海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国の居丈高な調子は西欧政府の間で憂慮されている」と題する『ワシントン・ポスト』紙の記事。

2010年02月01日 | 中国の政治・経済・社会
台湾に武器を売却するという米国政府の計画発表に対する中国の反応は、北京政府の新たな勝ち誇った態度と歩調があっているように見え、それは世界中の政府やアナリストを憂慮させている。
コペンハーゲンの気候変動会議からインターネットの自由、中國とインドの国境問題に到るまで、中国情勢の観察者達は、その政府や代表者や国営シンクタンク出身のアナリスト達が発している強面(こわもて)の調子に注目している。
土曜日にジョン・ハンツマン駐中国大使を呼びつけた外務副大臣のヘ・ヤフェイは、ヘリコプター、パトリオット・ミサイル、掃海艇を含む64億ドル(5,760億円)に上る武器を台湾に売却しよういう決定を取り消さないなら、米国は「重大な報復」に対して責任があるだろうと警告した。この反応は、中国が米国との取引について数ヶ月前から知っていたのに起こった。
 「中国の態度には変化があった」と国家安全保障委員会の官僚ケネス・リーベンソールは言う。「中国人達は外国の人々が彼らを世界の強国だと見なすに到ったということが分かった。このことが彼らの自信を増大している。」
 リーベンソールは、中国の新しい調子のもう一つのファクターは、西欧による二世紀間の搾取の後、中国が世界の偉大な国家の一つとしての役割を取り戻しつつあるという感覚である。
 この新たな態度は西欧の役人やアナリスト達を困惑させている。変化したのは中国の調子だけなのか、それともその政策も変わってきたのか?
 米国のある高官は、昨年12月の気候変動会議における中国の普段と違う振る舞いに言及した。その期間に、中国はホワイトハウスの特使トッド・スターンを叱責し、国家首脳のためのイベントに外務省担当官を派遣し、低開発国における二酸化炭素削減目標を決定することに、激しく反対した。
 もう一つの問題は、インターネットの自由とサイーバー・セキュリティである。これは中国がウェッブ検閲を止めなければ、中国を撤退するぞというグーグルの脅しによって光を浴びた。中国の要請で、このトピックスは、今年のダヴォスの「世界経済フォーラム」の議題からは削除された。
 アナリスト達は傲慢と不安の結合が中国の気分を駆りたてているように見えると言う。一方で、北京は、中国がグローバルな金融危機を簡単に乗り越えたことによって、そのシステムの優越性が証明され、中国は、台頭しているだけでなく、グローバルな舞台に登場したと思っている。他方では、中国西部のチベットや新彊ウイグル自治区での暴動は、中国政府の指導者達に彼らの一党支配についての不安を引き起こした。そう言うわけで、彼らの権力に対するどんな脅威も激しい反発を招くのだ。(以下省略)
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