昨日の続きです。
ミナミはお清めをしたお札と無紋のお札を重ねて財布に入れてパチンコをしたら、5万3千円儲かったとアサミに報告します。アサミは姉が騙されていると思い、説得しようとしますがダメです。ユウは学校では友人もおしかくさんのことを知っていました。友人はコピーした用紙でおしかくさんを始めますが、途中で先生が入ってきて、おしかくさんを帰さないままになってしまい、おしかくさんを始めようと言い出した友人が腹痛で保健室へ運ばれます。ユウらは祟られたのではと思い、すぐにおしかくさんの続きをすると、友人の腹痛は治りました。一方、ミナミはつまらない原稿書きの仕事を辞めて、スーパーで地道に働こうと思うとアサミに言い、おしかくさんを一緒にやってくれと頼みます。ミナミはスーパーで仕事をやるべきか尋ねますが、お告げは台所の仕事をしろと言い、おしかくさまには10月15日の2時に上野動物園で会えると言うのでした。
そしてその日、たまたま訪ねてきたミナミの父も合わせた6人は上野動物園に向かいます。ミナミは父が生きていく上で大事なのは知識と教養だとしか教えてくれず、生きる上ではお金だけが頼りであることを教えてくれなかったと父を非難します。彼らは気付くと2時になっていて、いつの間には目の前にAKBのような少女が立っていて、自分がおしかくさまの化身であると言い、いろんな質問をミナミがすると「すでにおまえはその答えを知っている」と言い、「金は鏡である。金は金を向き合うすべての人の心を映し出す」と言い、「限界をつくるのは人であり他の神である」と言いました。「光速より速いものは存在するの?」という問いに「啓示だ」と答えられたミナミは怒り出すと、少女は「私の背後を見なさい。おまえが見るものはおまえが一番見たくないものである」と言うと、5人は皆一瞬のうちに打ちひしがれてしまい、「神を試すことはできない」と言って少女は去っていきました。ミナミはその時、分かれた夫と見知らぬ女性と小さな男の子が手をつないで楽しそうに歩いている姿を見、他の4人も別れた家族の姿を見たと言うのでした。
それからしばらくして「少女タレントにおしかくさま名乗らせインターネット新興宗教詐欺! ?」と題された記事がスポーツ紙に載り、「サイトを運営していた芸能プロダクションの売上総額は1億円。ご利益がないなどの苦情が複数警察に寄せられたため、警視庁が捜査に乗り出す方針。プロダクション側はAKBのオーディションを落ちた少女が啓示を受けたのは事実で、経費を除いた売り上げはすべて東日本大震災の義援金とするつもりであると主張している」と書かれていました。ミナミはユウに小説を書き始め、スーパーのレジの仕事も始めるつもりだと告げます。ある日、ミナミの許へ父に連れられた藤木野らがやって来て、少女が「清められた金がなせることは穢れた金の何倍かにもなるであろう。それを恐れてわたしとおしかくさまの信者は迫害されるだろう」と言っていたことに言及し、彼らはおしかくさまを助けにいくことにします。
ネットへの書き込みで集まった人々を前にして、ミナミは語り始めます。「詐欺と報道されてから、あたしたちは世間から馬鹿者呼ばわりされています。あたしたちは愚かなことをしたのでしょうか。この国ではお金が何よりもお金が大事と声に出して言うことは下品だと思われていますが、実際お金ほど頼りになるものはない。だから人よりお金を信じようとしたのです。少女は金は鏡であると言いました。おしかくさまは何を教えようとしたのでしょう。ここにろうそくがあります。このろうそくの火で、どちらかを燃やしてください。穢れた1万円札か、無紋の札か」次の日には、この様子はYouTubeで流され、少女に対する世論は変わり、おしかくさまの名義で1億円が日本赤十字に振り込まれて、批判を続ける人は少数派となりました。
ミナミは慣れない手つきでレジでバーコードを読み込みながらアサミと話し、1万円よく燃やしたなあという話になると、ミナミは自分は燃やさなかったと言って、いたずらっぽくアサミに笑いかけるのでした。
話し手が父、洋子、ミナミ、アサミ、ユウと次々と変わるので、慣れるのに少し時間がかかりましたが、「ウツ病は先のことを考えず、5秒10秒先のことだけを考えるように」など、示唆に富んだ部分も多くあり、小説として面白いだけでなく、お金の使い方をも考えさせてくれる、そんな小説でした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
ミナミはお清めをしたお札と無紋のお札を重ねて財布に入れてパチンコをしたら、5万3千円儲かったとアサミに報告します。アサミは姉が騙されていると思い、説得しようとしますがダメです。ユウは学校では友人もおしかくさんのことを知っていました。友人はコピーした用紙でおしかくさんを始めますが、途中で先生が入ってきて、おしかくさんを帰さないままになってしまい、おしかくさんを始めようと言い出した友人が腹痛で保健室へ運ばれます。ユウらは祟られたのではと思い、すぐにおしかくさんの続きをすると、友人の腹痛は治りました。一方、ミナミはつまらない原稿書きの仕事を辞めて、スーパーで地道に働こうと思うとアサミに言い、おしかくさんを一緒にやってくれと頼みます。ミナミはスーパーで仕事をやるべきか尋ねますが、お告げは台所の仕事をしろと言い、おしかくさまには10月15日の2時に上野動物園で会えると言うのでした。
そしてその日、たまたま訪ねてきたミナミの父も合わせた6人は上野動物園に向かいます。ミナミは父が生きていく上で大事なのは知識と教養だとしか教えてくれず、生きる上ではお金だけが頼りであることを教えてくれなかったと父を非難します。彼らは気付くと2時になっていて、いつの間には目の前にAKBのような少女が立っていて、自分がおしかくさまの化身であると言い、いろんな質問をミナミがすると「すでにおまえはその答えを知っている」と言い、「金は鏡である。金は金を向き合うすべての人の心を映し出す」と言い、「限界をつくるのは人であり他の神である」と言いました。「光速より速いものは存在するの?」という問いに「啓示だ」と答えられたミナミは怒り出すと、少女は「私の背後を見なさい。おまえが見るものはおまえが一番見たくないものである」と言うと、5人は皆一瞬のうちに打ちひしがれてしまい、「神を試すことはできない」と言って少女は去っていきました。ミナミはその時、分かれた夫と見知らぬ女性と小さな男の子が手をつないで楽しそうに歩いている姿を見、他の4人も別れた家族の姿を見たと言うのでした。
それからしばらくして「少女タレントにおしかくさま名乗らせインターネット新興宗教詐欺! ?」と題された記事がスポーツ紙に載り、「サイトを運営していた芸能プロダクションの売上総額は1億円。ご利益がないなどの苦情が複数警察に寄せられたため、警視庁が捜査に乗り出す方針。プロダクション側はAKBのオーディションを落ちた少女が啓示を受けたのは事実で、経費を除いた売り上げはすべて東日本大震災の義援金とするつもりであると主張している」と書かれていました。ミナミはユウに小説を書き始め、スーパーのレジの仕事も始めるつもりだと告げます。ある日、ミナミの許へ父に連れられた藤木野らがやって来て、少女が「清められた金がなせることは穢れた金の何倍かにもなるであろう。それを恐れてわたしとおしかくさまの信者は迫害されるだろう」と言っていたことに言及し、彼らはおしかくさまを助けにいくことにします。
ネットへの書き込みで集まった人々を前にして、ミナミは語り始めます。「詐欺と報道されてから、あたしたちは世間から馬鹿者呼ばわりされています。あたしたちは愚かなことをしたのでしょうか。この国ではお金が何よりもお金が大事と声に出して言うことは下品だと思われていますが、実際お金ほど頼りになるものはない。だから人よりお金を信じようとしたのです。少女は金は鏡であると言いました。おしかくさまは何を教えようとしたのでしょう。ここにろうそくがあります。このろうそくの火で、どちらかを燃やしてください。穢れた1万円札か、無紋の札か」次の日には、この様子はYouTubeで流され、少女に対する世論は変わり、おしかくさまの名義で1億円が日本赤十字に振り込まれて、批判を続ける人は少数派となりました。
ミナミは慣れない手つきでレジでバーコードを読み込みながらアサミと話し、1万円よく燃やしたなあという話になると、ミナミは自分は燃やさなかったと言って、いたずらっぽくアサミに笑いかけるのでした。
話し手が父、洋子、ミナミ、アサミ、ユウと次々と変わるので、慣れるのに少し時間がかかりましたが、「ウツ病は先のことを考えず、5秒10秒先のことだけを考えるように」など、示唆に富んだ部分も多くあり、小説として面白いだけでなく、お金の使い方をも考えさせてくれる、そんな小説でした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)