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増村保造監督『黒の超特急』その2

2013-10-17 10:09:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 工藤は財津と中江のふがいなさを叱り、「陽子に消えてもらおうか?」と言います。財津に陽子を呼び出させ、中江が1人で陽子を殺せと言う工藤。殺人を躊躇する中江に対し、工藤はアリバイは自分が保証するから、中江には桔梗を四谷の料亭に呼べと命じます。桔梗の許を訪れた中江は5千万を渡すと言い出し、桔梗が1億だと言うと、すぐにそれも飲み、桔梗は逆に怪しみます。今夜料亭でゆっくり話そうという中江に、桔梗は自分の身に何かあったら仲間が警察に通報することになっていると言います。一方、財津は陽子をマンションへ呼び出します。お前は私の後を継いで大物政治家になれと財津に言う工藤。
 桔梗は陽子に、テープをしかけるには罠でもいいから応じた方がいいと言いますが、陽子は怖がります。俺は金がほしいんだと言う桔梗は、俺たちはこのままでは虫ケラで、俺は将来大企業と肩を並べたいんだと言います。私もお金がほしいと言う陽子。桔梗はもう一つ決定的な証拠として、睡眠薬入りの酒を財津に飲ませ、彼を全裸にさせ、全裸の陽子との写真を撮るために、自分にマンションの部屋のスペアキーを渡してほしいと言います。
 料亭で待つ桔梗は中江が遅いので、自分を止める女将を突き飛ばして店を出ますが、3人の男に囲まれ半殺しの目に会い、「どん百姓、命が惜しければ岡山に帰れ!」と言われます。一方、陽子はテープレコーダーを花瓶に仕掛けますが、そこに現れた中江は、財津に陽子を連れて来てほしいと言われたと言います。彼女がここにいると言い張ると、中江は陽子が桔梗といつ知り合いになり、2人で何をしてるのかと問いつめ、わしらをゆする相談をしてるんだろうと言うと、陽子はあんたたちのマネをしただけだと答えます。中江が黒い皮の手袋をしているのを見て、「私を殺しに来たの?」と陽子が言い、「桔梗が何もかも知っている。証拠もある」と言うと、中江は「あいつは今頃くたばっている」と言い、「おとなしくしてたら店を出せたのに」と言って、陽子を絞殺します。花瓶の中からテープレコーダーを回収する中江。一方、半殺しに会った桔梗はタクシーでマンションを目指します。
 中江は陽子の死体を運び出し、車で去ります。桔梗はスペアーキーでマンションの部屋に入ると、本箱の中からテープレコーダーを取り出します。
 桔梗は中江へ電話し、あんたと財津が新幹線について30分ほど話している証拠のテープがあると言います。買わないなら警視庁へ持って行く、買うならマンションに来いと桔梗は言い、マンションに来た中江が一度テープを聞かせてほしいと言うと、テープからは陽子の「助けて!」という苦し気な声が聞こえてきます。殺人の証拠なのだから1億じゃ安い、死刑を免れるためなのだから、あんたの儲け全額の2億で売ると桔梗が言うと、中江はそれでも買うと言います。死体をどう始末した?と桔梗が問うと、重りをつけて海に沈めたと答える中江。桔梗はテープは売らないと言い出し、「この声を聞いて考えが変わった。人を殺してまで俺は金を得ようとは思わない」と言うと、中江は「悪党にならんと金儲けはできん」と答え、桔梗は「この声を聞いても平気なのか?」と言って、陽子の苦しむ声のボリュームを上げてテープレコーダーを中江に押し付けます。中江は桔梗に飛びかかり、乱闘となりますが、桔梗は陽子の苦しみを味わわせてやると言って、中江の首を締め、失神すると花瓶の水を浴びせ、「馬鹿らしい、どうせ死刑なのだから」と言って、待機していた刑事たちを部屋に入らせます。「テープごとこいつを渡しますよ」という桔梗。桟橋で陽子の死体の確認をする桔梗。刑事は工藤と財津も逮捕できそうですと言うと、桔梗は「僕はただ金がほしかっただけ。そのためにあの女を殺してしまった」と言って立ち去ります。検事の取り調べを受ける中江は、汚職事件のことも全て話せば死刑は免れるかもしれないと聞き、「一切合切白状します」と元気づきます。列車の中でその記事を読む桔梗は、平行して走る新幹線を「いいですね」と隣の席の乗客に言われ、カーテンを閉めるのでした。

 吐き捨てるような科白がここでも生きていて、登場人物の迫力が伝わってくる“演出”の映画でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto