海外のニュースより

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「ブッシュの政策を動かしているのは、陰謀だ。」という『ニューヨーク・タイムズ』の記事

2005年10月23日 | アメリカの政治・経済・社会
10月20日、ワシントン発:コリン・パウエル国務長官の元補佐官は、彼が仕えた政府に対してぶっきらぼうな批判をした。彼の言うところでは、外交政策は、「チェイニー・ラムズフェルドの陰謀」によって乗っ取られていた。そしてブッシュ大統領は、アメリカを将来の危機に対して傷つきやすくした。
このコメントは、2001年から2005年初めまで、パウエル国務長官のために仕事をしたローレンス・ウイルカーソンの演説の中に出てきた。ワシントンにある独立の公共政策研究所である「新アメリカ財団」に対する演説で、ウイルカーソン氏は、秘密と傲慢と内部の反目がブッシュ政権に重大な損失を与え、その政策を歪め、危機に対処する能力を低下させた」と述べた。
「私なら次のように言うだろう。われわれはイラク、北朝鮮、イランにおいて、災難を自分から求めたのだ。カトリーナとリタというハリケーンのような国内の災害についてと同様にと。」「われわれは長期間そのような災害に対してうまくやっていなかった。」
ウイルカーソン氏は、ブッシュ政府の機能不全は非常に深刻だったので、「本当に重大な何か、例えば主要なアメリカの都市における核兵器爆発とか、全国的な疫病のようなことが起こった場合、われわれはこの政府の愚かしさを見るだろう。」
退役した陸軍大佐であり、海兵隊軍事大学の元学長であるウイルカーソン氏は、彼が政府に近かった時期に、自分は国家安全機構がいろいろな仕方でねじれているのを見たと言った。しかし、ブッシュ大統領の第一期に彼が見たものは、「私が気違沙汰・粗悪化・混乱についての研究で一度も見たこともない例だった。」
「私が見たのは、危機的問題についてのアメリカ副大統領チェイニーと国防長官ドナルド・ラムズフェルドの間の陰謀だった」と彼は述べた。
元補佐官は、ブッシュ大統領を国際関係について熟知せず、国際関係に余り関心がない人物であると述べた。彼は大統領の父であった、ブッシュ元大統領を賞賛して、「彼はわれわれが持った最も素晴らしい大統領の一人だった」と述べた。
ウイルカーソン氏は、パウエル元国務長官の最も近しい親友であると考えられていたが、彼らの関係は、明らかに時に緊張したものとなった。イラクにおける通常でない兵器の問題に関して。元陸軍大佐は、パウエル氏が自分の最近の公的批判に賛成しなかったと述べた。
[訳者のコメント]ブッシュ政府が機能不全に陥っていることは、ハリケーン「カトリーナ」の後始末の不手際で明白になったと思いますが、イラク戦争の結末もうまくつけられない可能性が大きいと思います。どの政府でも、主要メンバーにおかしな人物が入り込んだ場合、国益に重大な損失をもたらすのは明らかです。

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