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トニー・スコット監督『エネミー・オブ・アメリカ』その2

2013-10-23 06:45:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 広場の盗聴と盗撮の計画を立てるレイノルズ。“ピンテーロ・リムジン会社 10:06”。ディーンは未だにビデオの撮影者の名をピンテーロに明かしません。“マウンド・ヴァーノン広場 11:18”。国税局から過去4年の監査をすると言われたと語るレイチェル。この騒ぎの発端はブリルだとしてディーンは彼に会いたいと言うと、レイチェルは彼と接触したい時はうちの前のポストに斜線を引くように言います。時間と場所は常に午後3時発のフェリー。32番の座席の下に彼に渡すものを張り付けるのだと言い、彼女も彼の顔を見たことがないと言います。フェリーに現れたブリルにディーンが妻、仕事など全てを失ったと言うと、ブリルは助かりたければ何も隠すなとディーンに言います。ブリルは拳銃でディーンを脅し、エレベーターに導き、そこで2人だけになると、ディーンの全身をチェックして発信機を全て取り除き、ホテルの部屋にディーンを残して去ります。そこへやって来たNSAの者たちから、ディーンは火災を起こしてベランダ越しに逃げだし、レイノルズは表ざたになることを恐れ、作戦と中止させます。
 “ディーン宅 07:15”。盗聴器と隠しカメラが無数に仕掛けられています。ディーンはカーラと仲直りし、フィラデルフィアの実家に避難することを勧めます。ディーンはクリスマスプレゼントとして贈った下着を彼女が身に付けているのを見て、エリックへのプレゼントに思い至ります。家政婦の運転する車に隠れたディーンは登校途中の息子を車に乗せ、既に壊れていたという彼へのクリスマスプレゼントを息子から手に入れます。息子を送った後、レイチェルのアパートの前のポストに斜線を書くディーン。“レイチェルのアパート 11:24”。ディーンが中に入ると、レイチェルは浴室で殺されていました。自分を犯人に仕立て上げるために殺したと考えるディーン。彼はブリルの運転する車に乗ると、ブリルは全てがNSAの陰謀だと言います。途中でディーンはカーラの職場に電話しますが、NSAは、その電話で彼らの位置を特定します。
 “サウス・ボルディモア工場地区 15:43”。ブリルの仕事場は、銅のワイヤーが外からの電波を敢然に遮っていました。政府と通信業界は1940年代から癒着していて、あらゆる回線、電波に入り込み、テクノロジーの進歩は監視を容易にしているとブリルは言います。私は元NSAの通信アナリストで、国際通信の傍受を分析し、最初の衛星監視システムを設計し、NSA本部の地下には巨大なコンピュータルームがあって、地上を監視しているスパイ衛星の数は約百。電話の盗聴に器具は不要、今は空中で電波を盗むのだとも言いました。そこへ侵入アラームが鳴り響きます。ブリルはカードをディーンに渡し、仕事場を脱出します。車での追跡劇の後、ブリルの車も発火し、カードは焼けてしまいます。“ブリルのアパート 08:07”。ブリルは、法案の推進者アルバート議員の住所と携帯のシリアル・ナンバーを手に入れ、携帯の盗聴をします。
 “リンカーン・ホテル59号室 15:55”。隠しマイクとカメラのある部屋で密会する議員と秘書。“レイノルズ宅 09:02”。ブリルは電気屋に扮して、やはり隠しマイクとカメラを設置します。NSA局長室では、議員の盗聴の件でレイノルズらが叱責を受けます。ブリルはレイノルズに電話し、直接会うことになります。“ボルティモア警察署 16:00”。警官に扮したブリルは自分とレイノルズの会話をディーンに録音させようとしますが失敗し、2人ともレイノルズに捕まります。ディーンはテープは4番通りに置いてあると言います。“ピンテーロのレストラン 16:46”。レイノルズはピンテーロにテープを渡せと言いますが、ピンテーロは自分が買ったのだから渡さないと言います。彼らは銃撃戦を始めてしまい、死に絶え、机の下に隠れていたディーンは助かります。
 “FBI本部 10:33”。銃撃戦前の会話をなぜ録音していたのか聞かれたレイノルズの部下は“訓練”だったと答えます。例の法案は流れる訳ですか?と聞かれ、今日は流れるが問題は生き続けると答えるアルバート議員。「弁護士の容疑、晴れる。レイチェル殺しはマフィア?」と見出しの新聞。テレビを見ていたディーンはやがて隠しカメラで撮られた自分の姿がテレビに映ると「ブリル、あんたビョーキだ」と言うのでした。

 会話が果てしなく続く映画でしたが、画面の連なりは常に緊張感を孕み、見事な出来映えでした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto