田監督によると、地元の下北フィルムコミッションの全面協力があったそうです。私も超党派のFC研究会を国会で開いていたことがあり、今でもFC応援団を自認しています。下北FCが手がけた最初の作品だということですが、地域振興の狙いはあたっているのではないでしょうか。

私の陳腐な批評を読んでいただくよりは、見ていただくに越したことはありませんが、4人の若者の澄んだ演技(特に良太を演じる富浦智嗣君は天才だと思います)、我々世代のアイドル・斉藤由貴が歌う「木綿のハンカチーフ」(昔はあんなに歌がうまかったかな?)は必見(必聴?)です。

お勧めの映画

2006-01-29 22:42:00 | 映画
こんばんは。日曜日の今日は閑暇のひとこと。私の好きな映画を独断と偏見で紹介します。今日は洋画版です

恋愛ものでは何と言っても「ベティ・ブルー」です。フランス映画の秀作です。ゾルグとベティの個性が激しくぶつかりあうストーリーは壮絶ですが、見応え十分です。私は10回は見ましたが、毎回違った感慨を覚えます。

コメディで言えばエディマフィーの全盛期の作品である「ビバリーヒルズ・コップ」。2もお勧めです。ハリウッド映画の底抜けの明るさと軽妙なテンポは、カラリと笑えること請け合いです。

社会派の方には「シンドラーのリスト」と「マイノリティ・レポート」をお勧めします。前者は言わずと知れたホロコーストもの。印象に残るのは、金の亡者、女たらしのシンドラーが敢然と闘いを挑む姿です。後者は、管理社会の恐ろしさよく表わした秀作です。スピルバーグの想像力と構想力には感服します。心配なのは、住民基本台帳、個人情報保護、監視カメラなど、今の日本社会は確実にその方向に向っていることです。自由な社会を守るために、私はその流れと闘っていきたいと思っています。

最後に、映像と音楽という総合力で評価するならば「ゴッドファーザー」そして「ラストエンペラー」は歴史的秀作です。いずれも長い映画ですので、見るときは気合を入れる必要があります。

The 有頂天ホテル

2006-01-14 22:10:21 | 映画
本日公開の「有頂天ホテル」を見に行ってきました いつもの笑い、いつものキャスト、いつものテンポ。三谷監督から感じるのは、日本人の気質を風刺しながらも、底流に流れている愛情の強さです。最後はみんなハッピーエンド。今や三谷作品は、日本人が安心して見られる現代版水戸黄門ともいうべき存在です。カラリと笑いたい方にはお勧めです

カミさんが大の三谷幸喜監督のファンということもあり、三谷作品はかなり見ています。今まで三谷作品で傑作の一つとしてあげたいのが「みんなの家」です。逆に私の評価が今ひとつなのが、NHK大河ドラマ「新撰組」です。やはり歴史ものはどうしても固定観念があり、三谷作品の独特の軽さは私の感性には合致しません。

学生時代、少しでもお金がたまると映画を見に行ったものです。政治家になってから映画鑑賞に行く時間が取れていませんが、このところ、映画は感性の摩滅を防止する最高の娯楽であると再認識するに至っています。今年は、時間を見つけて月に一本は映画を見ようと思っています。皆さんお勧めの映画がありましたら、教えてください

3丁目の夕日

2005-11-26 10:59:51 | 映画
最近、民主党では映画がちょっとしたブームになっています。昨日、前原代表にもスケジュールの合間をぬって、「亀も空を飛ぶ」を見てもらいました(私の感想はブログで公開中)。感想を聞いたところ、開口一番「いやー重かった」と言った後、「戦争で最も議性になるのは、子供や女性などの弱い立場の人たちであることを改めて痛感した」とのことです。

私が先日見たのは、「3丁目の夕日」です。徐々に完成していく東京タワー(CGだそうです)を背景に展開される人間模様に、時代は違うはずなのですが、なぜかノスタルジックな気持ちになりました。私がホロッと来たのは、主役の少年が、クリスマスプレゼントで万年筆をもらったシーンでした。戦後60年、ものに溢れながら、新たな刺激を求める我々は、確実に大切なものを失っています。6歳になる娘にこの映画を見せたら、意味を理解できるかどうか、少々不安になりました。映画館を出て、次の予定に向かう地下鉄の中で、次の世代に我々は何を残しせるのか、考えてさせられました。

座頭市

2005-11-08 00:24:15 | 映画
テレビで映画を見たのは久々でした。今まで時代劇は好みではなかったため(座頭市を時代劇でくくるのは失礼かも知れませんが)、勝新のものを含めて座頭市を見たことはありませんでした。CMが入るテレビ放映だと途中で興ざめになるケースが多いのですが、偶然やっていた座頭市に、最後まで見入ってしまいました。今から振返ると、ストーリーは単純だし、主役級を除くと役者の演技もイマイチなのですが・・・。これだけ引きつけられるのは、映像の妙と、ビートたけしさんの醸し出す雰囲気ゆえでしょうか?二人のたけしさんが登場する映画も現在上映中ですので、どこかで見に行ってみたいと思っていました。
たけしさんとは、TVタックルで何度かお会いする機会がありました。我々、ぺーぺーの出演者からすると、安々とは声をかけがたい雰囲気を持った方です。とっつきにくいとか、偉そうという意味ではなく、芸能人としての格が織りなす風格と言ったところでしょうか。芸能界同様、政治家も「何を言うか」ではなく「誰が言うか」で結論が変わってくることが多々あります。私などは、まだまだですが、いずれは良い意味での風格を見につけたいものだと思います。

亀も空を飛ぶ

2005-10-22 20:21:27 | 映画
 「忙しい人こそ映画を見るべし」という同僚議員の勧めで、先日、一人で映画を見に行きました。「亀も空を飛ぶ」という意味深な題名の映画です。イラクで生きるクルド人の少年少女の悲惨な状況をリアルに描いた映画で、独裁者や大国に翻弄される姿は、戦争の悲惨さそのものです。少女の名状しがたい表情、幻想的な背景の景色がいまだに脳裏から離れません。28日まで岩波ホールでやっていますので、興味のある方はどうぞ。
 かつては持っていたはずの人と出会う感動や、新たな体験に対する緊張感を失っている自分に、ふと気が付く瞬間があります。その自覚すらなくなったとき、「感性が摩滅」した政治家が誕生するのかも知れません。私以上に時間に追われている代表に、勧めることのできる映画を探してみようと思います。