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マキノ雅弘監督『月形半平太』

2013-10-29 10:12:00 | ノンジャンル
 マキノ雅弘監督、伊藤大輔脚本の'61年作品『月形半平太』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 京都の大乗院で、西郷(近衛十四郎)と桂(高田浩吉)が会い、薩摩藩と協力することを藩の上層部に賛成させるため、桂が長州藩に向かうことになり、後は月形(大川橋蔵)が京都にいる長州藩士のまとめ役をすることになります。幕府側の見回り組のリーダー、奥平(山形勲)は、勤王派の武士を殺し回ります。
 町人たちは見回り組の残忍さを批判し、長州藩士たちも奥平を斬ろうと言いますが、月形は倒すべきは奥平ではなく幕府だと言い、時期を待てと言います。月形の馴染みの梅松(丘さとみ)は、月形が死んだら自分も死ぬと言います。奥平が馴染みの染八と月見に行くと知った長州藩士は、月形の言うことを聞かず、月見の場所に駆けつけますが、月形はそれを察知して、自分が梅松が奥平と染八の代わりに行きます。
 見回り組の早瀬(里見浩太郎)はひょんなことから扇屋の娘・歌菊を助けます。その夜、酔って帰る月形を大勢で切り殺そうとする見回り組でしたが、果たせず、早瀬は自分たちのやっていることに疑問を抱きます。
 京都守護職で見回り組に責められた早瀬は、脱退届けを出し、会津から出てきたのは町の人を守るためだったと言って、国元へ戻って百姓をやると言います。彼は月形に会いに行き、味方になりたいと言いますが、月形はあせっちゃいかん、時期を待てと言い、とりあえず扇屋の職人になれと言います。
 長州藩邸では、月形が見回り組の脱退者を匿っていると月形を批判する声が起き、奥平にも繋がっているのではと疑われ、早瀬の居所を見回り組に密告しようという意見が出て、松方(黒川弥太郎)が彼らを止めようとしますが、失敗します。早瀬が月形からだと呼び出され、その場に行くと、見回り組が待っていました。そこへ月形が現れ、志しを持つ者は双方にもいることを知るべきだと言いますが、聞き入れられず、月形は奥平を斬ります。
 奥平の従弟の小宮山(平幹二郎)が染八の許に現れ、奥平の仇討ちをしたいと言います。仲良くしている早瀬と歌菊に月形は藩論が統一する時期は必ず来ると言います。一方、長州藩からの早馬が京都に到着し、徳川幕府と手を結ぶことになったと伝えられ、反論する者は藩の命令に背くのか、と詰問されます。意見を求められた月形は、酔った勢いで、上の意思が変わったことでジタバタするようでは、天下国家を論じるに当たらないとして去りますが、松方も月形を追って去ります。春雨の中を酔って歩く月形に染八が傘をさしかけ、月形は彼女の部屋に寝ますが、彼女が刀で月形を襲おうとすると、やぼなまねはよせ、と止めます。恥じ入る染八。奥平を斬ったのは今の世のため、花は必ず散るので、それまで待ってくれ、と言う月形。河原を歩く月形に、長州から帰ってきた桂が声をかけ、幕府と手を結ぶと言ったのは、薩摩と連合する際の藩の反対派を牽制するためだった、と聞きます。
 薩摩の屋敷で西郷と桂は会い、桂から月形への手紙が梅松の許へ届けられます。機は熟せりと早瀬に伝言する月形は、大乗院で桂と会うと梅松に言い、桂と一緒に国元へ帰るかもしれないとも言いますが、梅松は一晩でも会えないと辛いのにと言って泣きます。桂に会った後、三条河原で四つ半に会おうと梅松に言う月形。早瀬のところへ月形の伝言と手紙が届けられますが、そこには大乗院へ月形が行くと書いてあり、桂が長州藩邸にいることを知っていた早瀬は月形が騙されたことを知り、大乗院に急行します。月形が大乗院に着くと、誰もいず、図られたことを知ります。そこには長州藩士らから情報をもらった新撰組が待っていました。新撰組と斬り合う月形。大乗院へ行く早瀬を邪魔する長州藩士と斬り合う早瀬。桂と早瀬らが大乗院に着くと、月形は致命傷を受け意識が薄れていて、桂らを認めることもできない状態でした。そして夕暮れの中、三条河原で待つ梅松の姿で映画は終わりまます。

 人物関係が分かりにくく、筋を追うのに苦労しましたが、美術がすばらしく、またマキノ節も健在でした。特に酔っ払いながら弁説をふるう大川橋蔵の演技は素晴らしかったと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto