海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国人民銀行総裁との晩餐」という『ヴェルト・オンライン』のブログ

2010年02月05日 | 中国の政治・経済・社会
だが、すぐに噂を予防するために、次のことを言っておかなければならない。私が中国人民銀行総裁と晩ご飯を食べた訳ではないと。ジャーナリストは、彼に近づくことはできない。これに対して2007年度ノーベル経済学賞受賞者のエリック・マスキンは、昨日(1月27日)の晩、周小川と一緒に晩餐を食べた。今日の昼、私はマスキンと食事をした。その際、彼は北京の印象について全く新鮮に報告することができた。
マスキンは、最もよく知られた中国の経済学者ウー・ジャンリンの80歳の誕生日のお祝いに客として招かれた。「周は、非常にはっきりと、中国は通貨である人民元を切り上げるだろうと言った」とマスキンは話した。それと同時に、中国の通貨政策が問題になる場合、目下、おそらく最も激しく議論されているテーマに触れた。「もっとも、彼はいつ切り上げるかは言わなかった。」
いずれにせよ、しかし、彼の発言は、中国人民銀行も通貨が過小評価されていると思っているということを明らかにした。エコノミスト達は、人民元がドルに対して20%から40%程度弱く評価されているということを前提している。中国が2008年夏に、事実上、再びドルへの連動に戻って以来、特に問題は大きくなった。それ以前は人民元は、2005年以来ゆっくりとだが、上昇していた。
だが、マスキンは、もっと重要な報告をもたらした。「周にとって重要なのは、米国経済がどのように展開するかということだ。彼はすべての点で優れた情報を得ており、彼は情勢がどうなっているかについて、明確な分析的視点を持っている。」彼にとっては、米国経済が上手く行くことが、アメリカ人達にとってと同じく、気にかかっている。このことは容易に理解できる。なぜならば、中国は米国の最大の債権者であり、2兆ドル(180兆円)以上の外貨準備高を保有しているからだ。
資金提供者としての中国の増大する意味は、基本的には肯定的なものである。その負債が中国によって資金援助を受けられるかもしれないギリシャの場合にも、重要であるだろう。「このことによって、純粋に経済的な視点からは、中国がもっと強力に国際的金融システムに結びつけられることなるだろう。」もっとも、中国が人権に関して同じ水準に達していないという政治的な側面もあると彼は言う。
確かに、マスキンも勇気づけられる報告をもたらした。「私にとって非常に興味のある観察は、誕生日を祝って貰ったウー・ジャンリンも含めて出席者の誰もが、中国は長期的に見れば、西欧型の民主主義になるにちがいないということをはっきりと強調したことである。」もっともこれについてもいつまでにという期限については誰も述べなかった。
[訳者のコメント]「ブログ記事」と銘打たれていますが、書いた人はフランク・シュトッカーというジャーナリストですから、内容は信用できると思います。新聞にまでブログが掲載されるというのはちょっと驚きですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする