細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

守屋氏は真実を語るか

2007-11-28 19:37:18 | 国会活動
守屋氏逮捕の衝撃が永田町を駆け巡っています。私も、かつて安全保障委員会の理事をしていたことがあり、防衛局長の時代から守屋氏とは面識があります。当時から、安全保障の政策へのこだわりというよりは、調整力(政治力)が目に付く人ではありました。それにしても、防衛省の事務方のトップがこんなことになるとは・・・。

これまで、国の安全保障に直結するだけに、防衛省の調達を暴くことには我々野党の政治家にも躊躇がありました。ここまで来ると、膿を出し切るしかありません。

守屋氏が真実を語れば、防衛利権の全貌が明らかになります。証人喚問で、「自衛官に申し訳ない」と言いながら見せた涙が嘘でないならば、彼はすべてを語ることになるでしょう。

孤高のパトリオット

2007-11-25 18:09:43 | 忙中閑あり
週末、地元の事務所には、マスコミ各社からのアンケートが積み重なっていました。これが来ると、いよいよ選挙という雰囲気になります。

アンケートの質問項目を見ると、単に経歴を確認するだけのものから、最近感動した出来事などプライベートな質問を含むものまで様々です。選挙直前になると、個別の政策についての見解を質すものが山のように積み重なり、寝る時間がなくなります。政策は代筆が利かないだけに、辛いところです。

アンケートの中の一つに、「最近読んで感動した本」という項目がありました。考えてみると、仕事がらみで政策本や新書の類ばかり読んでいるので、「感動」を覚えることは滅多にありません。

そんな中、ふと思い出したのが、仙谷由人議員の推薦で手にした「評伝 斉藤隆夫」という本でした。

斉藤隆夫といえば、戦時中、粛軍演説を行って議員を除名され人として、国会に身を置く議員であれば誰しも知っている有名人なのですが、果たしてどういう経歴で、どういう思想の持ち主だったのか、ほとんど知られていません。私も「斉藤隆夫=粛軍演説」ということしか知りませんでした。

学会の重鎮を相手に天皇機関説を唱え、国民的な人気を得ていた近衛文麿を「政治上の実力がない」と辛らつに批判し、政党政治の危機を訴えて軍と対決した議会活動は圧巻です。

軽薄なナショナリズムが横行している現代だからこそ、「孤高のパトリオット」という副題がついた本書は、多くの示唆を与えてくれているように思います。

著者である松本健一氏は、この本を最後を斉藤隆夫氏の次の言葉で締めくくっています。長くなりますが、最後に引用します。

「我々は戦争に負けた。負けたに相違いない。併し戦争に負けて、領土を失い軍備を撤廃し賠償を課せられ其の他幾多の制裁を加えらるるとも、是が為に国家は亡ぶるものではない。人間の生命は短いが、国家の生命は長い。其の長い間には叩くこともあれば叩かるることもある。盛んなこともあれば衰えることもある。衰えたからとて直ちに失望し落胆すべきものではない。若し万一、この敗戦に依って国民が失望落胆して気力を喪失したる時は、其の時こそ国家の亡ぶる時である」

総選挙へのシナリオ

2007-11-19 20:24:14 | 国会活動
民主党静岡県連の幹事会があり、総選挙に向けて県連の選対本部が立ち上がりました。総選挙に向けて噂される展開は以下の通り。

1.テロ新法の審議を巡って臨時国会は1月末まで再延長

2.テロ新法の参議院採決は、衆議院の採決(11月13日)から60日が経過する1月10日過ぎ

3.日米首脳会談でケツを叩かれた福田総理は衆議院で2/3で再可決させ、テロ新法成立

4.民主党は参議院で福田総理の問責決議案を可決

5.参議院での予算審議が出来なくなった福田総理は1月半ば衆議院を解散。総選挙は2月5日告示、2月17日投票

というシナリオです。

1、2辺りまでは予想の範囲内ですが、その先は世論や政局でどうなるか、誰も分かりません。ただ、テロ新法を巡っては与野党の攻防はチキンレースとなっていますので、流れは止まらないような気がしています。

既にリーフレットを作成し、「巌のごとく」というキャッチフレーズも決めて走り出しました(併せてブログのタイトルも変更しました)。


もちろん、国会開会中は議会活動も怠りなく行う必要があります。総選挙の準備と平行して、首脳会談で対決国会と大連立の両極端に触れた議会の改革も、近いうちに提案していきたいと考えています。

政治家の矜持

2007-11-07 23:48:19 | 国会活動
辞任会見から3日。ようやく、小沢代表の辞任騒動は収束しました。皆様には、国会中にお騒がせしたことをお詫び申し上げます。

小沢代表は率直に詫び、もう一度、「政権交代に政治生命をかける」と語りかけました。私は、先週の金曜日以降、大連立だけは回避したいという思いを持ち、党内外で発言してきました。代表の行動は、私には理解できるものではありませんでしたが、今日の小沢代表の言葉を聞いて、もう一度かけてみようと思うに至りました。

総選挙で勝つためには、政権の受け皿となりえる安心感・安定感が不可欠です。今回の騒動で、民主党は大切なものを失いました。今日の記者会見でそれが回復出来たとは思っていません。これから、全員で失ったものを取り戻さなければなりません。


今日の両議院懇談会で、小沢代表の発言に負けないぐらいに感銘を受けたのが、仙谷由人議員の発言でした。党内議論が沈滞しているという趣旨の仙谷議員の発言は、小沢代表批判として受け止められていますが、真意は、民主党の若手に対する叱咤激励にあります。

並大抵の政治家では、「万来の拍手で満場一致」という雰囲気の中で、あの発言は出来ません。仙谷議員に、政治家の矜持を見た思いです。

思い起こせば、我々若手が失墜させた民主党の信頼を回復させたのは小沢代表でした。その後、代表は参議院選挙を勝利に導き、選挙対策、党運営、そして政策決定でも強い指導力を発揮してきました。いつしか、重要政策のほとんどを代表の意向をうかがって決めるのが当たり前のようになっていました。

本来、選挙は自分の力で勝ちあがるべきものです。しかし、地方行脚の先頭に立ったのも代表でした。我々は、あまりに小沢代表に頼りすぎてはいなかったか?

我々は、どんなに苦しくてもここから立ち上がらなければなりません。ピンチをチャンスに変えるためには、もちろん一致団結が必要です。しかし、その前に、我々議員一人一人の独立の気概がなければ、この難局は決して乗り越えられません。

図太さと強かさ

2007-11-02 11:13:40 | 国会活動
11月1日。海上自衛隊の艦船がインド洋から撤退しました。この日が、日本の安全保障の歴史に負の遺産を残すになるか、プラスに評価される日となるかは、今後の国会にかかっています。

評価の鍵は、恒久法の議論にかかっています。新たな事態が生じるたびに特措法でつなぐやり方は、どう考えても限界が来ています。恒久法の議論を正面からするべきというのが、私の持論です。

恒久法の議論が、年明けから始まるのか、それとも総選挙後になるのかは定かではありませんが、今回の撤退によって、本気でそのことを議論しようと言う土壌ができる可能性は十分にあると見ています。


11月1日には、もう一つの意味があります。戦後の政治史の中で、選挙によって日本の外交・安全保障政策が転換した、珍しい(もしかしたら初めての)ケースになるということです。

戦後、自民党政権が政権が続いてきましたので、その間は、選挙の結果で外交・安保政策が転換することはありませんでした。二度の社会党政権も短期で終わりましたので、その力はありませんでした。あえて、例を挙げるとすれば、細川政権の米の輸入自由化でしょうか。国益に直結する安保では、初めてのケースかも知れません。

「国際社会からの非難」に敏感に反応するのは、わが国の特徴です。わが国は、もっと図太く生きていくべきです。民主主義という制度を採用している以上、選挙で外交が変わること自体は、決して恥じるべきことではありません。共和党、民主党と政権が変わるたびに、最も外交政策を転換してきたのが他でもない米国です。

あえて挑戦的なもの言いをすると、日米の交渉で、議会の動向を、米軍再編や思いやり予算の交渉の取引材料にするぐらいのしたたかさを、福田政権には発揮してもらいたいものです。