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イエジー・スコリモフスキー監督『ライトシップ』

2013-10-09 10:16:00 | ノンジャンル
 イエジー・スコリモフスキー監督の'85年作品『ライトシップ』をWOWOWシネマで見ました。
 「いつもは海にいるので会えないが、今回は僕を迎えに来たので会えた」という独白。アレックスはミラー船長の灯台船に乗船します。「第2次大戦から10年後、ヴァージニア州ノーフォーク沖合」の字幕。ミラーが左遷されて灯台船の船長になったという噂を聞くアレックス。アレックスは6人の乗組員に紹介されます。
 漂流しているモーターボートを助けると、そこからキャスパリ(ロバート・デュヴァル)という男と、その男に従うユージンとエディという兄弟が船に移ってきます。海岸局に迎えのボートを要請すれば、この船から抜け出すチャンスができると喜ぶ乗員。キャスパリは海上で人と会う約束をしていると言いますが、乗員はモーターボートから機関銃を発見したとミラーに告げ、ミラーは弾は彼らが持っているのだから、その件は秘密にしておけと乗員に言います。キャスパリがアレックスにニューヨークは最高だと話していると、ミラーはアレックスにケープを呼びに行けと命じ、それに反抗するアレックスに、キャスパリは自分も父と分かり合えず、父が自殺してしまい、今では後悔していると言います。エディは乗員がモーターボートのエンジンをわざと壊そうとしていたと言って激高し、船の通信機を破壊します。キャスパリはミラーに武器をすべて渡せと命じますが、アレックスは拳銃を一丁先に確保するのに成功します。海に捨てられる武器。キャスパリは次に装戴艇をもらうと言い、要求が叶えられなければ1人すつ殺していくと言い、鼻歌を歌います。装戴艇のエンジンはかかりますが、霧が出てきたので、キャスパリは次の約束まで時間ができたと言い、もう少しここに留まると言い出します。消えた一挺の拳銃を捜し出せと部下に言うミラーは、通信機が壊されればやがて探索船が出るだろうと言います。戦争の話は本当だったのか?と聞くアレックスに、聞かない方がいいと言うミラー。
 ミラーとキャスパリは駆け引きを始めますが、他の乗員は彼らに干渉しなくなります。ユージンと釣りをしていたネイトは、自分が飼っていたカラスをユージンに殺され、大騒ぎになりますが、ミラーとキャスパリが事を収めます。キャスパリらをやっつける計画を立てはじめるミラーの部下たち。
 船は自由に動けるのにと言うキャスパリに、自分たちのように投錨している船があるから他の船は自由に動けると語るミラー。霧の夜の中の船。ミラーの部下らは行動を起こしますが、ミラーは止めようとします。アレックスは拳銃を隠し、腰抜けは評判通りだなと父に言います。父は駆逐艦の艦長をしていた時、輸送船を沈めた潜水艦を追う方を優先して多くの犠牲者を出したこと、査問委員会では無罪となったが今でも責任を感じていることをアレックスに話し、頼むから武器を手にしないでくれと言います。その後、アレックスは乗員のスタンプとボクシングで遊んでいましたが、ユージンが現れ、スタンプの金的を蹴り上げ、笑い転げます。スタンプはキャスパリを階段から落して縛り上げ、部屋に幽閉しますが、階段にキャスパリのメガネが落ちていたことからエディとユージンにすぐにばれ、スタンプはエディに射殺されます。静けさを取り戻す乗員たち。
 迎えを待つべきだと言うミラーにキャスパリはこの船を動かすと言い、16歳から使命感で裏街道を歩んできた自分は船を動かしてみせると息巻きます。近づく嵐が過ぎた明日、船を動かそうと言うキャスパリ。
 嵐の中、ネイトはユージンを挑発して背後から首をかっきって腹も刺して殺し、遺体を海に捨てます。ユージンを探すエディ。拳銃を取戻したアレックスはエディと決闘する羽目になりますが、挑発するエディを撃てず、拳銃で顔を殴られ、父と同じ臆病な血が流れていることを恥じます。夜が明け、鐘が鳴り、機雷が近づいていることを知らせます。機雷は無事に破壊できましたが、キャスパリはミラーの部下に錨を上げるように命じ、反抗するなら1人ずつ殺すと言います。部下を止めようとしてキャスパリに撃たれるミラー。彼はアレックスに船は動いてないことを確かめてから死に、人は船に仕えるという言葉を父から学んだというアレックスの独白が流れ、船からカメラも遠ざかり、映画は終わります。

 アレックスの独白が何度も流れる中、展開される密室劇でした。キャスパリの悪役ぶりも見物です。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto